中層混合処理工法とため池の関係性について
常に災害と隣り合わせに暮らしている私達にとって、ため池を更に安全なものにしていきたいと思っています。
今回の記事では、中層混合処理工法をメインとしたため池の工事について解説していきます。
中層混合処理工法とため池
深度10m程度までの軟弱地盤の土に固化材を混合することで地盤の強度を高めるのが中層混合処理工法。ため池を維持したい農家さんもいることから比較的地盤が弱いとされている状況を考慮し、これからの安全面を考慮すると中層混合処理を実施することもあるでしょう。
元々は降水量が少ない地域にため池は作られるのですが、災害が増えてきた日本では実際のところ矛盾していることになるかもしれません。
2018年に発生した西日本豪雨では管理されていたため池が次から次へと決壊し大量の水が集落に流れ込みました。
現状を考えるとため池の安全性における見直しが急務になっていますが、自ら調べないと、この事については知る術が非常に少ないので気づいている人は少ないかもしれません。
地盤改良を目的とする中層混合処理に使われる建設機械は基本的にバックホウです。
もちろん施工場所によってそれぞれに適した工事方法がありますので、最善策の一つとして理解していただけたらと思います。
地下水や近接施工への影響
中層混合処理という名前だけに全層上下撹拌のため土中のスラリー注入圧力が、開放され周辺地盤に影響を与えにくいことや、施工機が比較的軽量であるため地中変位量が少なく、構造物に近接して施工が可能です。
都会であればある程に建物が多くなっていて、更に増えてくるでしょう。
その際に一番懸念されることが地下水になります。
何故なら、建物を建設する際に、地面を掘削していくことから地下水に汚れが混じり汚水となっていくことも考えられるからです。
だからこそ、こうして近接施工に対して地上にある物だけに囚われることなく地下までの状態を把握した上で工程を考える必要があります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?