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バニラ王決定戦neo大会レポート

時は2021/2/14、私はバニラ王決定戦neoというポケモンカード特殊レギュの構築に頭を悩ませていました。

先に説明すると、バニラ王決定戦とは
①ダメージ以外の効果のないワザ(以下バニラ技と呼ぶ)を持つポケモンカードをデッキに入れることでデッキにバニラ点が入る
バニラ技のみのポケモンは1点。効果のあるワザか特性を持っていてもバニラ技を持っているポケモンは0.5点の点数を持つ。(下図参照)
デッキで対戦を行い勝利すると3点の勝利点を得る。
3戦したのち、デッキの中のバニラ点と勝利点の合計が一番高い人が優勝。ただし、1勝もできなかったものは全て0点とする。

バニラ点説明

というルールで、ののほほさんという方が世の中のバニラポケモン達を活躍させてあげたいと考えた特殊レギュです。

過去にも何度か行われてきた大会で、Googleで検索すれば過去大会のレポート(通称、過去の文献)もヒットする、ポケカ特殊レギュ界隈では少し話題になるそれなりの歴史をもつ大会なのです。

話を戻します。このルールはなかなかデッキ構築に頭を悩ませました。
なぜならデッキの中のバニラポイントを増やせば増やすほどデッキとして回らなくなり、勝負に勝てなくなるからです。極端な話、デッキすべてをバニラポケモンにしてしまえば60点は入るが、勝負には勝てない。勝負に勝てなければ点数は強制0である。
また、ポケモンカードはエネルギーがなければ技が使えない。ポケモンに対応するだけのエネルギーカードも必要であるが、エネルギーはポイントを持たないため、バニラ点としては死にカードです。
とまあ兎に角勝利を目指し、かつバニラポイントを要求するそのバランスの見極めが非常に難しいわけです。

さて何点とって勝負に勝つか。ここの点数想定が肝心です。
勝てるデッキといえば現在スタンのTire1である三神ザシアンやムゲンダイナですが、あれらはゴリゴリの効果のあるカード。バニラ点は0点です。まあ、スタンの強デッキでバニラ点高いのなんてそんなの

一撃kk5F5k-VUPCaL-kFffVk

いちげきウーラオスVMAX

ありました。なんだこれ。

一撃ズ

こいつ上ワザバニラです。0.5点持ってます。というかこのデッキに無理なく入ってくるデルビルヘルガーラインが超優秀バニラ点。このスタンダードのデッキそのままで普通に8.5点もバニラ点持ってます。(デデンネGXも0.5点あるよ)このデッキにシェイミEX4枚入れるだけでバニラ点12.5点。3勝は確実なので+9点。合計21.5点です。うーむ点数ラインが見えてきました。

あ、ルールに関して大事なことを言い忘れていました。このレギュ、シェイミEXが特別に使用でき、なおかつバニラ点を1点持ちます。(声優が山崎バニラだから)
エキストラでも禁止になったこのシェイミEX、特性セットアップが非常に強力で、この特殊レギュにおいてのドローソースとして必須です。(ぶっちゃけこいつが認められているからこの特殊レギュは成立しているところもある)

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完全に余談ですが、エキストラで禁止になったせいでこのシェイミ町中のカードショップでも取り扱われなくなって手に入れるのにすごく苦労しました。(僕はポケカサンムーンから復帰勢なのでシェイミEXを持っていない。)
最終的に今でもなぜか殿堂レギュで対戦ができるババロコで取り扱われていたため無事入手できました。(最終手段としてはエキストラボックスを買おうかと覚悟したまである)

さて話を戻します。いちげきウーラオスデッキが総得点21.5。このラインを超えるデッキにしないと到底一位は取れません。
さてどう構築を持っていくか。こういうときは過去のレポート(文献)をあさりましょう。

バニラ王決定戦』で検索!

まあ開催年から見て当時のカードはすべてスタン落ちしていますし、そのままそっくり構築コピーなんてできないのですが、レポートに目を通すといくつかデッキ構築のポイントが見えてきます。
①トレーナーズ、特にサポートは枚数を極端に減らす。
②とりひきゾロアーク、はやがけゼブライカ等、手札を捨てられる特性を採用
③ふくしゅうビークイン等トラッシュにあるポケモン数で打点を出すカードの構築
④アローララッタGXのようにワザの必要エネの極端に少ないアタッカー
⑤エネルギーの枚数は概ね8枚

要するに、バニラ点を増やすためにドローサポートはトレーナーズでなくポケモンの特性で。ドローサポートも不要札を切ることができるかつカードが引けるという理由からかんこうきゃくの採用。また、エネルギーを減らすために少ないエネで高い打点の出るポケモンの採用。といった形になっているのです。
なるほど理解しました。とはいえ今のスタンにはやがけゼブライカもかんこうきゃくもいませんし、やはりこれをそのままギミックで使うのは難しそうです。

