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バランス

イスラエル政府とパレスチナの軍事組織ハマスとの戦闘が開始されて、日本ではロシアとウクライナの戦争を毎日報道していたテレビの情報番組なんかも一斉にイスラエルとパレスチナに切り替えた。

本来ですと日本から近いロシアとウクライナの戦争の顛末の方が気になるところかとは思うんですが、日本のテレビ局などはどこももう今ではそんなことすら無かったかのような切り替えっぷりですから、逆にどうなってんの?ってなりますね。

『石油依存』

産油国が戦争になって石油の産出や移送が滞れば、資源の無い国である日本はたちまち産業も生活もすべてが停滞します。

日本は『オイルショック』を経験しましたので、備蓄もあるし、他国からの融通も多少は期待できるとは言え、中東での戦争が長引けば即ち国民の命に関わることになります。

ロシアとウクライナの戦争は日本にとって、ロシアからの石油と天然ガスの供給、ウクライナからの小麦の供給という死活問題であるにも関わらず、国家安全保障上、どうしてもアメリカの核を頼らざるを得ないということから、アメリカへの忖度は当然、その政治指針にも逆らうことはできない。まさに太鼓持ちのような現状です。

特に、アメリカは民主党と共和党の二大政党制であるが故、政権を交代するごとに政策が180°変わるため、日本もバランスを取るのが大変です。

『30年』

日本では先進国が軒並みインフレ傾向になって給料が上がってる今もなお、給料も負担も上がらないバランスで来ました。足並みを揃える判断も出来たと思うんですが、そのリスクを考えて、より誠実で着実な独自の成長戦略を取った。

これまで30年、誰も『給料上げろ』と言わなかったが、このところ『なぜ日本だけ30年も給料上がってないんだ!』と言い始めた。

全ては『ガソリン価格の急騰』にあると思います。

レギュラーガソリンが1リットルあたり130円から140円を保ててたものが一気に170円から180円となって、その影響で電気料金が上がれば『製造業』も『サービス業』もコストを価格に転嫁せざるを得なくなり、『物価高』に繋がる。

『トリガー条項』

『租税特別措置法』において、レギュラーガソリンが3か月連続で160円を超えた際、揮発油税を引き下げることが出来る。

日本政府はこれまでにも、石油販売大手に補助金を入れて価格の高騰を抑えてきた。結果として価格は抑えられてはいるものの現状は『高止まり感』でしかない。

もちろんバランスが一番大事だとは思う。トリガー引けばその後の修復も大変だろうとは想像もつくが、今の日本国民が『生活』に不安を抱えながら生産性を維持・拡大させていくことが出来ると思っているならば『判断が甘い』としか言いようがない。

社会保障が万全な国ですべてを政府に任せて生きる私たちが独自で身を護ることなぞ出来るワケが無い。

『増税メガネ』

総理大臣を指してこのように揶揄していることでもわかるように、国民は現状に大いなる不満を持っている。そして鬱積し続けている。

石油価格高騰時すぐにトリガー引いていれば現状は変わっていたかも知れないし、何も変わらなかったかも知れないが、結果でなく『トリガー条項あるのに何もしなかった』ということ、『補助金でいけるやろ』という安直さ、判断力の鈍さを嘆いているのだと思う。

権限を持つ者がやるべき時に判断を鈍らせてはいけない。国民の命に関わることだから。

もちろん『バランス』は大事。でも『スピード』はもっと大事。

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