第6回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦 予選最終結果
AKB、HKT、NGT、STUが各4人、SKEが2人、JKT、BNKが各1人と、うまいことばらけましたね。
ただ、NMBは残念ながら予想通り0人でした。
もともとNMBは参加者自体が少なかったのですけれども、もしかしたらとんでもない伏兵が潜んでいるのではないかという期待は、みごとに裏切られてしまいました。
歌を聴いた限りでは、上手い下手の以前に、これは審査員の方もおっしゃっていましたけれども、NMBのメンバーたちは発声がしっかりできていないという印象を受けました。
前日のSKEメンバーたちの歌と比較してみると、わりとよくわかると思います。
SKEのメンバーたちの歌は発声が結構しっかりしていましたよね。
これはおそらくグループとしてボイトレをちゃんとやってきたことの賜物なのでしょう。
スキルというものは、才能のあるなしにかかわらず、ある程度のレベルまではトレーニングを積めば積むほど上がっていくものですので、要はそれをやるかやらないかで差がついてくるということになるのですよね。
才能云々というのは相当に上のレベルに行ってからの話になるわけで、自分は才能がないからとかセンスがないからとかいってスキルを磨くことを怠るのは、単にやらないための体の良い言い訳をしているのに過ぎないということになります。
とはいえ、いくら本人がやる気を出しても、所属グループの運営が、たとえば歌唱スキルが上がったからといって何も評価しない、あるいは歌唱そのものをそもそも重視していないという姿勢であるなら、メンバーとしても真剣には取り組めませんよね。
それが今のNMBの現状なのではありませんかね。
それに対してSKEでは、歌唱スキルを上げていくことを運営が明確に打ち出していますから、今回のSKEの躍進というのもむべなるかなという気がします。
加入間もない12期生に歌えるメンバーが多かったというのも、ひょっとしたらそうした歌唱を重視するという運営の姿勢を反映したオーディション結果によるものなのかもしれません。
いずれにしましても、各姉妹グループとも、なんだかんだ言っても歌唱レベルはずいぶんと底上げされてきているのですよね。
そうした流れに、NMBだけ取り残されてしまっているのではありませんかねぇ……。
さて、今回はいろいろと波乱の多い予選でした。
何と言っても、これまでの大会で実績のあるメンバーたちで、順位の振るわなかった人が何人もいたことでしょうか。
秋吉優花や三村妃乃、峯吉愛梨沙、澤田奏音など。
この中で最終結果の15人に入れたのは三村妃乃だけで、それもギリギリセーフといったところで、秋吉優花は審査員推薦枠、峯吉愛梨沙や澤田奏音に至っては予選落ちですからねぇ……。
なかなか手厳しい審査でしたね。
秋吉優花は、以前から予選でも構わずに挑戦的な選曲をしてくる人ではありましたけれども、もしかしたら今回の「天城越え」は少々やり過ぎだったのかもしれませんね。
まあ、やり過ぎと言いましょうか、今回の審査員にはあまり受けが良くなかったと言いましょうか……。
審査員の方も事前に彼女のこれまでの実績とか情報とかは得ているでしょうから、歌える人であるというのはわかっているわけです。
それだけに、彼女の本来の力を発揮したときの歌声を聴かせてほしかったというのもあったのでしょう。
とはいえ、常にこうした何らかの挑戦をしていこうとする彼女の姿勢は好きですけどね。
三村妃乃は、前々回の大会から、予選ではかなり苦戦していますよね。
審査員の今井さんもおっしゃっていましたけれども、どう歌えば良いのかということで彼女は苦しんでいるのかもしれません。
なまじ歌える人だけに、自分の持てる技術のすべてを注ぎ込んで歌おうとするから、聴く人のみならず自分自身をも息苦しくさせてしまうという……。
今は、産みの苦しみとでも言いましょうか、ここから脱した後の彼女の歌声を聴きたいですよね。
ただ、こうした「歌」そのものにおける苦悩ももちろんあるのでしょうけれども、思うに、彼女の場合はそれだけではなく、おそらくこの大会では、ずっとひとりでNGTを背負ってきたという重責感みたいなものもあるのではないでしょうか。
自分が決勝に残らなければ、この大会にNGTの名前を残せないという強烈な使命感。
