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20万円もらう方法-文化芸術活動の継続支援事業-2:スタートからゴールまで編

旅する演出家、黒澤世莉です。

文化庁が「文化芸術活動の継続支援事業」(以下、ぶんけい事業)を公示しました。私は20代の若手や地域で活躍している演劇人に、情報が届いていないことを課題だと認識しています。これから数回に分けて、ぶんけい事業についての情報や、どうやってお金をもらったらいいのかをnote上にて紹介していきたいと思います。

今回は、全体の流れをおおざっぱに掴んだほうが挑戦しやすいと思うので、申請してからお金をもらうまで、スタートからゴールまでを紹介します。

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まずは全体像だ

アーティストがぶんけい事業に申請してお金をもらうまで、ざっくり以下のような道筋をたどります。演劇人向けに申請の進捗状況をシェークスピア「夏の夜の夢」のお話と並行して話します。だいたいこの辺の過程にいるんだ、という参考にしてください。

0:ぶんけい事業をなるたけ理解する=あらすじを読む

1:確認番号を取得する=アテネの公爵が娘さんに父親のゆうこと聞けっていう

2:必要な資料を集めたり、ダウンロードしたり、書いたりする=妖精の王様と女王様がケンカする

3:申請する=アテネの若者たちが恋愛ですったもんだする

4:審査結果を受け取る=パックが間違えて惚れ薬を塗って大パニックになる

5:仮払金を受け取る=アテネの公爵が若者の結婚OKしちゃう

6:実績を報告する=みんなで村人の前衛的なお芝居を観る

7:残りのお金を受け取る=大団円でパックがいい感じの芝居でいい感じのことをしゃべる

かんたんだね!おいどうした顔が真っ青だぞばかスマホを放り投げるのは止めろがんばれ20万円のためだ。

では、0から順に説明していきましょう。

なお、いちばん簡単な上限20万円のA-1に申請する前提で書きますが、A-2やBも基本的には同じ流れになります。

0:ぶんけい事業をなるたけ理解する=あらすじを読む

申請する前に、webを読んで募集案内をダウンロードして、出来るだけ理解をしてくれたほうがいいとは思うんですけど、まあ、無理なら飛ばしていいです。いちおうwebはこちらですよ。

当たり前ですけど、どの枠で申請するのか、どんな事業で提出するのか、なにで経費を計上するのか、申請するときにはどうせ決めなきゃいけないです。

1:確認番号を取得する=アテネの公爵が娘さんに父親のゆうこと聞けっていう

ぶんけい事業に申請してお金をもらうためには、まず確認番号が必要です。

じつは確認番号無しで、直接文化庁に申し込むこともできるのですが、確認番号を取るほうが簡単だし早いので、ゲットを強くオススメします。これについてはまた別途記事にします。

確認番号のゲットは「事前確認認定団体」という、たとえばわたしが所属している日本演出者協会などで対応しています。

「ぜんぜん心当たりが無いよ。。。」と思ったあなた、知っている劇団主宰者の誰かは、統括団体に所属している、または所属している人を知っていると思います。あなたが統括団体に所属していなくても、統括団体に所属しているひとに推薦をしてもらえれば、確認番号はゲットできます。困ったときは助け合いですので、諦めずに色んな人に聞いてみてください。きっと誰かは統括団体に所属していると思います。ただし、条件は団体によるので、よく確認してみてくださいね。

統括団体一覧はこちら。演出家、劇作家、俳優だけでなく、スタッフの団体もほぼ網羅されています。リンク先PDFがタイトル未設定になっちゃってあやしいね、SEがんばって、とほほー。

2:必要な資料を集めたり、ダウンロードしたり、書いたりする=妖精の王様と女王様がケンカする

確認番号がゲットできたら、今度は具体的に何をするか、予算いくらくらいで申請するかをはっきりさせましょう。

入力事項イメージを確認してもらうのが一番分かりやすいと思います。またリンク先のPDFタイトル未設定になっちゃうね。。。

文化庁かJTBか分かりませんがSEさんお疲れみたいなので、今後最新版に更新されてるかもですが、とりあえず7/18現在のPDFをイメージにしておいておきます。これくらいなら申請できそうじゃない?だめ?もうだめ?いけるいける。がんばれ!ぶんちゃん!

