発作性上室頻拍でカテーテルアブレーションを受けた話1


はじめに

先日、発作性上室頻拍(PSVT)の治療のため、カテーテルアブレーションを受けました。
アブレーションを受けるにあたっていろんな方のnoteや、youtube、Twitter(X)、ブログなどを見ていましたが、なかなかPSVTに対するアブレーションの体験情報が少ない・・・
ほとんどが心房細動に対するアブレーションの情報が多かったように感じました。「PSVT」で調べても、発作の止め方や海外の動画ばかりで・・・
止め方なんて知ってるし!やっても止まらないんだよ!!
一応看護師をやっていますが、循環器や心電図は得意でもないし、カテーテル室にも入ったことはありません。
それにアブレーションは結構高額な治療と聞きますが、実際にどれくらいの金額がかかるのかもわからず、色々不安でした。
とある方のPSVTに対するアブレーションの体験noteやブログがとても参考になったので、私の経験も残しておこうかなと思いました。
初めて自身の体験を文章に残すので読みにくいところもありますが、ご容赦ください・・・

結果的にカテーテルアブレーションを受けてみて
・ 費用は想像していたより、そこまで負担はひどくなかった(もちろん安くはないですが)
・ 意外とすぐに終わったし、歩いて普通に退院できた
・ アブレーションを受けてよかった
ですかね。早くやっていればよかったと思いました

これまでの発作

 アブレーションを決めるまで、9年ほどこの頻脈とはお付き合いしておりました。発作の経緯を書いてみます。

最初の発作

 20歳(2014年)の頃から突然始まる動悸と頻脈を自覚し始めました。その頃の脈拍数はだいたい150台前後、動悸のほかは特に症状はなかったので、とりあえずそのまま様子を見ることにしました

2021年頃 初めての受診

たしか、勤務がなかった日でした。突然また動悸と頻脈が始まり、かかりつけのクリニックが循環器内科も標榜していたので、駆け込んで受付に「頻脈が続いていて・・・」と相談すると、受付後すぐに12誘導心電図をとってくれました。
そのときには脈はだいぶ落ち着いてきた頃でしたが、もしかしたら発作性上室性頻拍かな??とのこと。
ホルター心電図を実施しましたが、検査中に発作が来ることもなく。また何かあれば受診してくださいと言われ、特に発作時の頓服をもらうことなく経過観察になりました。
その後も、時々頻拍と動悸を自覚することがあり、脈拍180台くらいまでありました。でも発作が起きた時にちょうど良くクリニックに駆け込めるわけもなく。
この頃は息を堪えることで、発作をとめることが何とかできていましたが時々自分では止められない時もありました。
割と勤務中に起きていたことが多いです。。ストレスかな笑

2024年3月 初めての大きな発作

仕事中ナースステーション内の椅子に座った途端、ばくん!と強い鼓動を感じたと思ったら、めまいがつらくなり汗がじわりと滲んできました。
「あ、やばい」
と咄嗟に言った私に、隣に座っていた先輩が私にパルスオキシメーター(血中酸素飽和度と脈拍を測る機械)をつけると脈拍210、私のApple Watchも210を示しています。

これまで以上になく気分が悪く、机に伏せた覚えがあります。
ステーション内にストレッチャーを持ってきてもらいましたが、なんとか自力で休憩室まで歩いて横になります。
心電図やモニターもつけてもらい・・・
来てもらった循環器の先生指導のもと息こらえや、洗面器に張った冷水に顔面をつけてみましたが頻脈が止まらない。
アデホスという発作を止めるお薬を使おうかと先生。ルート確保の用意の最中(なかなか点滴の針も入らず・・)に発作が収まり結局1時間かかりました。この1時間程度の間に2回頻拍の発作が起きました。210を記録した時の心電図は一応取りましたが、ちょっと落ち着いてきた状態で。
もう一回心電図とろうとしたところ発作が起きて、ばっちり波形を記録できました。

初めて発作中の心電図をとることができました。
お守りとして頓服も出せるけど、アブレーションを勧められしばらく悩んでいました。この時にお世話になった先輩からは「受けた方がいい」と
そして「発作が起きたのが職場で良かった」「駅のホームとか道路で起きてたら、下手したら電車や車に轢かれてたよ」っていわれて、はっとしました。
今回の発作が9年間のうちで1番大きかったのですが、立っているのもしんどくて、もしかしたら倒れるかも、やばいと感じたのが初めてでした。
ああ、確かにこれは不整脈ではなくとも事故等で怪我してもおかしくはないなあと思い、数日後決心ついた?と聞いた先生にアブレーションを受けます!とお答えしました。

