2022年を振り返る

久々にひとりで大晦日を過ごしています。年末年始の間にやらないといけない仕事もあるにはあるのですが、修羅っているというわけではなく、穏やかな感じ。そういうわけで、今年の仕事や活動を振り返りたいと思います。

2022年の振り返り

構成のやり方

2021年に『ライティングの哲学』『新世代エディターズファイル』が出て、ライターや編集者の仕事やキャリアについて考えるようになりました。その延長線上で、いわゆる「構成」作業のノウハウをまとめた記事を書きました。

実務のなかで構成の初心者に渡したり、同業者から便利で助かるみたいな感想をもらったり、いろいろ役立っているみたいなので、出してよかったなあと思っています(ただし、最終的にどういうふうに本文を処理するかの記述がやや甘い、加筆したいけどいつになることやら……)。

マニュアルやツールを作って公開するの好きなので、今後もやっていきたいです。直近ではAI文字起こし関連をまとめたいところ(ただし、これまたいつになるかはわからない……)。

関連して、ここ数年は高校生や大学生、若手社会人のライティング・編集のワークショップをお願いされることも増えてきました。その場で教えたり、一緒に作ったりするのは本当に面白い。依頼があったら積極的に引き受けていきたいです。

アナログゲーム制作

スマブラにハマりすぎた結果、ゲームそのものに興味が派生。enchant chantという団体をつくって、ゲーム制作に取り組んでいます。香りに名前をつけるゲームで、ほぼほぼ完成しているのですが、リリースはまだ。来年出します。

これまで自分のやってきた自主制作は数として見ればかなりニッチなものというか、たくさんの人に楽しんでもらうには難しすぎるものばかりでした。それに対して、このゲームはかなりいろいろな人に遊んでもらえる内容になっています。だからこそ、広報ちゃんとやらないとな〜という気持ち。

enchant chant gaming『意味ないのに無限』

秋の文フリでは、先のenchant chantで編集部を組織して、『意味ないのに無限』というゲームとその周辺カルチャーを扱う同人誌を制作しました。個人的には、巻頭でスマブラプレイヤーの論考ななさんへのインタビューを掲載できたことが大きな成果でした。競技シーンの一端を紹介するコンテンツになっていると思います。

スマブラSPはアップデートが終わったものの、競技シーンはいまも活発です。12月に予定されていた非常に重要な大会が不幸なかたちで中止になってしまって非常に残念だったけれど、来年もまだまだ盛り上がりが続くと思います。自分ももっとうまくなりたいので、来年もプレイするつもりです。

移住と実存

同じく秋の文フリで頒布したのが『移住と実存』。これは同時期に島根県・津和野町で過ごした同僚・教え子的な人々と一緒に制作したものです。いわゆる〈移住者〉同士では話しているけれども、媒体には乗っていないような実存的な不安やアイデンティティの問題に取り組みました。

この冊子は本当に作ってよかった。正直いろいろ心配なところもあったんですが、ポジティブな感想がたくさん届いて、手応えがありました。各地で活動している人に読んでもらえたところも嬉しかったです。

今年はこの本だけでなく、島根にかかわる仕事をいろいろやった年でもありました。Craftsman’s Base Shimaneの運営や、専修大学の学生と日比谷しまね館によるイベント「しまねと生活展」への伴走など、現地を離れても関係が続くのいいな〜と月並みな気持ちに。

2015年から2021年まで過ごした島根県を予想しないかたちで離れて、昨年は正直もやもやした気持ちがありました。後ろめたさというか。しかし、『移住と実存』を出してようやく吹っ切れて、いろいろやりたいことも出てきました。

来年は自分が代表を務めるNPO法人bootopiaでも、新しい動きをつくりたいと思っています。石井くんヤマタツと一緒に「地域 × 人文・文化」みたいな領域でなにかやろうかなと。まだ作戦を練り始めた段階ですが。

アーティストへのインタビュー

CON_という馬喰町にあるギャラリーで、展示に参加するアーティストへの取材をおこないました。数ヶ月ごとに展示が開催されるたびに担当したのですが、毎回かなり手探り。ウンウン悩みつつ進めて、めちゃくちゃ勉強になりました。依頼いただけて感謝……。

以前スタジオボイスの仕事でベトナムのデザイナーやアーティストを複数取材したことがあって、「いま新しい脳の筋肉を使っている!」みたいな気分になったのだけど、そのときと似た感じ。

クリエイターへの取材自体はよくやっているし、なんでこんなに考えることがあったのかまだ自分でもうまく言語化できないのだけれども、とにかく学びが多かったです。

都市にかんするリサーチ

あんまり詳細書けない系ですが、今年は大きい自治体のリサーチ仕事がいくつかありました。

リサーチの仕事は大変ですが、依頼されるのは本当に嬉しい。今でもライターや編集者をめぐっては、制作物の納品を重視する考え方が根強く、それ以外のところに価値を見出してもらう機会は貴重だからです。

しかも、せっかく東京に住み始めたのだから、いわゆる都市のリサーチをやってみたいと思っていたところだったので、なおさらです。

松本との振り返り音声

これとは別に、毎年恒例になっているライターの松本と一緒に振り返る音声も収録しました。こちらでは生活っぽい話もいろいろやってます。

彼と喋っていても同じような結論になったけど、総じて、2022年は仕事も活動もどちらも充実していた感じがします。よかったよかった。

2023年について

クライアントワークについては、リサーチや伴走支援など、プロセスを重視するような仕事を積極的に取りにいきたいと思います。

自分から動かないともらえないタイプの案件だと思うので、あちこち出向いてできること・やりたいことを伝える機会を増やします。なにか相談したいという人がいたらお気軽にご連絡ください。ポートフォリオは下記に。

自主制作については、かなり領域を絞り込もうと思っています。

なぜかといえば、少し前に書籍執筆の依頼があったからです。1年かけて原稿を書いていくことになるので(できるか超不安ですが……)、それに関連するものだけやりたいなと。また、来年は都内の大学で非常勤講師も務めます。初めてやるので、資料をいちから制作する必要がある(これも大変だ……)。

……そういうわけで、来年は仕事と並行して書籍を書いたり大学で喋ったりしているため、そこで生じたネタを自主制作に活かしていくのが現実的かなっていう……。

不安もありますが、やる気は高いのでどうにか乗り切っていきます。来年もどうぞよろしくお願いします!

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