ジャンプ+で読んで欲しい漫画たち

チェンソーマン2部が始まりましたね。
タツキ先生はジャンプ+でファイアパンチを連載して、本誌に移籍してチェンソーマンを連載し、鬼滅・呪術と並ぶ作品に成長した上で、ジャンプ+に凱旋してくれて、ジャンプ本誌、ジャンプ+両方のファンとしては嬉しい限りです。
ジャンプ+と本誌の関係としては、地獄楽の賀来先生、恋するワンピースの伊原先生がジャンプ本誌に挑戦したり矢吹先生が本誌の規制を避けるために+に移籍になっていたりと人材の交流も活発に行われており、お互いに盛り上がっているのでこれからもさらなる発展をしていって欲しいなと思います。
これはチェンソーマンから初めてジャンプ+を使った人向けの話になるのですが、ジャンプ+はブラウザ版とアプリ版があるのです。どちらでも連載作品は変わりませんが、読むのであればアプリ版がオススメですね。通常、Web漫画の連載作品は最初の数話と最新数話など限られた話数のみが無料になっており、それ以外の話を読むにはコインを使って読みますが、ジャンプ+のアプリ版では無料の連載作品は初回無料で読むことができ、いつからでも連載に追いつくことができます。(チェンソーマン一部も初回無料の対象になっているので、未読の方は二部を読む前に読むことをお勧めします)
せっかくジャンプ+に興味を持ったのであれば、これを機にチェンソーマン以外の作品を読むのもどうでしょうか? ただ、別の作品を読もうとするとネックになるのは作品の多さ。無料作品でも数十作品あり、情人であればどれを読めばいいのか悩んだ挙句、結局SPY×FAMILYしか読まないでしょう。
そこで、個人的にオススメの作品を5つ紹介したいと思います。(あくまで個人的なオススメですので人気作でも僕に刺さっておらず紹介できない作品、具体的には「怪獣8号」と「ダンダダン」などはリストに入っていません。ですが、両作品とも非常に人気のある作品であり、いずれアニメ化もされると思うので読んでおいて損はないと思います)

1作品目【推しの子】

連載は週刊ヤングジャンプですが、ジャンプ+上でも1週間遅れで連載をされています。原作は「かぐや様は告らせたい」の赤坂アカ先生、作画が「クズの本懐」の横槍メンゴ先生のアニメ化経験コンビで、この作品もすでにアニメ化は決まっています。「次にくるマンガ大賞 2021」にてコミックス部門1位を受賞したので、すでに知っている人も多いかと思います。
物語は医者だった主人公の元に「推し」のアイドル・星野アイが隠し子を出産するために訪れることから始まります。
主人公は世間に隠して出産をすることに同意し、出産に向けた準備を進めていましたが、手術の当日主人公は何者かに襲われ死亡してしまいます。次に目を覚ました時、主人公は推しのアイドルの子どもとして転生していました、という話です。
アイドルや女優、声優が妊娠したとき、「今死ねば推しの子どもに生まれ変われるかも」というのはインターネットで一昔前はよく見られた冗談ですが、そのワンアイディアに留まるのでなく、芸能界の裏側を見せるお仕事ものとしての要素や、主人公を殺したのは、あるいはアイを妊娠させたのは誰なのかというようなミステリー要素で話を広げていって、全部の要素が面白いのはさすがの手腕です。主人公がリアリティ番組に参加するシリーズが時事的な要素も含んでいて特に面白いのでそこまでは読んで欲しいなと思います。

2作品目 忘却バッテリー

タイトルとサムネから予想がつくように野球ものです。
中学時代に最強のバッテリーとして全国に名を轟かせていた、清峰葉流火と要圭。しかし、キャッチャーの要が記憶喪失になり、野球に対するあらゆる知識と興味をなくし、野球部のない都立高校に進学。要以外とバッテリーを組むつもりがなかった清峰もそれについていきます。そこで、中学時代二人に破れ、才能の壁に絶望し野球をやめる決断をした藤堂葵と千早瞬平と出会い、再び野球の道を歩いていくという話です。
この作品のいいところは世代の中でも最優秀層の立場、そこまでは届かなくともあと一歩のところまで届いている立場、野球の実力としてはまだまだな先輩たちとそれぞれの立場からの青春が描かれているところですね。最近、清峰と要のバッテリーに惹かれて優秀な1年生が入ってきて、先輩たちとの関係も揺さぶられてはいるので、これからどうなるのかすごく楽しみにしています。
また、僕は最近、リアル志向の野球漫画が増えた一方で、野球に詳しくない人が入りやすい漫画が減ってきている印象を受けているのですが、この作者さんは前作は演劇漫画を描かれていて競技経験もないということで野球に馴染みのない人にも読みやすい作品を描こうという意識しているように思います。専門的になりすぎないように全体としてはギャグ調にしている中に、熱い展開もあって好きな漫画です。

