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第83回:お絵描きノート:#ブラシツール:滝の描き方:信濃、小野の滝


信濃、小野の滝

KRITAで始めるデジタルペイント


第83回第83回:お絵描きノート:#ブラシツール:滝の描き方:信濃、小野の滝


口上

前回の雲のブラシに続きまして今回のお題は滝です。久しぶりに北斎漫画のページをめくり、挿絵を見返していましたら、編み笠を被る旅人が水しぶきを上げながら落ちて行く大滝を見上げる図に目に止まりました。その題名は「信濃、小野の滝」でした。
 なかなか夏らしい絵なので、この絵の構図を参考にして、現在の小野の滝の写真から信濃路へ小野の滝を訪ねていった気持ちになって描くことしました。KRITAデジタルペイントの様々な種類のブラシと自作の雲のブラシを使って、夏の水しぶきを上げている滝の爽快な姿を表現したいなあと思っています。

描画するために使ったブラシ一覧



滝の構図と下塗りと岩場の描画

描画するために使ったブラシ一覧:


1.雲ブラシ(定義済みブラシ)[詳細は第81回と第82回を参照ください]
第81回に作成した雲ブラシのひとつです。スタンプとして押せば図のブラシ見本の左側のように一片の小さな雲として描画しますが、これをブラシや直線ツールなどとして描画すれば連続した白い半透明なチューブのような線を描画できます。今回は滝の水の流れる様をこのブラシを使って描いてみます。

2.消しゴム ソフト:ペイントブラシ③

3.基本‐5 サイズ:スケッチブラシ⑧
ペンタブレットを使うと筆圧の加減で線を細くも太くも変幻自在に描画できます。ブラシサイズは20ピクセルに設定しました。(初期設定:40ピクセル)

4.ブリソルス‐5 平筆:ペイントブラシ⑦
筆の始まりの向きが一定なので、筆の向きを変えたい時はキャンバスの方を回転する必要がある。

5.プリソルス 乾いた筆:ペイントブラシ⑧
滝の岩場の岩の表面の質感を出すために使いました。

6.水彩画の質感:ペイントブラシ⑰
地面を這うように生える苔や草を描画するなど色々な用途に使えます。

7.ブレンダー滲み:ペイントブラシ⑳
塗りの輪郭を滲ます時に使います。

8.ブレンダー熊手:ペイントブラシ㉒
透明部分から塗りの部分へこの熊手ブレンダーを使うと、ブラシ見本のような模様を付けられます。色のない白くみえるところは透明です。

9.パチャパチャ音:テクスチャブラシ⑤
水の跳ねる様子を描画します。描画色を白や明るい色にして背景にはっきりとした青色などを置くことでより水の質感を表わせます。

10.木の葉:テクスチャ㉓
遠景の樹木の葉の部分を描画する時に使います。

11.水面:テクスチャ㉙
水面のさざ波を描画しますが、今回は絵の前面にいる後ろ姿の若い女性の帽子とワンピースに細かい模様を入れるために使っています。

信濃、小野の滝を描く

1.構図

前に述べたとおりに北斎漫画の「信濃、小野の滝」の図を参考にして、実際の滝の写真を同じ構図で切り抜きます。滝の部分は後で描画することにします。まずは、

Ⓐ滝の上の木々の向こうの明るい太陽の日差しが入って来る所
Ⓑ滝の両側に聳える暗い切り立った岩場
Ⓒ滝つぼから始まる水流の廻りの岸辺

まず、これら3箇所の背景のレイヤーにそれぞれ別のレイヤーを割り当てて濃い色で背景色を塗ります。そうしますと後でレイヤーの不透明度を調整することできます。そして、最後に塗りのレイヤーと重ねた時に、随時、丁度いい色合いに変更することができます。

2.背景の配色


Ⓐくちなし色 #f6d700
Ⓑ漆黒 #3b314
Ⓒ鳶色 #85403a

滝の水の流れの少ないところは滝の裏側が透けて見えるので、滝のその部分だけはブレンダー熊手ですいて背景色を薄くして置きます。

3.滝の廻りの岩場の描画

ペンタブレットを使って以下のブラシで、筆圧によって線に強弱を付けて描画します。(図の描画では20ピクセルで描いています)

ブラシ:スケッチブラシ⑧
基本‐5 サイズ (初期設定サイズ:40ピクセル)

[次回へ続く]

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