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短詩集

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2020年12月の記事一覧

短詩集71 暮れ

1.節電設定で冷たい 2.チョコみたいに年賀状を待つ 3.〆のバブはラベンダーの香りで 4.投函後のボーナスステージ 5.立ち読みで満足のヌード 6.心のエクストラダメージケアに美容院 7.湯船で年を越すか迷う 8.恋は病気なのか健康法なのかまさか詐欺か 9.白い靴で潔白のわたし俗世にDIVE 10.生乾きで蕎麦をすすりながらカウントダウン

短詩集68 適応

1.僕の心の穴の形になってしまった君の心 2.ニンゲンに耐性のある者だけが生き延びる 3.麻痺させ生き延びた心をいまぼくは 4.それでも生きたきみをぼくは勇者と讃えたい 5.甘言を疑似餌にヒト釣る餓鬼の道 6.口を開けなければ食べられない 心を開けなければ満たされない 7.開いた心のバックドラフト 8.心の中に自由の女神が佇んでいる 9.反応を置き換えていくんだ少しずつさ 10.僕は君の孤独に何もしない 新しい適応の形

短詩集67 お手入れ

1.ヌバックの鞄がはじめて入院した記念日 2.「撫でるとツヤが出るらしいの」「君の話?」「革の話」 3.髪を梳かす意味を探る鏡の中の私 4.毛玉取りについて調べ夜が更けて 5.髪を巻いたからもう200円分遠くへ行ける 6.「マメにメンテすると買取価格が上がるんだよね」「肌の話?」「革の話」 7.何もかも比較で測るひとびと命の価値は 8.私も比べ比べられすり減っていく 9.この保湿クリームは心まで浸透しますか? 10.あなたの言葉は擬似餌でしょ?キラキラしてて