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2進化同盟考察 ~デッキの変遷と構築について~

この世の中には2進化同盟というポケカの特殊レギュがあります。
関東界隈で開催されるBF(ビルドフロンティア)という特殊レギュで遊ぶイベントの中で定期的に開催される定例レギュの一つです。

ルールは以下
①採用できるポケモンは2進化ポケモン及びその進化前のみ。
②手札の好きなカードをふしぎなアメXLとして使用できる。
”ふしぎなアメXL・・・自分の手札から2進化ポケモンを1枚選び、そのポケモンへと進化する自分の場のたねポケモンにのせ、1進化をとばして進化させる。(最初の自分の番と、この番出したばかりのポケモンにも使える。)”
③スタン落ちしてもラジュルネをデッキに採用してもよい。

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このルールでなんといっても面白いのは②があるからです。このルールによって、即2進化ポケモンで戦わせることができるのですね。

このレギュレーションは過去複数回開催されており、スタンにBがあったころから何度も行われてデッキが変遷してきました。そして僕はおそらくその中で主催を除けば一番このレギュレーションで遊んだ経験のある人物だと思っています。
なので、そのデッキの記録と振り返りを兼ねて、ここに歴史を記録してみたいと思います。

①第1回

第1回が開催されたのは2020/2/23。Aレギュのカード達がスタン落ちして、Dのカードが登場したころです。
初めての開催ということで全く構築に自信が持てなかった記憶があります。
組んだデッキはこれ。オーロンゲです

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2進化同盟ロンゲngLnLn-L1fNZf-NnLPig

構築とメインポケモンに悩んだ結果、相手のエネ要求増やしてターン増やせば何とかなんだろ、という安易な結論でオーロンゲに決めました。登場して間もない頃だったので、あんまり意識されないだろうというのもありました。

さて、結果ですが、1勝3敗と全く振るいませんでした。

環境の中心にいたのはニドクイン。
ニドクインから展開して、ドロー役であるラグラージやインテレオンを並べ、自身もトリプル加速で最大260打点を叩き出すアタッカーと変貌します。

ニドクインデッキ

超ブーストエネルギーもあったことから即起動して攻撃にうつる速さを持っていました。
そして、そこに対する他の方の構築は、ニドクインに対するメタでした。
特殊エネで攻撃するだろうことを予想したトリデプスの採用、あるいは進化ポケ全体メタのアマルルガ。どちらも明確に仮想敵を想定して採用されていました。

ニドクイン対策

思い知ったのが、自分の構築の甘さと考察の浅さです。
この特殊レギュで何ができるのか?2進化ポケモンを使うからには何が噛み合うのか?一番使われるであろうポケモンは何か?そのポケモンに対する対策はあるか?そういった思考を持つことなく、只々普通の構築をしてしまった自分の浅薄さを恥じ入るばかりでした。

自分の構築を見直せばとにかく甘さが目立ちます。
ふしぎなアメが4枚入っていますが、いりません。どんなカードでもふしぎなアメになりうるのですから、不要です。
そして、ラジュルネの不在。相手がほぼ確実に2進化ポケモンで戦うのだから、ラジュルネはいつでも好きなカードを2枚引けるカードに変わります。
特殊ルールにおける盲点でした。
仮想敵もメタも想定することなく、なんとなくで組まれた構築。他の方のデッキと比べた時、自分の考えが一回り下回っていることを痛感した第1回でした。

②第2回

第2回が開催されたのは2020/11/14。Dレギュのカードも段々出揃い、2進化ポケモンにも強力なカード達が現れました。

今回は環境が動く。前回の経験を得た僕は確信がありました。なぜなら明確な特殊エネメタカードが登場したからです。

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このカードがある以上、安易なトリプル加速、あるいはツインエネの構築にはなりえないと僕は予測しました。

そこで僕が組んだのはこれ。エースバーンです。

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2進化同盟リベロ初期ppMMyU-2eWFkU-yy32py

トラッシュからエネを加速する特性は、手札を捨てるこのレギュの構築と相性がよく、うまくやれば後攻1ターン目から190ダメージを叩き出せます。この特殊レギュにおいて190を耐えれるポケモンはほとんどおらず、いてもサイドレースで有利と考えての構築でした。自分のヨノワールに邪魔されないのもポイント高いです。

さて、前回経験を踏まえて今回はかなりメタまで踏み込んだ構築にしました。そんな僕の結果は、

1勝2敗!負け越しです!!!