とりひきゾロアークはやりくりチラチーノという代役がいます。これもチラーミィはバニラ点1点あるのでなかなか有力な候補ですね。しかし、僕はそのチラーミィを持っていません。

次に現行スタンでトラッシュにあるカードの枚数で打点が上がるカードを探してみました。マッドパーティー、はバニラ点0点なので除外して、

トラッシュ打点

ペルシアンGX、カイリキー、ブリムオン

おや、なかなか優秀なメンツが揃いましたね。このあたりから使用デッキを考えていきましょう。

ペルシアンGX・・・進化前のニャースがバニラ点を持っていて偉いです。特性はEXにも対応しているのでシェイミEXが倒されても発動するのは良いですね。しかし、ネックはエネルギー。正直積めるエネルギーの枚数は多くて8枚。3エネ起動はこのレギュでは重すぎます。トリプル対応ですが、あれは使い捨てですし。やはり理想は1~2エネで動けるアタッカーです。
というわけでペルシアンはやめに。

カイリキー、ブリムオン・・・どちらも少ないエネで打点の出せるアタッカーです。打点の高いカイリキーかエネの少ないブリムオンか。どちらも一長一短ありますね。カイリキーを使うなら他のメンツをバニラの闘タイプに固定しなくてはいけません。シェイミEXと相性はそこまでですね。
ブリムオンはどのポケモンでも問題ありません。さらに自分から手札を減らす手段を持っています。進化前を見てみましょう。おや、テブリム、ミブリムともにバニラ点持ちがいるじゃないですか。(スターター超)

ミブテブ

これは良い。早速デッキを組んでみました。

バニラ試案Vvkk5f-QpV5gR-kVVk5F

とまあこんな感じです。点数はウーラオスデッキを基準に1勝して22点を意識。手札からポケモンを捨てるためにガラルニャース(バニラ点0.5)採用。デデンネGXも実は0.5点持ってます。早速一人回しをしました。

まわした結果。打点が出ない。

1枚10ダメージだと火力が出るのがかなり試合の後半になります。それまでの動きの遅さが弱点で、容易に前半からサイドを先行されてしまいます。これだと勝てない。

ところで、先ほどカイリキーで闘ポケモンを調べていた時、こんなポケモンを見つけました。

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セキタンザン
トラッシュからのエネ加速を持ち、その上自分はバニラ点0.5を持つ。
おや、これは強いのでは。進化前は…

ドンゴン

タンドン、トロッゴン
両方バニラ点1だ!なんて優秀!

こいつを候補に考えましょう。特性でエネの問題は解決です。
あとは相方。炎と闘エネつけてそれなりの火力がでてなおかつバニラ点を持つやつが

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ジジーロン
完璧じゃん。しかもドラゴンクローだこれ。ドラゴンZも対応だ。これあればウーラオスVMAXでもワンパンできるわ。いけるいける最強だこれ。

バニラ闘4Dx8x8-3mvY58-Y8xx8c

というわけで組みました。後攻になった時のベンチ展開としてヒメンカ(バニラ点0.5)逃げエネ0枠のバニラ点持ちとしてドロー技を持つカプ・コケコを採用。早速一人回し。うんうんちゃんと回ってくれます。後2、後3にはセキタンザンからのジジーロンが結構きれいに決まります。何度かまわしてベンチと手札が圧迫されることが多かったのでつりざおをサカキの追放に、ヒメンカを1枚ガラルニャースに差し替えます。

バニラ闘2LngnHg-9MYEU3-nnHgnH

これはいけるのでは。

しかしそこで気が付く。あれ、そういえばいちげきウーラオスVってもう1体バニラ技持ってたやついなかったっけ?

画像14

いました。
これは計算が狂います。このウーラオスVで構築した場合、デッキのバニラ点は14点。勝利点9点も併せて23点。

だめだこれを越えないと勝利できません。1勝はするのでデッキのバニラ点を20.5点まで上げなければいけません。どの枠を削る。

ヒメンカは後1で1回使えればいいので2枚で十分。また、コケコに期待したのは逃げ0である点なのでここを差し替えましょう。バニラの逃げ0は…なんと2種類しかいません。タッツーとコスモッグ。コスモッグの方が技が使えるので優秀ですが持ってないのでタッツーに。

バニラ闘3nLgnLn-mtTu9C-gnHHn9

よしこれでバニラ点20.5達成です。いける。これで勝つる。盤石!


