自分の温泉を見つける

抽象焼きうどん描いた。8:21、いつもならソワソワしているタイミングだが今日はいつここを出てもいい。チェックアウトは10時までらしい。意外と近い。また一つリミットが設けられて、ちょっとした焦りが生まれる。今度のは緊張を伴わない。

とらきつね、書籍のほうは土日だけ空いているみたいでラッキー。15〜18時であいてて、古本は17時までだというから16時には向こうについていたいかなあ。そうだね、1時間なんだかんだでいるとして、空港にもろもろ済ませて18時にはいたいわけだから。となると14時過ぎに小倉駅を出ればいいらしい。交通費の精算のことを考えても、そもそもホテルに荷物を置いていかないとうろちょろできたもんではないので下関に行ったあと小倉でまた降りて、ホテルに寄って、それからまた小倉で電車に乗る必要がある。小倉駅前のバス停から中洲や天神あたりまでの便が出ているらしいけど、経費で落ちるようなルートではなさそうかなあ。そんなこともないか。いや、ありだな。

博多まで電車のほうがわかりやすいなあ。コインロッカーもたくさんあるだろうし。電車賃も唐人町まで、往復で100円くらいは違うがまあまあ。行きとおんなじように鹿児島本線で帰りましょう。福岡空港から直接向かったからバカみたいに遠く感じたけど、博多までなら1時間ちょっとで着くみたい。元気の出る情報。

11:02。疲れたのでベンチで休憩。

苔のベンチ、雨が少し降っていたから湿っているがええんです。厚めのデニムだし。もう少し休憩したら唐戸市場へ再び向かおう。いや、先に風呂でもいいな。体がちと疲れすぎている。足腰かな、いや脚だな。眠くもちょっとある。それは後で電車やらバスでさんざんできるとして。風呂に休憩所があればそこでもいいし。今日は暇だ。

バリバリに本買った。ちょっと待っていろいろ計算させて。全てが唐突すぎて。

まず朝から下関へ。ここの交通費はもちろん経費でないから片道280円からの、船で門司港まで戻ってきて、450円だったかな。もうちょい安かったかも。昼飯を結局食わずに温泉も入らずに、いやその前に小倉駅までの電車が280円。船賃まるまるもったいねえと思いきや本当に最高の時間だった。あと下関駅から唐戸市場はそうとう遠い。天候や体調含めベストコンディションであっても往復歩くのは躊躇われることだろう。そういう意味でも僕にとって必要経費で、スーパーな自己投資だった。それから1310円の切符を買って、手前の箱崎駅で降りる。博多までの切符を買っていたからそういえばちょっともったいないのだが、これも旅行だとすぐに割り切れたのがよかった。これから210円、博多までの電車賃がかかる。これは自腹になる。本は3冊、3500円ぶんくらいかったが、なぜそこまで思い切れたかといえばLYPプレミアムの特典でPayPayのポイントが知らぬ間に4000ポイント(さらに知らぬ間にちょっと使ってて3800ポイント)加算されていたからで、それを知る前にたくさんは買えないと半分分かりながら回った店内があまりに楽しすぎて、買うと決めてから、いや腹は決まっていなかったが、再び一階の書店に戻ったとき僕はとりあえず月一でここにきてめっちゃ本買おう、てか見よう、と思ったのだった。これだけ買ったらもう主役はこのブックスキューブリック箱崎店になって、とらきつねはまた今度の機会にしてもいいかもしれない。そもそも鳥羽さんのおすすめでここにきているから実質行っているようなものだし。違うか。2620+これからの210円で、2830円使うことが確定している。今日に振り分けられた予算は3000円。どうするか、おかわりコーヒー250円、はいいとして思いの外腹が減ってきてアイスも食べたいのだが。それも旅行なのか?まあこれから使うとしたら小腹が空いてやっすくカロリー補給をするか、あとは確実に500ミリのお茶を買うことくらい。コーヒーだけにしとこう。

