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第2話 コバエと暑さの中で:オーストラリアへの適応 

12月4日

いよいよ英語学校の幕開けだ。朝から気合を入れ、準備に余念がない。フィリーが送ってくれるということで、ありがたくその申し出を受けた。

辿り着いた学校では、オリエンテーションが始まる。クラス分けのテストを受け、意気込んでいると、予想以上に日本人が多いことに驚いた。(この学校は日本人が多いと有名なようだ)「セントマークス」という学校の外国人の中には、スイス、インドネシア、韓国からの仲間がいる。少し英語で会話を交わしたが、お互いの言葉がまだまだ通じず、苦戦している様子がうかがえる…。もちろん、日本人の仲間とも話をしたが、名前や顔はまだしっかり覚えきれていない。

学校が終わり、バスで家に帰ると、誰もいない。ちょっとした冒険心で、食べ物を売っているお店まで散歩に出かけたが、似たような町並みが続き、道に迷ってしまった。迷子になりながらも、新しい土地の雰囲気を楽しんでみた。

夜はフィリーと一緒に散歩に出かけた。相変わらず、美しい星空が輝く様子に心が洗われる思いだった。新たな環境での生活に慣れる必要がありそうだ。

12月5日

新たな知識の波が押し寄せる授業が始まった。しかし専門的な内容はまだ遠く、理解しきれない言葉が耳元で静かに囁き続ける。その声について行くのはなかなか難しい。だが、少なくとも以前よりは理解できる部分が増えてきた。

炎天下の空の下、暑さが襲うように私を包んだ。しかし、現地の人は余裕の表情で「これからはもっと熱くなるよ」と言う。40度?一体どのような暑さが私を待ち受けているのだろうか?

12月6日

パースという新天地の日常に、私は少しずつ自分の存在を馴染ませている。学校の生活は変わらず、日々のルーチンを繰り返す。

この地にはコバエが絶えず、初めはその多さに気を取られていたが、次第にその存在も気にならなくなった。習慣とは、異質な環境を受け入れる強力な力だ。

新たな発見もあった。キウイフルーツの甘酸っぱさを口に含むのは初めてだった。今まで食べずにいたその味が、今では新たな一日の喜びとなっている。時として、慣れ親しんだ日常から一歩を踏み出すことは、新たな世界を開く鍵になるのだ。

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