そして当日2021/2/21。やってきました。成果を披露するときです。
みんなバニラ点何点で勝てるかの基準がわからない、と不安な様子。
まあでも僕は計算しましたからね。20.5点。不安はありません。

1戦目 Toshiさんとの対戦
この方は過去のレポートにも名前が出てくるバニラ王決定戦の古豪中の古豪。いきなり当たってしまうとは。胸を借りるつもりで挑ませていただきましょう。
Toshiさんの構築はスカイサーカス軸サンダースGX。1~2エネで動けるサンダースGXととりつかいを挟むことで0エネ起動してくるスワンナの組み合わせ。スピード雷エネをドローソースに使い、どちらも逃げエネ0なのも見事。いや凄い。ほんときれいな組み合わせです。
しかしタイプ相性的にこちらのセキタンザンはサンダースの弱点。ドラゴンバーンGXも挟み相手のサンダースGXを倒し、サイドを取り切り勝利!
対戦ありがとうございました。
よしこれで0点になることはありません。ノルマ達成。順調です。

2戦目 くりひらさんとの対戦
この方はバニラ王こそ初挑戦ですが、同様の特殊レギュの大会ではいくつもの勝利を飾っている実力者。プレイングも上手く、強い構成をきっちり見つけ出してくる猛者の一人です。
使用構築は、三神バニラ。どうせみんな非エクを使っているから、それらを三神で倒せば絶対3勝できる、との構築理論。三神、エネルギー、あとは1エネで動けるバニラポケモンと、三神の強みを前面に押し出していくスタイルです。
三神に動かれたらたしかにキツイ、と感じ対戦スタート。向こうは順調にオルタージェネシスを使い、ベンチにサブの三神を用意。しかし、こちらも後2でセキタンザンを立てることができ、オルジェネの返しにドラゴンバーンGXで三神をきぜつさせることに成功。その後、向こうがエネを貼るのに時間がかかっている間にそのままジジーロンで攻め立て、サイドを6枚とり切り勝利!
対戦ありがとうございました。
ここの勝利は大きい。ここで勝利点を稼げたのは非常に大きなアドバンテージです。いける。いけます。波が来ています。これは強い波。

3戦目 ちくわ陽炎さんとの対戦
ついに相対することになりました。この方こそバニラ王ちくわ。圧倒的デッキ構築力と巧みなプレイングで過去のバニラ王決定戦において最多優勝を飾っている最強の男。今回の優勝候補筆頭です。こちらも優勝を狙うには避けては通れない道。真っ向から挑ませていただきましょう。
初手、ちくわさんのバトル場にでてきたのはなんとミブリム。あれ、これは僕が打点が出なくて諦めてしまったブリムオン構築ではないか。ちくわさんは形にしていたのか。キャプチャーエネルギーからベンチ展開を行いチラチーノを立てるちくわさん。ちくわさんは語ります。”昔ビークインゾロアークというデッキがありまして、今回はその強さを証明するためにこのデッキにしたんです”
こちらもセキタンザンをたて、ジジーロンで相手を倒していく。しかしそこに出てきたのが、ドラパルトVMAX。超エネ2枚で動ける上に、ベンチのタッツーもしっかり刈り取るその強さ。なるほどその組み合わせは確かに見事。こちらはドラゴンZがひけずドラパルト処理に2ターンを要し、そのあとで満を持して出てきたのがブリムオン。ここまでチラチーノで捨てていたこともあり、この後半におけるブリムオンの打点は平気で20ダメ以上を叩き出します。このブリムオンを突破できず、サイドを取り切られ敗北。
流石はバニラ王、堂々たる強さでした。きっちり3連勝されました。

うーん、3勝して勝利点も稼いで起きたかったのですが、それは流石に狙いすぎでしょう。とはいえ当初の想定よりも多い2勝を挙げることができたのも事実。点数はバニラ点20.5+勝利点6の26.5点。十分でしょう。良い結果が期待できます。

さて結果発表です。


1位 ちくわ陽炎さん40点(バニラ点31+勝利点9)
2位 Toshiさん 38.5点(バニラ点35.5+勝利点3)
3位 メイルさん 32点(バニラ点26+勝利点6)


・・・え?

はい。
僕は最下位から2番目でした。
(詳細はこちら、ののほほさんの大会結果レポートを参照下さい。)

ええ、ここまで読んだ方はもうおわかりでしょうが、これは敗北記録です。


あああああああああ恥ずかしい・・・
優勝できるなどとイキってしまった自分が恥ずかしい・・・
自分の愚かさと浅はかさが只々恥ずかしい・・・
格の違いにすら気づけなかった・・・
調子に乗ってしまった自分がホント恥ずかしい・・・



はい、今回の大会において私は自らの凡庸さをきれいにわからせられた結果となりました。調子に乗らず謙虚な気持ちでデッキ作りに精進したいと思います。
これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。


P.S. なお今回の大会でウーラオスVMAXを使用した方は誰もいませんでした。


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