スペシャルティコーヒーの経済学

おしっこには行きたいが、機内にトイレがあるのかわからない。あったとして、窓際のこの席に座るのにすでに手前の二人にはどいてしまってもらっているから、加えて2回、どいてもらうのも心苦しい。それからトイレがないとわかったときの緊張は膀胱をより刺激するであろうと予想して、その存在を確かめることからしてやめておきたい。

ブックスキューブリックの本、名著。これは大きく心が動く。潤う、という感じでもある。行くかトイレ。二人を押し除けていくのは簡単なことではない。お、手前の人が動く。このタイミングで出るのが良さそうだ。立って待つのは良くないのかな、そうもいってられない。

ありがてえー。行かせてもらいました。真ん中に2列、誰も座ってない席があって、化粧室が埋まっているときはそこで待機できた。20時以降気流だかが不安定になるからそれまでにトイレは済ましといてね、という旨のアナウンスが最後のひと押しだった。戻ってきて、迷いながらも喉が渇いたのでひとくち麦茶を飲む。前のポケットに戻すとき、カフェインゼロの表記がみえて安心する。これしか飲みませんよ、飲みますけど、もう俺そのへんの分別つけて動きますから心配なさらずに、という念のこもった、パフォーマティブなひとくちであった。

どのくらい書いてるんだろうな。今日はかなり進みが遅いはずなんだけど、だからこそ読みたい本を読み進めるのを打ち切ってはやめにこちらにこれたわけだし、だが集中が切れてきたから嫌になる前に次やりたいことに移行したともいえる。もうすぐ約束の8時になる。機体が大きく揺れ始めるのだろうか、初めてpeachを使ったのは大学2年生のとき、韓国に向かう便だったが、あのときからずっとうっすら命の危険を一定の間隔をもって感じ続けている。もちろんpeachに乗るたび、ということだが、正直JALやANAがどんなもんだったか全然思い出せないのでなんともいえない。熊本旅行、去年の帰りの便は珍しく(羽田から帰りたかったので)ANAを使ったが、なんか確か、こんなもんかー、とは思った記憶がある。大抵の体験にはその感覚が伴う。だから今日の唐戸市場から門司港への船とか、ブックスキューブリックで過ごした時間や空間をより鮮烈に受け止めることができる。そうやってありがたがることもできるし、ただ心が動いた、って明らかに感動的なできごと、先天的に身体がその凄さをわかっている、ような体験を周回遅れで僕が感じた、当然ビシビシきた、とその一連の流れを説明することもできそうだ。

これで1000字くらいは書いたのかな。おしっこには行きたいが、からが電波の通らない中でメモ帳に書いている部分になる。アメリカ紀行で久しぶりにまとまった千葉さんの文章を読んで心打たれて、なめらかさ、あの艶かしくも整然な、生暖かい、ついさっき書いた筆跡ではないとわかるのだけれど感じる温度だけはそれに近いような、あの感じを真似て書いてみている。そういえば3月の途中からは千葉さんの文体(というか僕は語り口や口調と呼ぶのが好きだが)に倣って書いてみようとしていたはずなのだが、忘れていた。すごく神経を使う書き方だからすぐ疲れちゃって、思い出してリスタートしてはそれこそ3日くらいでやめてしまうのだろう。

