Ikigai(生きがい)について

”生きがい(ikigai)”という言葉が海外で注目されるようになって久しいですね。先日のデンマークに出張した際も、海外のファシリテーターでikigaiをテーマに活動されている方に何人かお会いしました。ikigaiはフランス語で"joie de vivre”(生きる喜び)とも表現されますが、生きている張り合いや、生きている値打ちといった意味で我々日本人は使っています。ただ、私的には、ikigaiという言葉をことさらに意識したり、着目しているかと言えば、そういう感覚は全くありません。ごく普通のありふれた言葉の一つであり、ikigaiを概念として捉えて、それを分析したり要素に分けて考えるという発想すら思い浮かびませんでした。

そんなikigaiという言葉を概念として取り上げ、要素に分解して、分析して、ひとつのコンセプト体系にまとめあげるというのは、やはり欧米人の得意とするところで、流石というほかありません。そして、ひとつの概念体系が完成すれば、それをどう実現していくかという、今度は具体的な行動体系に落とし込んでプログラムやワークショップにしていくという、お決まりのパターンですね。

ところが、日本人はどちらかというと、個々人の具体的な経験を個々人がそれぞれの中で暗黙知化させて、そのままにしておくというきらいがある気がしています。なので、ikigaiについてどう考えていますか?と聞かれても、「え?いや、そんなこと意識して考えたことないですね。」となってしまうように思います。

ただ、ikigaiについて意識せずとも充実した毎日が送れていた昔は良かったかもしれませんが、現代の日本はikigaiを失い、実存的空虚感を感じている人に満ちている気がしますので、我々日本人こそ、今ikigaiについて本当に考えなくてはいけないのかもしれませんね。

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