勝てねえ…。そうです。まだまだ僕は甘かったのです。

2進化には特性メタが存在します。そうケッキング。

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僕は完全にこいつの存在を見落としていました。特性が封殺されたエースバーンは虚無。インテレオンでの立て直しも聞かず、ドローが続かず敗北。
完全に見落としです。対策に隠密フードを採用しなかったのも構築の甘さです。これで1敗。

さらに僕はもう1敗します。
僕はこのレギュにあたって絶対後攻有利と考えていました。後攻から2進化ポケモンで攻撃することができるため、サイドレースを先行できるからです。しかし、その想定も甘かったことを痛感します。

ハンデスコンビ

それが先行ハンデスです。はなつみ、バッドルーラーを先行1ターン目に使うことで相手の動きを徹底的に制限する。こんなデッキの存在を全く想定できませんでした。

先制でドローソースを捨てられ、何もできないまま敗北しました。

今回はこそはと挑んだ第2回でしたが、勝利はつかみ取れず終わりました。

なお、今回優勝したのはアーケオスです。1エネで起動し、特性封じのケッキングの弱点を突くことができます。メタをさらにメタった構築でした。そこまでの想定をなしえなかった僕の完敗です。
まだまだ自分のレベルの低さを感じました。

③第3回

第3回が開かれたのは2021/2/21。レギュも変更されBのカードがスタン落ちした環境です。

2進化同盟リベロ8KYcx8-d9CyaT-x8cx4J

今回僕はまたエースバーンで参戦しました。前回のものをBのスタン落ちに対応させたものです。ケッキングもスタン落ちして天敵もいません。リベンジですね。

ここで、2進化同盟固有の凶悪デッキが現れました。

先行ワンキル

先行ワンキル

出したターンに進化できるというルールを生かし、ジグザグマとタチフサグマを回収ネットで使いまわすことで、先行1ターン目から相手のたねポケモンを全てきぜつさせる凶悪戦術です。

僕がはじめてこのデッキを聞いたとき素直に感心しました。
こういうデッキがあるから特殊レギュは面白いんです。

さて、などとは書きましたが、先行ワンキルは成功率が高くないので、当たれば事故と割り切ります。

結果は2勝1敗で準優勝です。なお敗れた相手もエースバーンです。今回なんと8人中4人がエースバーンを使用していました。いや、ルールに嚙み合ってて強いですもんね。
なお、強いので、これ以降2進化同盟ではエースバーンは殿堂入り(使用禁止)となりました。

④第4回

第4回が開かれたのは2021/8/21。この回は僕は参加できませんでした。

優勝したのはボーマンダインテレオンでした。

マンだレオン

2エネで起動して、ダメージも最大220と高火力。ドローサポートのうらこうさくとダメージアップのクイックシューターがきれいに噛み合います。
組み合わせとワザ性能がここまで綺麗に噛み合うコンビは他になかなかいないと思います。いいデッキだと思います。

⑤第5回

第5回は2021/9/4。コロナ下なのでオンラインでの開催でした。

直前の開催でボーマンダが勝ち上がりました。実はこれは僕も考えていた構築でした。先を越されてしまい悔しい気持ちがあります。被るのが嫌だった僕は今回こういうデッキを使いました。

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2進化同盟テングkbFFkF-GM8lSl-1wFFVF

ボーマンダと同じように、ダメージが乗っていることを条件に、相手のポケモンを場から退場させるテングッバイを生かすべく組んだ構築です。ジグザグマとの相性も良く、先攻を取らされた場合にバッドルーラーでけん制もできます。

結果、3戦全敗。

・・・サイド取らなきゃ勝てないんだよな。ポケモンカードって。


さて、ここまで長々と2進化同盟のこれまでを記載してきましたが、フュージョンアーツ発売後、Cレギュのカードがスタン落ちするまで開催は延期となります。理由は単純。

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クワガノンが強すぎるからです。通常のスタンの環境で勝てるのだから、この特殊レギュで負ける理由がないんですよね…。


最後に

ながく2進化同盟という特殊レギュで遊んだ僕が、デッキ構築と対戦に関してのなんとなく思ったポイントを記載したいと思います。

①手札は想像以上になくなっていく

この特殊レギュの肝である”ふしぎなアメXL”ルールですが、使用することでどんどん手札がなくなっていきます。正直、このレギュでは手札管理が非常に重要で、常に手札を潤沢に保てるかが勝敗を大きく左右します。ドローサポートを多めに採用する。あるいはインテレオン、クロバット、サーナイトといったドローに繋がるカードを採用するなど、通常の対戦以上に手札の枚数を意識することが大切になります。

②サイドはほぼ6枚とるものと考える

2進化のポケモンGXが存在はしますが、基本的にはサイドを1枚しかとられない非ルールのポケモンが主流の戦いになります。そのため、アタッカーは最大5体は必要になります。しかし、必要以上に手札も消費するこのレギュです。つりざお、クララなどトラッシュに落ちたポケモンを再度使用する手段を確保しておくといいでしょう

③先攻後攻問題

この特殊レギュにおいては後攻有利と考えています。強力な2進化ポケモンで先に攻撃を仕掛けることができるからです。しかし、先攻ハンデス、先攻ワンキルも存在するので、当たった時は泣きましょう。

④ラジュルネケア

相手にターンを渡す際、あえて進化させずたねポケモンをバトル場に出して番を終えることをラジュルネケアといいます。ラジュルネがまず間違いなく採用されるこのレギュにおいて試合を有利に運ばせないための重要なテクニックです。


回答のない中、考えて考えてその先の環境を読む。特殊レギュは沼です。でも、答えのない世界の答えを見つけに行くその過程が一番楽しいのではないでしょうか。

あとこの2進化同盟、Cレギュがスタンから落ちた後にどうやらまた開催されるみたいです。もしもこの記事を読んで、そんな特殊レギュに興味を持ってくれる人がいるなら嬉しいことですね。


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