バーにて 最新話

「だからもううるさいってば!!」
「えーそんなこと言って、その人他にいっちゃったらどうするの?」
「あんたにそう言われてその人にフラれて気まずくなったら、傷ついた心とプライドを慰めてくれないでしょ??他人事だと思って好き勝手言って!女子高生ノリやめてよいい加減にして!」
「まあそうだけど」
「開き直りかよ!もう友達じゃない!!面白がってるだけじゃないの。大体相手のことなんか何も知らないくせに、ちょっと面白いからって、気があるとか決めつけて、たきつけて、そういうアドバイスして話がまとまったことあるわけ?!」
「ないわ」
「じゃあもうやめてよ!うるさい!」
「わかったごめん」

後日

「ねえ、誰かと話をしてて、クソみたいなアドバイス押し付けられる時って、どうするのがいいのかなあ」
「んー、何言っても無駄そうだったら、あえて気まずい感じで沈黙して、話題変えたりトイレ行ったりするとか」
「なるほど…」
「アドバイススイッチ入る奴いるじゃん。なんとしてもその意見を捻じ込んで採用させたい、って感じの。内容関係なしに、そういう状況になったらもう話題を流すしかない」
「あんまりそう考えたことってないかも。その話題の中で拒否したり相手を納得させようとしてたわ」
「それはドツボだな」
「はー、そういうテクとかって、一体どうやって身に着けるのー?私、なんか履修し損ねてるのかなあ」
「そうだなあ、話題を流す練習とかは、ちょっと足りないのかもなー。
よし、じゃあ今すぐ話題変えてみてよ」
「えっ…。………ちょっと、トイレ行ってくるねぇ」

「お待たせ。ねぇ、もうお店出ない?」
「いいよ、そうしようか」
「できた?ねえできた??」
「上出来上出来。場所を変えると話題も自然と変わるから、そこで墓穴を掘らなければ成功!!自分でピンチを脱したっていう達成感もあるし。そのまま帰っちゃえばOKだ」
「はぁ…そこまでするほど話し続けるのが嫌になっちゃう相手なら、もう一緒に飲んだりとかしない方がいいのかもなあ」
「まあ、それも一理あるねえ。付き合う人間を選ぶのも大事」
「そうやって、友達一人ずつ失っていったらどうなるんだろう」
「頭数が不安だからって我慢を続けるのもねぇ」
「そうだけど…。自分が変われば関係が良くなるなら、その方がいいじゃない?」
「まあ、ちょっと頑張ってみるのはいいかも知れないね。でもどうしようもない関係ってのもあるもんだし、一度諦めてみるのもいいかもよ。それで絶対絶交ってわけじゃないんだし。とりあえずあーもう無理だなーって投げる」
「はー。君って大人だねぇ」
「言うのは易しだよ」
「君も実は面倒くさいけど続けてる関係とかあるの?あっまさか私とか!?」
「君は面倒くさくなくはないが、まあ、面倒くさいだけでもない」
「面倒くさい以外に何があるの?」
「さあ…」
「ちゃんと言いなさいよ!ねぇ!!」
「あ、もう電車来るから…」
「ちょっと!!ねぇ!!!まってよ!」


久々のバーにてシリーズ。
前半は実話、後半は妄想ですw

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