見出し画像

スコップを銃に持ちかえて。

Apex Legends のランクがカンストした。

決して見ないようにしていたプレイ時間……830、試合総数、3400。 
自粛ムードに退屈してこのゲームを始めたのが3月、わたしは社会人、割り算すると冷や汗が出る、ほかに大きな趣味もないけれど、それにしたってどこからこんなに時間を捻出したのだろうか……
  

そもそも自分はゲーム全般がへたくそである。信じられないほど。
不得手の内訳はフィジカル半分脳みそ半分。
そこにメンタルのデバフがかかる。
スプラトゥーン…普通の人なら数分で終わるチュートリアル的ステージに30分かかった。
去年流行ったどうぶつの森は、歩きコマンドだけでしばらくプレイしていて友人に驚愕された。「何か違和感は感じなかったの?」と…


そんなわけでApexをはじめたことを身内のTwitterでつぶやいたら、興味を持ってもらえたのか、色んな方面からほとんど話したことがなかった人までもが誘ってくれた。

中学の同級生とは1◯年ぶりに話したし、同窓会でたまに会う程度の友人は、蓋を開けてみたら随分なPCガチ勢だった。
部活の先輩は意外や意外、ゲームをしたらこんなに楽しそうに喋る人だったのか。
会社の同期……スライディングの仕方すらわからなかった頃から、継続して何度も遊んでくれている、試合ではじめてシールドが巻けた時、真っ先にこの人に報告した。
(シールドを巻くことの何が大変なのか?ボタンが思い出せない。いまも付箋に書いてモニターに貼っている。)


もちろん人とやるApexは楽しかった。皆雑談しながら難しいことをやってのけているので、器用だし上手いなぁとビックリする。これらは対個人の思い出なので語らず大事にとっておくとして。

……それと同じくらい、とにかく、とにかく野良が楽しかったからこそ、ここまでやりこんでしまった。


ひとりでプレイしてそこまで続くのはある意味才能だよ!?と度々言われたけれど、それは嫌な記憶はちゃっちゃと消している&単にニブくてネガに気づいていないから、だと思う。

そして、自分がコミュニケーション下手という自覚があることから、知らない人との些細な通じ合いに“必要以上の”ありがたみを感じてしまっていたのが最大の理由。
ちょっとした屈伸だけで嬉しい。わざわざホイールから選択した「ナイス」をもらえたときなんか、ニッコニコ。この幸せ者よ……
そのへん割り切っている人からすれば、まぁ大袈裟なプレイヤーだと思う。


初めてチャンピオンを取った時のことは今でも忘れない、キングスキャニオンの収容所ちかく、ライフラインの自分が何もできずに這いずっていた横で、味方のブラハが1vs3に勝って「CHAMPION」の表示を初めてみた。

画像1

20チームもいるうちの1位だなんて夢みたーい!と舞い上がり、次に取れるのは1ヶ月後くらいかな!?と思うくらい、本当に本当に貴重な勝利だったので、何が違うのかもわからないスクリーンショットを何枚も何枚も保存した。
その頃の試合総数100以上、キルレート恐怖の0.1。


以来、貴重な勝利画面は思い出アルバムとしてとっておく習慣がついた。
ボタンの配置は覚えられないくせに、画面を見れば不思議と道中のことや最終リングの状況まで、ありありと思い出せる。あそこでリスポーンしてもらったなぁ、とか、武器のない中トライデントで爆走したなぁ、とか。
ApexではなくFF14あたりを始めていた方が良かったのでは…?と薄々思いつつも、いつしかアルバムは日に何枚も更新されるようになった。
それでも不思議と全部がフレッシュなまま。
連勝バッジの三つ星も、今となっては大した根性だと思うアリーナ13連勝バッジも、巡り合わせの結果としか言いようがないからこそ、感謝と思い入れがギュンギュンに詰まっている。

画像2


トリオでは2人パーティーに混ぜてもらう形になることも多々あった。
VCが入っているときには、和気あいあいとしたやりとりを聞きながらプレイするのが楽しい。
ランクマでは「キルポ」を皆積極的に取りに行っていることも会話から知った。
私の中ではキルポはチャンピオンのオマケ、ボーナス的な数字だったのに、どうやらそれは的外れだったらしい…
リスクを抱えてでも、友達との連携を信じて「キルポ」を取りに行く(しかもちゃんと成功する)たのもしい背中のおかげで私も頑張ることができた。
深夜は、関係性が謎な男女、クリプト愛が伝わってくる女子たち、素朴な方言で癒してくれた男性ふたり組(イントネーション:アン→チ↑)昼間とは違った色々なマッチがあった。

画像4


…どうしよう、武器の話も挟みたい。
わたしはアカウント名から丸わかりの通り、ゲーム開始当初Lスターに一目惚れしてしまった。
初心者の曇りない瞳には、バカみたいに派手な音とモーションで、オーバーヒートしながらプラズマ弾を撒き散らす(文字通り)その武器が、あまりにカッコよく映ったのだ。
レジェンダリーの「詩的正義」は初めてクラフトメタルを貯めて買ったスキン。
性能とギャップのあるオリエンタルで上品な佇まいに痺れてしまい、こっそり擬人化の絵を描いてニヤニヤした。

