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Lv.98

生まれた時は何も出来なくて、何から何まで人の世話になります。

やがてひとつづつ自分で出来ることが増えて、だいたいのことを自分でやれるようになれば、それが当たり前の状態になります。

自分のことは自分でやる。それを継続することで、やがて自信になって、自分という存在は自分の中で少しづつ大きくなっていきます。

『成長曲線』

人間の身体の成長は18歳をピークに徐々に衰退の方向へ向かうそうです。そして人間は長く生きれば120歳ぐらいは生きられる身体であるそうです。

イメージ通りに身体を動かして、あれもこれも色んなことが出来たし、誰も出来ないことだって時には出来たりもした。

ところが18歳から120歳へ向かう途中のどこからか、動きのイメージのその通り寸分違わず身体を操縦することが難しくなってきた。

今まで当たり前に出来ていたことなので、急に制御不能までには至らないんですが、頭の中でイメージした動きに比べて、実際の身体の動きはちょっと違う感じがします。

実際にどう動いているかを確認する術はありませんので、そのまま階段を踏み外したり、何度も段差に躓いたり、気を付けてても皿を落としたり、豪快に食べこぼしたりします。

昔みたいに出来なくなったそのままの状態で、かなり長い年月を過ごして、今度はその状態が通常の動作となっていきます。

本当はここで気が付くべきだったんです。

本当に120歳まで生きるイメージも出来ない中で、自分の身体への信頼も、あの頃の自信をも徐々に小さくしていって、やがて心を頑なにしていく。

自分では頑なになっているつもりも、変に意地を張っているつもりもないのに、イメージ通り身体を動かすことが出来ない現実を頭では受け入れながらも、そこまで深刻に思っていなかったりします。

『上級者編』

イメージ通りに動かなくなっていく身体を、それでもうまく操縦しながら、一つ一つのことを丁寧に慎重に繰り返す日々がやってきます。

生まれてすぐのこれからどんどん成長していくその日々は、昨日まで出来なかったことが今日できるようになった喜びの積み重ねで、何の迷いも無かった。

これからは、昨日まで出来ていたことが今日は難しくなる迷い、痛み、諦めもするかもしれない中で、でも最後まで自分でやれることを減らさないまま生きていかなければならない。

きっとこれから先の方が『今日も出来た。まだ大丈夫だ。』を繰り返していかなければならない、上級者向けの日々の暮らしとなります。

レベルを1上げることの大変さをここから痛感していきます。

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