祈り
『恩人』だと思える人が一人以上いる人生は豊かです。
成功か失敗かは最後までわからないものの、なんとなく間違った方へ向かってるような気がしてならない時、ジャッジしてくれる人がいると本当に助かる。
人生の早いうちに『こうなりたい』という姿をイメージ出来たもの勝ちだし、なるべく早く確認したいのですが、なんとなく自分の判断だけでは心許ない。
出来れば自分よりも大人の誰かの意見があればより心強い。
盆暮れに祖母の顔を見るために伯父と伯母がやって来る。伯父はいつも笑顔でハッキリ喋る調子のいい感じのいかにも商売人って感じの人で、伯母もいつも笑顔なんですが声は小さく頭脳明晰なのにどこか『悪』を感じるところもある人だった。
子供の頃からずっと変わらず『好きなようにやったらええのに?』と周りの大人が『やめとけ』ってことだって絶対に否定しない人だった。
『悪い事さえせなんだらええがな。』という我が家の家訓みたいな、いつもそこに立ち戻してくれる存在。
いつも『最近はどうしてるん?』って投げかけてくれて、『こんな感じ。こうしようかなって思ってる。』って言うと『やればええやんか。』と必ず背中を押してくれる本当に珍しい大人だった。
なので年に一度か二度、会うのが楽しみだったんです。
いつの間にか、そんな大人になってます。そして誰かの話を聞いて同じようにニヤニヤ笑うようになりました。遺伝子がそうさせてるんでしょうかね?
ついに天国からお迎えが来ました。天国も人手不足なんでしょうかね?
きっと向こうでも同じように誰かの背中を押して、どうにかなったのを聞いてニヤニヤしてるんでしょう。
まだあんなに堂々と誰かの背中を押せてないです。アタシはもうちょっとがんばりますね。
また会いましょう。そしてまた背中を押して面白がって話を聞いて欲しいです。