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表層地盤改良(バックホウ混合)の品質管理

表層地盤改良(バックホウ混合)の品質管理はなぜ必要なのでしょうか。本記事では、その必要性から検査方法(スウェーデン式サウンディング試験と表面波探査)を解説します。地盤は、構造物の基礎であり最も重要な箇所の1つです。そのため確実な検査結果を示して品質を担保することが重要になります。

表層地盤改良(バックホウ混合)の品質管理
撹拌状況

表層地盤改良(バックホウ混合)の品質管理の必要性

①基礎部
土木・建築構造物において、地盤は全てを支える基礎であり完成後に目視で確認することが出来ない箇所になります。施工は基礎から順に造り上げていく必要があるため、基礎に欠陥があるとどんなに上屋(上物)が精巧な造りであっても不十分な成果になります。従って構造物の最も重要な箇所だと言い換えることもできるのです。
 
②安全性
戸建て住宅や、商業ビルや学校などの建築物の安全性を確保する上で最も重要な役割を果たす基礎部は、大手ハウスメーカーや工務店・保証会社等では、現場で第三者機関による安全性の検査を実施しています。ただし、その基礎を生成するために行われた改良地盤に対しては実際に詳細な検査はほとんど行われていないのが現状です。
 
③信頼性
お客様にとって建築工事の最も重要な部分である基礎工事は、施工初期に実施する箇所であり、後から施工することは出来ない非常に重要な箇所になります。この基礎部を徹底的に管理することで、お客様から強い信頼を得ることが出来ることに繋がります。

品質検査の実施時期及び検査手法

①実施時期
表層地盤改良(バックホウ混合)は、通常、最低1週間以上の現場養生が必要になり、この養生期間が不十分だと所定の強度が発現しない場合があります。また、もし1週間で所定の強度が発現していない場合は、4週間経過した場合でも所定の強度になっている見込みが小さいため、7日以上を経過して所定の強度になったことを確認した後に検査を実施することが推奨されています。
 
②調査手法
通常、本工法は住宅建設などで使用されるため、安価で実施できる代表的な検査としてスウェーデン式サウンディング試験と表面波検査の2種類の検査方法があります。スウェーデン式サウンディング試験は、検査機器が安価なため検査を安く提供でき、計測データ解析も熟練を要しないため広く一般的に扱われています。一方で、宅地の地盤調査では、表面波検査が一般的ですが、改良地盤では検査に適しているとは言えない方法です。
 
③スウェーデン式サウンディング試験
当該地盤に鉄の棒(ロッド)を突き刺し、その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。ロッドがスムーズに沈み込んだ場合、軟弱な地盤であることが示され、反対に沈みにくい地盤であれば強固な地盤であることを示します。通常、地盤の四隅と中心の計箇所を検査し、所要時間は半日程度です。
 
④表面波探査
バイブレーター等を用いて地表で人工的に弾性波動を発生させると地盤中にP波またはS波が伝搬する一方、地表面に表面波が伝搬します。この表面波を用いて地盤の軟弱性を判断します。

 

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