二人のキセキ -Milano vs Padova in Milano 3-
試合中の火花が散る二人の雰囲気はゲームセットとともにふっと消えたようで、ネットを挟んで挨拶した二人は笑顔だったようです。私の側からは藍くんしか見えませんでしたが、映像で後から確認しました。
今シーズンの二人の直接対決は2回目の祐希くんが勝利しました。この二人の対決が見れるのは次のシーズン。祐希くんの方は早々にMilanoとの2年契約を発表しましたが、藍くんはまだどうなるかわかりません。
でも、藍くんがここで挑戦しているのを見る限り、日本に帰ることはないんじゃないのかな?と感じています。彼のポテンシャルを日本という枠にはめてしまうのはもったいないなと。
かつての石川祐希がそうであったように。
祐希くんは長い間、たった一人の日本人プレイヤーとして戦ってきました。世界一のプレイヤーになるという目標を達成するために。でも、その目標は日本代表というもう一つの彼のチームを勝たせることにもつながっているのだと思っています。石川祐希というプレイヤーにとってはイタリアで戦うことも、日の丸を背負って戦うことも同じ世界線に繋がっていて、相互に影響しあうものなのではないかな?とずっと思っています。
そして髙橋藍という選手はその背中を追いかけてイタリアに渡ってきた選手です。オリンピックを経て、より強くなるための戦う場所としてイタリアを選び、新しい武器を手に入れようとしています。
先輩はその後輩に今の全てのポテンシャルを見せつけるかのような素晴らしいプレーを見せました。まるで、早くここまで上がってこいというように。それでもまだまだ追いつかれるつもりもさらさらないのだと思いますし、後輩だって突破口を見つけて勝つ可能性にかけて戦っていたのではないでしょうか?彼らのようなアスリートはどんな相手でも勝負に負けるつもりはないのでしょう。
これから先、何度もこの対決が見れて、もしかしたらいつか後輩が勝つ日も来るかもしれませんし、まだ日本のどこかにいる原石が急に輝き出して、日本人同士の戦いはもっと増えるかもしれません。
そんな未来の夢を見る対戦でした。
春が来れば、代表シーズン。
新しい武器を手に入れた二人が共に戦うその姿を見れるまであとちょっと。
もう、すでにワクワクが止まりません。
彼らが同じコートに立つ奇跡を見られる幸せ。
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