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2021年10月6日(水)

おはようございます。10月に入り、思うところあってなかなか筆が進まずにいました。と言うのは今から約18年前、私は大変な自我の崩壊を起こしてしまったからです。簡単に言えば正気を失い、自分の名前もわからなくなり、部屋に火を放ち、死のうとしました。それがまさに今日の日付の出来事でした。

周囲に大変な迷惑をかけた私は、数年精神病院に入りました。まるで浦島太郎のようでした。退院してからの私は生まれ変わって、放蕩三昧を反省し、傲慢プンパから地道なプンパになるべく、音楽業界にはグッバイし、パートやアルバイトに精を出しました。毎日6時間点滴し、次の日10時間働きました。私の体の精一杯でした。

いろんな体験をしました。人格が踏み躙(にじ)られ、私はどこにも所属せず、あたたかい家はありませんでした。でも私は親から離れ、晴れて自由を味わいました。私は誰のものでもなかったのです。

今は幸せです。前にもお話ししたように、結婚記念日もあるし、可愛いうさぎや安心できる住まいも車もあります。あまり贅沢は出来ないけれど、Amazonでポチッともたまには許されます。(笑)

私を支えてくれたのは友達でした。そしてサヨナラしたはずの音楽仲間はやはり大切な存在で、私の価値を唯一認めてくれていました。

夫とはSNSで出会いました。外出できない私の出会いですから軽薄だと仰らないで下さい。夫と出会い結婚しますが、夫には確固たる信仰があり、私はキリスト者として苦しんだものでした。離婚の危機もなんとか乗り越え、DVめいた私の怒りや口の禍いも、だんだんに癒されてゆきました。
神さまは気短な私を辛抱強く鍛えあげて下さったのです。

『空の鳥は種蒔きも刈入れもしません。蔵に納めることだって!でも神さまは養ってくださる。ましてやその鳥よりも私たちは価値ある生きものです。だから何を食べようか、何を着ようかと案じなくても良いのです。明日のことは明日が心配し、苦労はその日にその日に十分にあります。』

さてさて。
私は毎日To Do リストを作っています。自分の軌跡をみることで、人生設計が少しは考えられるからです。これは済み!とマル○をつけると、ちょっと大人になったような気さえします。(笑)

入院日まであと三日。家族との時間を大切に過ごしたいと思います。

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あのとき。私は金木犀の香りなんてわからなかった。半袖に短パンで裸足だった。マンションの壁を乗り越え、隣家を跨ぎ、トラックに乗り込んで、「横浜港までお願いします」と言った。運転手は驚いて私を警察に送り届けた。運転手は弁当を買ってくれ、私はそれをガツガツと食べた。もうずっと何も食べていなかった。警察で私の名前を聞かれると「光の子です」と叫んだ。注射を打たれ、気づいたら三日眠っていた。しまった!カードの引き落としがあるのに!

私はあのとき。一度死んだのかも知れない。
向こう側に行ったのに、よく帰って来れたと思う。これらの話をただ黙って聴いて、抱きしめてくれた夫が今は私の傍らにいる。

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