そういった重荷に耐え続けていなければならなかったというのもあったのでしょう。
けれども今大会では、NGTのメンバーが4人も決勝に進むことになり、6回目にして初めて三村妃乃以外のNGTメンバーも決勝ステージに立つことになったわけです。
三村妃乃にしてみれば、自分が予選通過できたこと以上に、このことのほうが嬉しかったのではありませんかね。
彼女にとっては、決勝ステージにNGTの仲間とともに立つというのは悲願のようなものでしたから。
これまでずっとNGTのメンバーたちにいろいろな働きかけなどをして、それこそ新人である4期生の全員参加もそうですけれども、この大会へ他のメンバーたちを導いてきたわけですから、今回のNGTの大躍進は、紛れもなく彼女の功績と言って良いのではありませんかね。
これで少しは肩の荷も下りて、彼女の「歌」にも何らかの変化が表れてくるかもしれません。
彼女は大きいステージでこそ、その本領をいかんなく発揮する人ですから、決勝大会での彼女の歌唱が俄然楽しみになってきました。
ファイナリストLIVEというのはある種の魔物で、このライブを経験したメンバーは「歌」に対する意識が大きく変わってくる。
もちろん、歌好きにとっては最高のライブですから、その楽しさに魅了されてしまうというのもありますけれども、歌に対してバカみたいに真剣に向き合う人たちばかりが集うライブですから、その中にいるとお互いに大きな刺激を受けて「歌」に対する向き合い方も変わってくる。
村山彩希が、まさにそうした例になるのでしょう。
第3回大会までは不参加を決め込んでいたのが、第4回大会で初参加しファイナリストLIVEまで行くと、まるで手のひらを返したように気持ちが変化して、この大会への参加にも意欲的になり、「歌」に対してもこれまで以上に真剣に向き合うようになってきたわけです。
そして彼女の「歌」は今なお進化し続けている。
それが、今回の予選1位通過ということに結実しているわけです。
今回6位通過の田口愛佳にしてもしかり。
この大会における彼女の歌唱としては、過去最高の歌唱だったのではありませんかね。
前回、審査員特別賞でファイナリストLIVEに参加したというのが大きく影響しているのでしょう。
以前ですと、この大会に関してSNSでもあまり前向きな発言は見られなかったものですけれども、最近はだいぶ様子も変わってきたようで。
何がしかの自信を手に入れたのかもしれませんね。
自信が付いたということで言えば、やはり清司麗菜でしょう。
もともと歌える人ではあったのですけれども、この大会ではどうしても持てる力を十分には出し切れていなかったのですよね。
それが、前回大会のユニット戦で優勝を手にしたことで大きな自信となり、今回は伸び伸びとした歌声を披露してくれていました。
遅咲きではありましたけれども、ようやく決勝ステージに立てるのですよね。
初参加でいきなり決勝に進んだメンバーも何人かいますけれども、とりわけこれまでずっと不参加だった倉野尾成美や大塚七海は、これだけ歌えるのになぜ今まで出なかったのかということですよね。
歌えるのですから出てくれば良いものを、何をためらっていたのやら……。
またぞろ、審査されるとか順位付けされるとかで、この大会を誤解している、もしくは食わず嫌いになっていたのでしょうか。
もしかしたらそんな感じで、歌う力があるのに不参加を決め込んでいるようなメンバーが他にもいるのかもしれませんけれども、まずは何でもいいから出てきなさいよと言いたいですよね。
経験してみなければわからないこともあるのですから。
倉野尾成美がこの大会に参加して、予選を1位通過したということの意味は大変大きいですよね。
48グループ総監督として、後に続く若いメンバーたちに範を示したことにもなりますし、TBSとしても番組を盛り上げてくれることになったわけですから、ありがたいと思っているのではありませんかね。
職責をしっかりと果たして、結果もしっかり残したわけですから、立派だと思います。
新人で初参加して決勝進出を果たしたのは、曽川咲葵、成田香姫奈、加藤皐生、倉本羽菜の4人になります。
曽川咲葵と成田香姫奈に関しては、前評判も良かったですし、歌声も少し聴いたことがあって、もしかすると決勝に行けるかもしれないとは思っていましたけれども、結構堂々とした歌いっぷりでした。
これから先がとても楽しみな2人です。