1300字くらいは書いていたんだったかな。飛行機に乗る前にそこまで辿り着けていれば、もう3000字は近そうだが、いやあそんなに書いた気はしない。多分それで合っているはずだ。どっちでもいいんだけど。おお揺れてきた。これは酔いそうだねえ。そろそろまた読書に移行してみようかと思ったところでのこれだから、もう少し書き進めとくといいことありそう。今回の旅でもそういうことが多かった。1番近い記憶でいうと、一昨日シャツとデニムを1着ずつコインランドリーで洗ったので、最終日は洗いたてサラサラの服で、願わくば風呂上がりにそれにでも着替えて気持ち良すぎる状態で帰ってこようとしたのだが、peachの重量制限の心配が頭をよぎる。行きの、成田空港では重い方のデニムを履いていて、それでも7キロギリギリだった。意外とギリギリじゃん、あぶねーと首から下げていたポーチもなんのけなしに載せると7.15キロくらいになって、あっ、と言ってしまう。大丈夫ですか、のだ、まで口から出て、聞いたところで大丈夫ですとは言えんやろ、というかポーチを首からかけてる状態ですでにはーい、大丈夫です、と適当に通してもらってたんだからいいんだよ、と気まずいながらもなんとか気分を軌道修正し、重量検査をクリアしたのだった。帰りは昼飯用のおにぎりがないとはいえ、少なくとも服装選びで軽くできる部分くらいには気をつかうべきだ。昨日や一昨日の天気を考えたら薄いほうのパンツを履きたいが、ちょっと天気も言われてみれば悪そうだし、背に腹は変えられん。デニパンは変えられんというわけでこれも納得し、期せずして行きと全く同じ格好をして外に出たら、霧雨が降っていて風の存在感もあり、これ着てきて良かったな、とついには下関でつぶやくことになる。

着陸体勢に入る。ここで一句。ならぬここでツイートのコピペ。とれないか。色々ツイートしたんだよな。これも温泉の効能か。思い出しながら書き直してみると、ブックスキューブリックの2階、カフェ・キューブリックで僕は、

俺は若すぎるから湯治のほうの温泉の良さがわかるのはまだまだ先のことで、今はとにかく体を動かして、「温泉」を探していくのがいいのかもしれない。

とたしかそうツイートした。お風呂が温泉に近いとは限らない。それは当然のことであるはずなのに、それを自分の言葉で言うまでに時間がかかった。僕は自宅の風呂で体調を崩す、というか不安に苛まれ、気分がうつむくことが多い。浴室に入るまでどれだけ能率良く体が動いていてもだ。というより、能率よく動くため(だけ)に、次の行動に「入浴」を選んだ、というシチュエーションのなかでよく体調を崩す。これも当たり前のことかもしれない、そこで迷わせてもらえないと間違った方向へズンズン歩いていくことになってしまう。マリカーで逆走を知らせてくれるヘイホーには腹が立つが、あいつが居なきゃ12位確定だ。しばらく同じサイズの夜景をみている。というようなことをどう書こうか悩んでいるうちに滑走路が見える、と思っていたら違う場所でした、いやどうだ?空港だ。それがひとめでわかるくらい近づいている。白い機体が複数見える。早い。離陸前のストレートファイヤー、笑っちゃうくらい速いんだよなとツイートしようとして躊躇っていたら電波を使うのは躊躇われる時間帯に入ってしまっていたときのことを思い出す。peachの採用案内がアナウンスされている、初めて聞いた。今日の本屋で、僕は本格的に自分の仕事に迷い始めているのだと分かった。だからこれはタイムリーな言葉だ。自分の仕事をみつける、という「まんま」な本を買えたことは僕にとって大きな出来事だった。俺は迷っている。本気で迷っていて、だから見つけるためにガチンコで動けるようになった。それに気づき、頭の中で、本のタイトルや脳内坂口恭平の力を借りながらその状態を表現する言葉を生み出して、ようやく「そうなった」。

さすがにゴールが近いはずだ。もう書き終わっている可能性もあるが、僕の読みでは今3700字を超えたあたりだと思う。貼り付けるのがちょっと楽しみだ。空港から電車に乗ったあと、眠気に抗って、ついでにというかこっちが本命だが、千葉駅で降り忘れないようにもしなくてはならない、というタスク過多(僕の苦手なやりたいことが二つ以上ある)状態は免れそう。ひと安心。これであと100字あるかないかなんじゃないかなあ。俺、格付けチェックは得意ですよ。味をみるもの以外はけっこう当たるのよ。チャーハンのやつはさすがにわからんかったな。GACKTが選んでいるほう、間違っているから演出を凝らしているのか、これで当てるのか、と思わせるためにそうしているのか本当にわからなくて隙がない。これで…STOPで!

4950字でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?