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ねこはひたいをせばめじそんしんをたかめた

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短歌 を ここに。
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2021年8月の記事一覧

街じゅうの目印が私を思う何これいいこといけないこと

腕組んで目を閉じる人なに思うガリガリ君の大人味かな

空き地に咲いた草たちを遠目にみつめテレパシーを送ると猫

ステップを踏んだときにゅっとしたもの 糸こん、あれ、それ、想像せよ

サザンのKAMAKURAって鎌倉だった とろけ消えゆく白いかまくら

バンダナをハンカチと呼び 落ちていた旅館の女将のイニシャル付き

干菓子をひとつ口にする僕の知らないひとからの頂き物を

果てしなくでも限りなくでもなくて なんや知らんがむっちゃ向こうへ

なつ休み肩くみ歩く女のこサンダル履きの日傘一輪

つま先をそれほどまでにのばすとねケーキにさしたフォークのようだ

マスクしろ!とこころでさけんだ僕はあるきスマホで隅へ縮小

髪ぬらす滝のほとりは空腹だ光跳ね緑さわぐいま蚊

スロープに現れたばかでかい船 影だけど座ったら海かな

燕居る肩甲骨を顎で押す謎の貴方は一言もなく