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ウイルスをヴィールスと呼ぶ母がいる 猫、柿、みかん、大衆演劇
Good Job!と言われてみてもアガらないこのきもちなんつったらいいか
冬の朝シャワーヘッドが激しくふるう 風門を打つ猫と犬
帰宅して空腹満たすかたまりで「おやつはパンだよ」いつだって、ね
崖登り蜜をめざして草いきれ午前6時の君を連れ去り
手の甲は冷たくて手のひらは温かくてそれはあなたに近い
ほどけてもこんがらがってもきれてもぼくらは生きるイルミネーション
クリスマス、犬の夜、君と猫ろぶぼくらは床の匂いを嗅いだ
なんも言うてまへんなんも言うてまへんわてらなんも言うてまへんて
小走りで枝を拾って振り返り忍者の如し春の山道
早朝の澄んだ空気にひかり差す屈んでスマホ見ているぼくら
傍らで造花のように生きていくAIもロボットも私も
中野駅でスマホ握り君を待つ「なかのおおえのおうじ寒いよ」
都市の人口密度の差は電車の座席シートの窮屈さかな