シェア
あけぼのの一本の木に気をとられこれが旅なんだって おはよう
風にゆられて声と声なに笑ってるの? お腹がすいたせいです
熱気浴び萎れつつある僕に吹く轟音で去る鉄の塊
一駅を歩いて帰る夏の夜、茶と緑のかなぶんにさわる
「スーツケースの中身はなに?」「人です」「さすがに暑くない?」「死んでます」
もしかしてこれはなにかと期待して出会いと別れをくりかえして
温度差を感じさせない別人としばらく話す本人でない
前のひとあのときの君と似ているいまの僕なら気が合うかもね
辺りを照らして粒々の太陽粒々のひかりの球体で
引っ越してカーテンの下が足りないしかたないお部屋のチラリズム
靴紐をしめようと思ってから半年が経ちきょうまたそのまま
ひとがたのケースをあけると見知らぬひと歌いとけいの針走る
電気と水道メーター不具合近衛兵帽子のサイズ違い
糸でスーと回る独楽のように枯れ葉クルクル風の糸水無月