そもそも「ポジャギ」って何?
「ポジャギ 보자기」
これは韓国語です。意味は「風呂敷」です。
日本で私達が使う風呂敷と全く同じ用途のものを指していますので、韓国でポジャギという言葉を出したら、それはそのまま物を包んだり覆ったりする風呂敷のことと認識されます。
では、日本で手芸好きの人たちが作っている「ポジャギ」とは何か?
日本で私達が作っている「ポジャギ 보자기」は正確には「チョガッポ 조각보」と言います。
「チョガッ 조각」=「ピース、一切」
「ポ 보」=「褓」 ポジャギのポです。
「チョガッポ 조각보」=「小さな端切れをつなぎ合わせた布」
その昔、おウチの中で女性たちが家族のために衣服を仕立てました。
その時残った端布や、古くなった衣服を解いて綺麗な部分だけを再利用し大きな一枚の布にして、物を包んだり覆ったりして使いました。
「チョガッポ」も「ポジャギ」の一種、ということになります。
「チョガッポ 조각보」
小さな端布をつなぎ合わせた布ですから、要するにパッチワークですね。
日本では、ポジャギを説明する時に「韓国のパッチワーク」と紹介されることが多いです。
もともと、韓服の端布などで作られていたものですから、今でも基本的にはそのような布を使って作ります。主に、モシ(모시・苧麻)や絹を使いますが、全般的に薄くてハリのある布が多いです。
「ポジャギ」と言われながらも風呂敷としての用途ではなく、飾って楽しむ作品がメインになっています。
チョガッポの一番の特徴は「透け感」ではないでしょうか。
おそらく韓国以外のパッチワークにはあまり見られないと思うのですが、裏がついていない、一重で仕上げるものが多いのです。「布のステンドグラス」と称されることもあります。
韓国の伝統的なポジャギについて
韓国の伝統的なポジャギにはチョガッポの他にも色々な種類があります。
一重のポジャギ、二重のポジャギ、間に綿を挟んで刺し子をしたポジャギ、裏に油紙を貼ったポジャギ、刺繍が施してあるポジャギ、模様が染めてあるポジャギ、金箔が貼ってあるポジャギ、などなど。
食事のお膳のを覆ったり、布団を包んだり、衣服を包んだり、食器を包んだり、大切な物の下に敷いたり包んだり、婚礼用品の入った箱を包んだり、用途によって使い分けらました。
韓国でポジャギが発達するようになった大きな理由は、住居空間が狭かったということにあります。使わないときは小さく畳めて、持ち運ぶときにはそのサイズを最大限に利用できる、最適な家財道具でした。
そしてもうひとつ、ポジャギの発達には一種の祈福信仰的な要因もあるようです。対象に心を込めることは誠意を注ぐ行為であり、誠意を込めた対象は福を呼ぶ媒体になると信じられていました。
刺繍をひと針ひと針刺したり、端布を一枚一枚繋いだり、心を込めて作ったポジャギは福を祈る気持ちを表したものであり、真心のこもったポジャギに品物を包んでおくことはすなわち福を包むことと同じなのです。
また、綺麗なポジャギに包まれたものが人々の間を行き来することは、丁寧な礼儀を尽くした心の表現として伝えられました。
チョガッポについて、別に記事を追加しました。
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