程なくしてLスターは賛否両論のクセ者だと知り、ならば自分は直感を信じて使い続けよう!とかえって燃えてしまったのも自然な流れで、仕様が更新されるまではこの武器しか握らなかった。
幸運なことに、いたるところに捨ててあったから。

画像4


そんな能天気お散歩プレイヤーの自分でも、どんどんと数字の増えてゆくランク表示には少しナイーヴになっていた。
あきらかに、悲しいほどに上達が遅い。
焦った時のエイムはお話にならないし考えていることに手元は追いつかない、
戦闘の駆け引きは「自分主導では負ける」と思ってしまってひたすら仲間の顔色を伺うばかり。
100勝バッジまでやり込んだガスおじですらハンマー未所持、いつも一歩出遅れるので、仲間を起こしてばかりのライフラインのようなオッサンになっていた。



とある日、遊んでくれている友人に必要以上に謝っている自分に気づいてドキッとしたことがあった。
「次はもうちょっと役に立つ」「次こそはあそこを直して…」の無限ループ。ついにはアドバイスに対しても「わかってるけどできませんでした…」と小学生のような言い訳でしおしおになる始末。
思考回路が不健康な方向に揺らぎ始めて、
ネットニュースでコンコルド効果、という言葉を偶然知って「ヤダ!ゲームを続けてしまう自分じゃないか!」と震え上がったりもした。

あんなにも、FPS界に紛れ込んだほっこりエンジョイプレイヤーを貫いていたのに、いつのまにか自分の成長をやたらと悲観するようになってしまったことが残念だった。
わたしは知っている、その次に待っているのは「自分は誰かに迷惑をかけているかも?」という加害妄想の世界なのだ。

画像5


うっすらと不安を抱えながらもランクは499になり、残り一戦でカンスト……というマッチ。

折角だし好きなキャラでハンマーに挑戦しようかな?とガスおじをピックしたところで、珍しくVCが聴こえた。
「あーよろしくお願いします!」
どうしよう。自分も入れるか…とボタンに手をかけた瞬間、もう一人が
「おねがいしまーす!!!!」とまさかの参入。驚いた。
3人バラバラでVCが揃ったのは初めてだった。3000試合もやって、この1回が初めて………
ダイヤのローバさん♂は嬉しそうに

「ああ、野良でボイチャ返してくれた人初めてなんです!」とテンションが上がっていた。
「せっかくなのでチャンピオン取りましょう!」とフラグメントの流星群を尻目に間欠泉に降下。
かなりトントン拍子に、他愛ない会話も挟みながらも次々と部隊を倒して最終決戦に持ち込んだが、あと少し!というところで負けてしまった。

ふたりが励まし合うのを聞きながら、喉元まで出かかった
「ごめんなさい、私がしっかり後ろをみてれば…」という言葉をなんとか飲み込んた。
「惜しかったですね!でもすごく楽しかったです」
せっかく出会った二人への謝罪の言葉を踏みとどまったのは、ネガティブになりかけていた自分へのせめてもの抵抗だった。
些細なことだけれど……
リザルト画面の仲間は縦ハンマー、明らかな戦力不足だった私はその3分の1………
でも、きっと誰も謝って欲しいだなんて思っていなかった。そのときのふたりは間違いなく。

記念すべきマッチとしてうまく出来過ぎな展開、野良との巡り合わせを喜んでいた本来の自分に戻ったようなハッピーな試合を以てランクはカンストした。

画像6

まるでこれから年金生活が始まるようなリタイア気分でいたけれど、世間的にはどうやらこれでようやくチュートリアル完了らしい。

嬉しいことに、やりたいことはまだまだある。
コツコツと目指したマスターオブオールはあと1キャラが壁の予感。
新キャラアッシュは使っているだけで爽快で楽しいので、もっともっとあそびたい。
シーズンの課題も一応は決めている、ダメージが稼げない分、KDは底上げしてチームの安定に貢献したい。初チャンピオンの頃を思えば夢のような数字だから…と己をはげましている。

ランクマッチ。
ある所まではスンナリ進むようになったけれど、それ以上はどうも仲間に上振れを期待しているレベルを脱せないので、コレは自信がつくまでは寝かせておく。
(寝かせてはや半年だということに気づいた…あれ?)

いつかはお気に入りキャラのハンマーが取れる日もくるのかな?と期待しつつ……

もうランクの数字は進まないので、心置きなく、マイペースにApexを楽しんでくれ、自分。
あいも変わらずひとりで黙々、ときには友人にちょっぴり良いところを見せながら、もちろん記念撮影も忘れずに。


画像8



……………………………………………………

このnoteに行きついて、ここまでスクロールしてくれたかた、素直に感謝感激雨あられヤマアラシ……

Apexがよっぽど好きじゃないと他人のこんなもん読めないよ!よきゲームライフを!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?