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ねこはひたいをせばめじそんしんをたかめた

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短歌 を ここに。
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#文学

あけぼのの一本の木に気をとられこれが旅なんだって おはよう

風にゆられて声と声なに笑ってるの? お腹がすいたせいです

熱気浴び萎れつつある僕に吹く轟音で去る鉄の塊

一駅を歩いて帰る夏の夜、茶と緑のかなぶんにさわる

「ス

「スーツケースの中身はなに?」「人です」「さすがに暑くない?」「死んでます」

やらかしてしまったことをごまかしてみるみるうちにミックスジュース

音のかたちを文字にするもどかしさ声で模写する猛者に憧れ

やわらかく踵で踏んでめり込んで反対がわへ居心地いかが

読書する彼らのことはいいからさ僕らのことを書いてかないか

前のひとあのときの君と似ているいまの僕なら気が合うかもね

「大

「大人な」が付いてるものがことごとく口に合わない「大人な」なおれ

近くで、めがねを顔からはなして眺めている女性のしなやかさ

ココナッツココナッツサブココナッツココナッツサブココナッツサレ

薄力粉 母のことばを固まりで受け取る記憶を棚にしまう