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BCSの敗退から見えた日本チームに足りないもの。RCとBCSの差はなんだったのか考える。

【はじめに】

PMGCも残すところリーグファイナルの3日間、そして1月のグランドファイナル3日間計6日間となった。
西と東に分かれて全40チームで開催された今回のPMGC。ここまで既に8チームが脱落しており、24日(金)で15チームにまで絞られる。
脱落した8チームの中には残念ながら日本代表BCSwell(以下BCS)の名前もある。
今大会日本からはREJECT(以下RC)とBCSの2チームが出場。RCは比較的安易な順位でリーグファイナルまでコマを進めたが、BCSは世界の壁に阻まれる苦い結果となった。

同じ国内で戦ってきた2チームは何故対照的な結果となってしまったか、今回は自分なりに考察してみた。

あくまでもPUBGM観戦勢の1意見となるので、その辺はご了承頂きたい。

・PMJL後半戦では最強だったBCS

まずは両チームの国内成績を振り返ろう
RCは前半戦(フェーズ1)では圧倒的なスコアで1位
BCSは8位という結果であった。

しかし、後半戦(フェーズ2)は各チームRCの対策を行う。さらにエースDevine選手の不在などもあり、成績は伸び悩む。

そして対照的に成績を伸ばしたのがBCSだ。

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↑PMJL後半戦のみの総合順位

日本代表は1年間の総合ポイントで決まる為、代表はRCとなったが、結果だけ見れば完全に乗っていたのはBCSで、RCは世界での戦いに不安が残るような国内の結果だった。

・日韓戦で掴み取った世界への切符

しかし、今年の世界大会は日韓戦の優勝チームに、もう1枠出場権が与えられた。
韓国の名だたる強豪を抑え、見事優勝したBCS!!

PMJLの勢いそのままに、日韓の王者となったBCSなら世界でも勝ち抜いてくれるはず!!

と、我々は期待を抱いていた。少なくとも筆者は。



そして開幕した世界大会PMGC、、

結果は冒頭で述べた通りであった、、
世界の壁は厚い

RCが持ってて、BCSに足りなかった部分とは?  以下、考察していく。

【①自分達のスタイルが通用したかどうかの差】

筆者は他の記事でも同じ事を述べているが、PUBGの競技シーンにおけるチームのスタイルは大きく2つに分かれる。

①安全地帯の内側からゲームを組み立てるチーム ②安全地帯の外側からゲームを組み立てるチーム

RCとBCSのチームスタイルは対照的であり、RCは①、BCSは②に当てはまると考えている。

この2つのスタイルで難易度が高いスタイルは②となる。②のスタイルは、TPPという攻める方が不利な競技形式の中、どこかでキルを取らないと安全地帯に入ることができないからだ。

そして、このキルを取る事を前提とする②のスタイルは競技シーンのレベルが上がるにつれて、通りにくくなっている。

例を上げると、昨年の日本代表BBはこのスタイルで国内では優勝できたが、世界戦では勝つことができなかった。

今回のBCSも昨年のBBと同じである。

国内レベルでは②のスタイルが通用したが、世界レベルでは通用しなかった。


・RCの場合

RCは①のスタイルで国内を制した。国内を制したRCのスタイルは世界レベルでも通用した。    すごく単純な事である。

しかし、それだけで勝てるほど世界は甘くない。

PUBGは運要素が絡む為、必ずしもRCが思い通りにゲームプランを立てられる訳ではない。     不足な事態にも対応しなければならないのだ。


【②対応力の差】

BCSは最初の週で自分達のスタイルを通すのが難しいと判断。大会中に①のスタイルへと切り替えた。

しかし、結論から言えば結果を出す事が出来なかった。

何故BCSの①のスタイルは通用しなかったのか?

これも答えは簡単で練習不足

BCSは国内大会でこの動きを取ったことがなかったからである。

12月8日W2Day2の4試合目

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安全地帯が変わるとすぐに動き出すBCS

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ムーブの早さは1番               非常に良いポジションを手に入れたBCS                    ここまでは100点。しかし問題はこの後。


安全地帯に嫌われるBCS

中央に入った事によりBCSは複数チームに囲まれる展開となった。

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視点はTS、赤丸がBCS、青丸がDWG

ポジションを変える時、複数チームから挟まれる展開となっているBCS

普段なら自分達の背中に敵を作らせないで戦っていたBCSはこの状況を返せず壊滅。


先手を打ち、狭い範囲で安全地帯の真ん中を抑えたBCS。しかし、このスタイルの課題は完全地帯に嫌われた時に対応できるかどうか。

PMJLではSGが似たようなスタイルでずっと戦っている。

もし、BCSがSGと同じくらいこの動きの精度が高ければ、返せていた可能性はあると思う。

要するに、初めてやる動きが故に、世界のチーム相手では勝てなかったという事だ。

・対応できていた元世界王者BTRは復調

1周目にBCSと同じく②のスタイルでポイントを伸ばせなかった、元世界王者のBTR

現在の世界レベルは、あのBTRでさえ、外側からキルして中に入るのは難しいレベルに達している。

解説のやまとん先生もおっしゃってたが、BTRも2周目以降①のスタイルに変えて、ポイントを重ねているように見えた。どのようなスタイルでも戦う事ができるBTRはチームとしての完成度が違うことが分かる。

このように中央を取るチームが増えてくると、今度は逆に外側のスペースが空き、②のスタイルが取りやすくなる。メタはこのようにして回るのだ。

・RCの場合

RCも毎回安全地帯の内側に入れている訳ではない。では嫌われた際はどうしているのか?

実はRCも安全地帯が外れた場合は苦しい展開が目立っている。しかし、そこでチームを助けているのが、ReijiOcO選手の存在だ。

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↑青丸RC、赤バツCS

この試合RCは途中で2名が脱落。更に安全地帯が外れて、ポイントを伸ばすには絶望的になる。

しかし、ReijiOcO選手とDevine選手のコンビネーションでCSを壊滅させてから脱落する事でポイントを稼いでいく!

今大会のRCはチームのプランが崩壊してしまった場合はReijiOcO選手がポイントを少しでも稼ぐ事で、0点で終わる試合を減らしているような印象だ。

この積み重ねがSWに3週出場して、世界に通用している要因になっているといってもいいだろう。



【日本チームが世界で勝つためには必要なこと】

日本のチームはBCSの様に、自分達のスタイルの熟練度を上げているチームが非常に多いと思う。  それが悪いとは思わない。しかし、世界のチームは本当に柔軟性が高い事が今回の大会で明らかとなった。

日本チームに足りないのはどの戦闘スタイルでも戦う事ができる柔軟性だと思う

先程はBTRで例を上げたが、現在首位のINFINや2位のGDも非常に柔軟である。特にINFINは凄くて、BTRやBCSの様に、中央を狙うチームが増えたが故にINFINは外からキル稼いでいる。こうしたメタ読みがINFINは上手い。また、それに対応する手札の数も非常に多い。(むしろINFINがメタをコントロールしてるまである)

これから世界一になるチームはどんな戦い方も最高レベルでできるチームです。

今回惜しくも負けてしまったBCSメンバーはまた1つ強くなったと思う。              

本当に1年間お疲れ様でした。          日本の大会もRCを筆頭にもっとレベルが上がっていく事に期待します。

それでは今回はこの辺で

ありがとうございました

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