3作品目 ハイパーインフレーション

3作品目はジャンル分けすると経済バトル漫画になるのでしょうか? ハイパーインフレーションです。帝国からの奴隷狩りによって、姉を奪われたガブール人の少年ルークはある日、体から一万ベルク札を際限なく産みだす能力を手に入れます。ルークは姉を助け、虐げられてきたガプール人を開放するために得た力を使って、帝国に対して偽札を使った経済戦争を仕掛けるという話です。
この話の良さは、まず主人公の力がそんなに強くないということです。ルークが生み出すことのできる偽札は本物と見分けることは不可能なほど精巧な一方、全て同じ番号のものしか出せません。これによって、ルークの作戦を阻止しようとする帝国側はその番号を知るだけで能力を完封することができるため、番号の情報を巡る攻防が発生します。その緊迫感と頭脳戦がたまらなく面白いです。
ルークの偽札の能力を隠すために別の偽札を作ったときの、帝国側のセリフ「このままで味方がまともすぎて国が滅ぶ」のシーンは適切なルール設定と魅力的な登場人物さえいれば無能な人を出さなくても面白い話が作れるのだと感心させらてこの作品が一気に好きになった回です。このシーンまでは是非とも見て欲しさはあります。

さらに言えば、経済と偽札部分の知識もしっかりしていることも推したいポイントですね。精巧な偽札という銀の弾丸が出てきたことにより貨幣経済がいかに信用によって成り立っているのか、偽札によって信頼が崩れたときに経済がどうなるのかが語られ、ルークの能力の代わりとなる偽札が作られたときには偽札はどのように作られるのか、それをどうやって見破るのか/偽札が作られることをどのように防止するのかが語られます。漫画を通して新しい世界を知れるという意味でもこの作品をお勧めしたいです。

4作品目 深東京

これはジャンプ本誌でǝnígmǝ【エニグマ】を、ジャンプ+ではラブデスターを描かれていた榊健滋先生の最新作ですね。まだ7話までしか出ていないので比較的にすぐに追いつくことのできる作品です。
担任の先生をいじめによって自殺に追い込んだ「罪」を背負わされた主人公たちは罪を犯した者が落ちるという都市伝説「深東京」に堕ちて、デスゲームに巻き込まれていくという内容です。
前作のラブデスターはいい意味でB級スプラッター映画っぽさがあって愚かなモブがデスゲームのルールを理解していない予想斜め上の行動をして、死んでいく様や、ゲームマスターのルール設定のポンコツさが独特の愛嬌と読み味を産んでいて面白かったですが、今作でも取ってつけたように担任に懺悔をして殺されるモブや、第一のボスの自称「べんけい」の討伐条件の秘密など片鱗が見えて毎週楽しんでいます。前作のラブデスターでは終盤の「新選組がノーベル賞を取る」展開が突拍子でありつつも、最高に感動的なシーンで印象に残っているので、今作でもそういう展開があるのかなと期待をしています。
今のところ際立ってよかったのは、史実の弁慶と異なり武器を集める代わりに殺した相手の手足を背負い、スコップで生徒を惨殺するべんけいのデザインですね。デスゲームの敵としてアレンジしつつも元ネタの要素を上手く拾っていて好きなデザインです。
今ちょうど第一の試練が終わったところで次のボスが出てくると思うので、これからの敵がどのようなモチーフになるのか楽しみで仕方ないです。

5作品目 ジャンケットバンク

5作品目は週刊ヤングジャンプで連載されているギャンブル漫画、ジャンケットバンクです。原作は'20年から連載している漫画ですでに7巻まででていますが、ジャンプ+では'22年3月から連載が始まりました。現在は毎週3話更新されており、ヤングジャンプの連載に追いついたら他のヤングジャンプ作品と同じように1週遅れで連載される形になると思われます。
タイトルのジャンケットはカジノでVIPをカジノへ招待し航空券やホテル、滞在中の移動や食事などを世話する職業を指します。この作品では銀行が裏カジノを仕切っているという設定で、銀行員がジャンケットとしてギャンブラーの世話をします。
ギャンブルものの場合、どのように書いてもネタバレになり野暮になってしまうので詳細に描くことは控えたいと思いますが、下のツイートの対雛形編の終わり方はものすごく綺麗で一気に引きこまれたのでそこまでは読んで欲しいですね。

この作品が他の作品と差別化をしている要素として銀行員側も通貨のように使えるキャリア(勤続年数)を巡って、取引やギャンブルを行っているということです。キャリアは職場で煙草を吸う権利から人事権まで様々な特権と交換ができる一方、キャリアがマイナスになると債務者と同じ扱いとなってしまいます。また、そうした権利と交換できることから「通貨」として仕事を手伝ってもらうことに利用できます。
主人公の天才ギャンブラーと組んだ、計算能力に優れた銀行員がどのように成り上がるのか、あるいはキャリアをマイナスにしてしまい破滅するのか今後の展開を楽しみにしています。

以上、5作品が今回僕が勧めたいジャンプ+連載作品になります。
今回紹介した作品の中で興味のある作品がありましたら是非読んでみてほしいですね。Twitterでもnotesのコメントでもいいので語り合いたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?