システムエンジニアは勉強し続けなければならないのか?1度はブラック企業で揉まれなければいけないのか?

結論から言うと

システムエンジニアは勉強し続けなければならないのか?
→最初は大変だけど、ある一定を超えるとかなり量は減る

1度はブラック企業で揉まれなければいけないのか?
→よほど能力があるのでなければその方が良い

この2つの質問は一見別々のトピックのようで、同じ領域のことを話している。
それはエンジニアが扱うシステム構築プロジェクトという領域のことである。

エンジニアという言葉を使うが、今回はシステムエンジニア・プログラマも一緒くたに指す言葉として用いる。なぜなら、ジョブ型のようにシステムエンジニアは設計して指示する人、プログラマはコードを書く人と分けても、両者同様にプロジェクトの制約を大きく受けるからである。

他職種を詳しく知っているわけではないが、エンジニアは他職種と比べて学ばなければいけない領域が多い。
他職種で必要な経験が100とすると、エンジニアは200必要なイメージ。

その内訳は、
A. 座学: 80
B. 現場経験: 120
といった感じだ
(他職種はA:B = 20:80のイメージ。自領域贔屓をしているのは認める)

「A. 座学」はその仕事をするにあたってのマニュアルや研修で学ぶものだけでなく、プログラム言語やサーバなどの周縁知識、プロジェクトが回る上でどういうフェーズや技法があるかなどの知識があてはまる

「B. 現場経験」はプロジェクト遂行にあたってどういうタイミングで何をしなければならないか、プロジェクトの成否に関わるものについての嗅覚や肌感覚、社内外政治の能力などがあてはまる

エンジニアに常に勉強をしなければいけないというのは、「A. 座学」側面での話である。最初は知識を詰め込まなければいけないので勉強は否が応でも必要になる。

しかし、5年やそこら経っても陳腐化するのは半分の40くらい。
陳腐化するのは今使っているプログラミング言語や運用手法くらいで、
新言語は方言のようなものなのですぐにキャッチアップが効くし、
運用手法もそんなにエポックメイキングな技術は出ないので1個押さえておけば、あとはその基本知識を流用してエポックメイキングな技術にキャッチアップすれば良い。

実際厄介なのは「B. 現場経験」である。

エンジニアが扱うのはシステムというよりも、それを取り巻くプロジェクトである。これは大小関わらずかなり大変で、大きいものは地獄絵図である。
扱うシステムに関わるもの(サーバ、プログラム、求められる様々な条件分岐)が多く、更に人的リソースの管理をし、スケジューリングも求められ、それを決める人とのコミュニケーションをこなさなければならない。

こんなアクロバティックなことをきちんと行うなんて、なかなかできない。更に人手不足により、いぶし銀な人間がそこにあてがわれないパターン、ステークホルダーがアホなパターンなど、いつ爆発してもおかしくない火薬庫のようなプロジェクトが世の中に転がっている。
だからこそ自身の職種にかかわらず、誰かがミスをして、職種外の火の粉を自信が浴びる可能性が往々にしてある。

そのため、自信の職種に関わらず、自分がやらなければならないことをやるために、「プロジェクト」でちゃんと押さえるところを押さえるということが各人に大なり小なり求められる。

大炎上プロジェクトは、プロジェクトのアンチパターンの宝庫である。プロジェクトの酸いも甘いも知って、自信が運営するときに、自分がプロジェクトに関わるときに、押さえなければならないポイントを押さえるには、プロジェクトで何が起きるかを知らなければならない。

だからタイトルに書いたようなブラック企業の炎上プロジェクトに揉まれることが必要な側面があると言える。
知力があり、もとよりそのような戦場で生き抜く、やり抜く力があればこんな経験は不要である。しかし凡庸な人間が試行錯誤を繰り返しながら学んでいくのであれば、1度この経験をしておくと安定した仕事をこなすことができる。
形だけホワイト企業にいると、労働環境としては比較的安心は得られるが、プロジェクトに関わる以上、その大事なところは少ししか得られずに成長が見込めない可能性がある

エンジニアになるとは、プログラムを書くことというより、システムをメンテナンスする、プロジェクトをこなす仕事を行うことを指す。
働きすぎかどうかは別問題として、プロジェクトを扱う以上、上記のような制約の中で自身がやらなければならないことを実現しなければならないので、一時は歯を食いしばらなければならない。

ただ、ある一定の仕事ができるようになると、炎上する仕事にかかわるだけでなく、炎上しにくい仕事に就くことや、炎上させない勘所を知ることができるようになる。

だから数年大変だけど頑張ってほしい(自分にも言ってる笑)

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