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A-2、Bは、申請書類が色々あるのでがんばって書きましょう。ここでは割愛します。

3:申請する=アテネの若者たちが恋愛ですったもんだする

準備ができたら申請します。オンライン申請なので簡単ですねっ。

ここは金額部分が肝になってくるのですが、話すと長くなるので割愛。また別の記事で書きます。とりあえず、20万円を目指して組んでみることをオススメします。最低10万円からなので、そこは越えるように申請してください。

「オンライン使えません」という方は、いろいろな事情がおありだと思います。その事情を相談すれば別途対応していただける場合があるそうです。あきらめずに問い合わせてみてください。

申請がぶんけい事業申請の山場だ、ここさえ乗り越えればあとはだいぶ楽だぞ。

4:審査結果を受け取る=パックが間違えて惚れ薬を塗って大パニックになる

さて、よくがんばって申請しましたね。おつかれさまでした。えらいぞ。おっこから先は3つの分岐があります。

4−1:審査結果OK=おめでとうございます!あなたはえらばれました。

4−2:差し戻し=書類や記入に不備があるので、書き直してねって言われます。言われたところを書き直しましょう

4−3:審査結果NG=しんでしまうとはなにごとだ。でも大丈夫、7月がダメでも8月があるさ。

大事なことは、出来るだけ7月中に申請してしまうことです。そうすればたとえNGになったとしても、8月に再チャレンジできます。

5:仮払金を受け取る=アテネの公爵が若者の結婚OKしちゃう

さあ、ぶんけい事業のフローも後半クライマックスに入りました。

仮払金を利用したい方は、先にお金の一部を受け取ることが出来ます。希望しない方は受け取らなくてもOKです。

A-1であれば、申請額の半額、MAX10万円まで仮払金がもらえます。やったね、これで少し落ち着いて活動に取り組める、といいなあ。

当たり前ですが、嘘の申請をしたり、実際に使った金額が少なかった場合は、仮払金を返金しないといけなくなります。気をつけてくださいね。

6:実績を報告する=みんなで村人の前衛的なお芝居を観る

10/31までに全ての事業を終わらせます。つまりA-1であれば、ワークショップを受講したり、PCR検査を受けたり、書籍やDVDなどの資料を購入したり、てことですね。で、それから一ヶ月以内に実績報告をします。実際に使った金額がいくらになったか、どのような成果が出たかなどなど、しっかり報告を提出しましょう。ここまでくれば後少しだ、がんばれ!

A-2、Bの方はそこそこボリュームある報告になるかもしれないので、ちょっと気持ちの準備をしておきましょう。

7:残りのお金を受け取る=大団円でパックがいい感じでいい感じのことをしゃべる

実績報告に問題がなければ、交付決定額が支払われます。この際、最初に申告した額と、実際に使った額が違う場合、実際に使った額が基準になって精算されます。もちろん、上限はA-1であれば20万円、A-2、Bであれば150万円なので、その範囲内で、となります。

ひゃー、ここまで苦手な書類に目を通し、色々と文章を書き、よくがんばりました。お金も手に入ってよかったね、おつかれさまでした。

さいごに

ぶんけい事業の、最初から最後までをざくっと説明してみました。やってみて分かったことですが「夏の夜の夢」のたとえは全く必要なかったですね。

ここまで読めば「自力でやれそうかな」と思う方も出てくると思います。そういうかたはサクッとA-1申し込んでみてください。文化庁によると、7/17時点で、以下のような採択実績だとのことです。

採択実績
7月14日(火)までに申請を受け付けた 1,604件(A-①1076件、A-②401件、B-121件、共同申請6件※)のうち,17日(金)にA-①14件(いずれも事前確認団体による確認が行われていたもの)を交付決定しましたのでお知らせします。前払い(概算払)を希望した方については,10日以内にお支払いする予定です。なお,今回決定に至らなかった申請については申請内容の事実確認などを行っています。

ほら、確認番号ありのA-1はやっぱり早いんだな、ということが分かると思います。

次回は「確認番号のとり方」をやります。

申請はこちらから

免責事項

がんばって調べて書きますが、情報が間違っている場合や、変更になる場合もあります。必ず申請前にご自身でよく確認して申請してください。こちらでは申請が通らなかった場合の責任は負いかねますので、あしからずご了承下さい。

なおサポートの受け入れ体制はいつでも全力で整っています。歩きつづけて書きつづけるための、ご支援ありがたくちょうだいしまーす。