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STAY KOBE《30・最終回》おわりに
いま、喫茶店でこれを書いています。
桜のつぼみが膨らむ3月。
今日は曇り。
風が冷たいけど、光のまばゆさと空気の柔らかさは間違いなく春だと感じさせてくれます。
初めてマガジンの記事を投稿してから一年が過ぎました。
見えないものと、不確かな情報に振り回される毎日。
再開発の波。そして季節の移ろい。
「STAY KOBE」は、ひとことで言えば「転換していく神戸の記録」でした。
初めからこうなることを意図したわけではないのです。気付けば街並みがあっちこっちで変わってたというだけで。
そもそも「STAY KOBE」は「STAY HOME」から思い付いた企画。
コロナ禍で色々制限はあるけど神戸を楽しめるだけ楽しもう、という気持ちから生まれました。
一年前にまん延防止の臨時休業で肩を落としたわたしに、「今、マスクを外して街を歩いてるよ」と言っても信じてくれない気がします。
そう考えるととても目まぐるしい一年間でした。
自分自身が変わったと感じるのはコロナのせいだけではありません。
一年前に神戸の幼馴染を亡くしました。
面会叶わず、たった数ヶ月の闘病生活でした。
桜満開の日に黒い服と靴で弔問に行ったこと。
坂道から見える海と空が鈍色だったこと。
街で背格好の似た人を見るたびに思わず駆け寄りそうになったこと。
頭では分かってる。けど。
また連絡をくれるんじゃないか、と思う自分もいて。
彼女とは6歳からの付き合いでした。
「あやみは地元への愛着がすごいから」と、誕生日に連れて行ってくれたのは地産地消のレストラン。
わたしのことを誰よりも分かってくれていました。
彼女も神戸が大好きで、最後まで神戸に住んでた生粋の神戸っ子。
よく「おばあちゃんになったら」って話してたんです。おばあちゃんになる日が来ないなんて思ってもみなかった。
彼女は多分これからしたいことがいくつもあったと思います。食べることが大好きで、いかなごとそばめしが大好物の彼女。神戸を楽しむことも生きがいの一つだったんじゃないかな、と。
「STAY KOBE」の後半は、そんなことを考えながら書きました。
第20回くらいまで続けばいいなと思ってたのが、気づけばもう30回。
ここまで長く続けられたのは読んでくださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
西神中央の記事を紹介してくださった「神戸市公式note」様にも感謝しております。
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さて、次のマガジン連載。
「これを書きたい!」というテーマはあるんですが、タイトルとか、どの辺りまで広げるかとか、まだまだ決まってないことも多く。
気長に待っていただければと思います。
2022年の神戸に戻りたくなったらぜひ「STAY KOBE」にいらしてください。
それでは、また神戸で会いましょう。
こもりあやみ
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