おばあちゃん、ありがとうー不育症の思い出(2)

※出血、流産の表現がありますので、ストレスに感じる方は読むのを気を付けてください。

私は過去4回の流産を経験しています。5回目の妊娠で現在6歳の息子を出産しました。

その経過については前回の記事で書いています。

今回の記事では、4回目の流産のあとの私の実祖母との印象的なやり取りを書こうと思います。ちょっと不思議な話です。もう亡くなったおばあちゃんとの思い出話です。


前回の記事<4回の流産とその後出産した話ー不育症の思い出(1)>




寝たきりだったおばあちゃん

私のおばあちゃんは亡くなる前、2年ほど寝たきりで、私の母が介護していました。もう90歳を過ぎて足が弱り、歩けなくなったのと、食が細くなって、特に重い病気というわけではなく、老化で、うとうとと寝ている時間が多かったです。

頭は、はっきりしていて、起きていれば受け答えはしっかりしていましたが、時折、「部屋に小人が走っていた」「おじいちゃんが来て話して行った」(おじいちゃんは何十年か前に亡くなっています)等、夢を見たのか、幻覚を見たのか、ありえないことを話すことがありました。

私は結婚して、私の実家から車で2時間ほどかかる距離の場所に夫と二人で住んでいて、時々は実家に行って、おばあちゃんに会っていました。

おばあちゃんには見えた?

4回目の流産の後、落ち着いたころに、実家に行った時、おばあちゃんが、

「お前、たくさん血が出て大変だったなあ。大丈夫か?」と言うのです。

「オレが頼んどくかんなぁ。」と繰り返し言うのです。

流産したことは、母には言いましたが、おばあちゃんには心配をかけたくないと思って、私も母も、父も、言わないでいたのですが。

耳も遠くなっているおばあちゃんは、耳元で大声で、話しかけないと聞こえないので、わざわざ話しかけていない会話を聞き取ったとはどうしても思えません。

なので、私が流産したことは、聞いていないはず、知らないはずでした。

けれど、自分が寝たきりで、食事もとれなくなってきて、寿命が近いと思われるおばあちゃんが、

「お前、大丈夫か」

とすごい勢いで心配してくれて、泣いてしまいました。

でも、「大丈夫だよ」と、私が何回も言うと、おばあちゃんは落ち着いて、眠りました。

「よぉく頼んどくかんなぁ」とも繰り返し言われました。

何を?誰に?頼むのかなと思いました。

この後、数か月して、おばあちゃんは眠るように老衰で亡くなりました。亡くなる前ってあの世が近いからか、色々なものが見えていたのかなと思いました。

おばあちゃん、ありがとう。

おばあちゃんが亡くなって49日を過ぎた、そのころ、5回目の妊娠に気がつきました。

あの世で、神様とかそんな存在に、おばあちゃんが、”よぉく頼ん”でくれたのかなぁと思いました。

私の不育症の検査結果は、原因不明で、効くかどうかわからない”気休め”の薬を飲むことくらいしかできませんでしたが、この妊娠中は、特別に大きな問題もなく、普通分娩で息子を出産することが出来ました。

育児は、思ってもみないことの連続で、また大変なのですが、息子がいる暮らし全部が大切で幸せです。

いつもおばあちゃんが守ってくれていると思っています。

おばあちゃん、ありがとう。




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