翻って、加藤皐生に関してはまったくのノーマークでした。
見た目はとても華奢な感じがしましたけれども、歌い出したら何とも力強いこと。
審査員の方もおっしゃっていましたように、まだまだ粗削りなところがありますけれども、回を重ねるごとに成長していく姿を追うのが楽しい人になりそうですね。
ところで、今大会の優勝候補筆頭と目していた清水紗良が11位での通過と、順位的にはあまり振るいませんでしたね。
歌唱は決して悪くないどころか、むしろ1日目の順位は1位なのではないかと思えるほど良かったのですけれども、蓋を開けてみたら7位と、思わぬ低い順位でびっくりしました。
何が良くなかったのでしょうかねぇ……。
良くわかりませんけれども、今回の審査員の人たちにはあまり刺さらなかったということでしょうか。
いずれにしましても、決勝大会では審査員も歌う環境も予選とはまったく変わりますから、気持ちを切り替えて自分の「歌」を歌い切って欲しいですね。
片や岡村梨央は、順当に決勝に駒を進めました。
岡村梨央と田口愛佳は、同じ「Flavor Of Life」を歌っていましたけれども、2人とも表現力の高さを武器としていて、予選からすでに聴きごたえのある歌を聴かせてくれていました。
とても素晴らしかったです。
前回、新人として参加して、ともに決勝に進んだ同期の岡田あずみも決勝に進みましたね。
STUの新キャプテンとして、しっかりと示しを付けたといったところでしょうか。
一方、久留島優果はギリギリで足切りになってしまいました。
1日目の順位で彼女を挟んでいる最上奈那華と秋吉優花が審査員推薦枠に入っていることを考えると、悔しい気持ちもあるでしょう。
とても成長してきている人ですから、次回また気持ちも新たに挑戦してほしいですね。
HKTの豊永阿紀と坂本愛玲菜は、これで6回連続、つまり全大会決勝進出になるのですよね。
安定感がすごいですね。
同じくHKTからは、審査員推薦枠になりますけれども、2回目にして最上奈那華が決勝進出しています。
決勝ステージでの彼女の歌声は、とても楽しみなところ。
NGTの鈴木凛々花も2回目の出場で決勝進出ですね。
前回と比べると、歌い方がずいぶん変わったような気がするのですが、ひょっとしてこれも三村妃乃の指導が入っているのでしょうか。
今大会は海外グループからの参加もあったわけですけれども、国内グループのメンバーたちの審査と同列ということではなく、あくまでも推薦枠として海外グループのメンバーに2枠設けるという形でした。
国内・海外を問わず同じ土俵の上で競うのを望む向きもあるかもしれませんけれども、それはおそらく実現しないのではありませんかね。
何も国内勢を優遇するためということではなく、同じ土俵にする、つまり同じ環境や同じルールで競えるようにするための技術的な事情で実現はかなり難しいような気がします。
不可能ではないにしても技術的なハードルはかなり高いわけで、実現しようとすれば、それに伴って当然コストも相当掛かることになるわけです。
それでなくても、この大会を開催することすら薄氷を踏む様な状況にある中で、はたしてTBSがこの大会(この番組)のためにそんなに大きな予算を回してくれるとは考えにくいですよね。
むしろ今回、よく海外グループからの参加ということに持っていけたなと感心してしまうくらいで。
それはひとえに竹中Pの手腕と言いましょうか情熱と言いましょうか、そのおかげということになるのでしょう。
そんなわけで、海外グループからの参加というのは、もしかすると今回限りなのかもしれませんし、継続するにしても、今回と同程度というのが限界なのではありませんかね。
これは推測ですけれども、前回大会で行われたユニット戦の代替で、今回の目玉として海外グループからの参加という話になったのではありませんかね。
本当は、好評だったユニット戦を継続したかったけれども、予算的に難しいとなって、それならばもう少し低予算で済みそうな今回のような形式での海外グループからの参加ということになったとか……。
さて、決勝大会は約2ヶ月後の7月23日(火)ということで、去年のファイナリストLIVEと同じ時期で、会場も同じ東京・立川ステージガーデンになりますね。
夏真っ盛りの中の熱い戦いになりそうな……。
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