不整脈外来と術前検査

以前に別件で緊急入院から手術した時とは違って、自分で紹介状を持って総合病院に行くのが初めてです。勤務先ではアブレーションを実施していないので・・・
夜勤明けで眠気が強い中、循環器不整脈外来の診察を受け「アブレーション適応だし、やった方がいいと思います。8〜9割良くなります。頑張りましょうね!」とのこと。そこから術前検査が長かった。。
心電図、心エコー、採血、レントゲン回って外来に戻って入院日と手術日を決定。同意書やら何やらサインしまくって、入院説明を受けて解放されたのが午後13〜14時くらい?
その1日で10,220円かかりました笑 金額見て目が覚めた。

いよいよ入院

入院は2泊3日予定です。
入院後は心電図とレントゲンを実施したり、シャワーしたりと日中はバタバタ。
手術当日は浴衣タイプの寝衣をレンタルして、おむつを1枚購入するようにとのこと。合間を縫ってレンタルしにいく。
あと入院してすぐに携帯型の心電図モニター装着されました。多分、病棟内1でとても綺麗な波形だったと思います笑
なんたって発作が起こらない限り問題ないんですもん。時々期外収縮あるくらいで。

術前準備

シャワーと剃毛

実は直前に1泊2日予定に変更になったため、午後手術のため自宅でシャワーと剃毛を済ませて入院していました。入院後に当初の予定通り2泊3日になり、またシャワーを浴びさせてもらうことにしました。あと鼠径からカテーテル入れるので、剃毛できてるかチェックしてもらいました。
鼠径範囲は特に説明がなかったのですが、鼠径・腹部は必要かなと思い剃りました。術後圧迫固定でテープを貼ると思うので、剥がした時に毛が巻き込まれたらとんでもないです。
あと、元々医療脱毛でVIOやっていまして、そこまでではないですが陰部も剃毛して行きました。安静時間中トイレに行けないため、おそらく膀胱留置カテーテル入れることになるので。

私が入院した病院は、バスタオルも用意するようにとの説明があり、シャワー用とかなのかな?とも思いましたが一応用意して行きました。
実際カテーテル室出棟時に持参して、台にタオルを敷いた上に横になりましたので移動時に使うようです。一応あったほうがいいかも。

点滴

夕方になって、翌日用に点滴のルート確保を行なってもらいます。私は採血の血管はまあ見えるのですが、点滴に適した血管がなかなか見えにくいです。。(すみません
過去点滴を受ける機会がありましたが、どうにも1発で確保することが難しかったようで刺し直していました。色々考えてましたが1発で仕留めてくれたのでありがたかったです・・・!ありがとう!
でも夕食前に癖で腕枕したので逆血がすごくて、一応生食を流してもらいました・・・ごめんなさい・・・
でも閉塞したらまた点滴取り直しとかになると辛いので、、

翌朝は7時頃に点滴を開始しますので、それまでに浴衣に着替えてくださいとのことでした。起きれるかな、と心配でしたが。

肝心なごはん

心配していた笑 食事は・・

まさかの謎の塩分制限食でした!!塩分6g。でもそこまで味が薄いとか、気にならなくて私は美味しくいただきました笑

寝衣レンタルの時、アブレーション後の安静期間中に食べようと思ってついでにフルーツのど飴を買って行きましたが、助手さん?クラークさん?に看護師に確認したほうがいいですよ!!って言われました。
ただアブレーションするだけなのに?と思いましたが、食事内容見て理解しました。多分、ふりかけや持参のスープ、お味噌汁も許可制なのかも。塩分含むし。

次はカテーテル当日、入院2日目を書いてみます。

入院2日目、カテーテルアブレーション当日

5:30に目覚めました。。眠れなかった。朝昼禁食なのでやることないです。
とりあえず、歯磨き。トイレ。ガウンに着替えます。もちろん肌着は全部なしです。
7時頃、点滴を繋ぎにきた看護師さん。「おしっこの管は後がいいですかね??笑」と。やっぱり入れますよね・・・
覚悟を決める時間も欲しくて「そうですね・・」
結局「8時くらいにまたきます!」とずらしてくれました。忙しいのにすみませんでした・・・

8時頃。看護師さんが膀胱留置カテーテルセットを持って訪室。
めちゃくそ忙しいのに、そして出棟時間が迫っているのにすみませんでした。。

とりあえず急いでコンタクトを外して(本当はコンタクトつけたまま見学したかった・・・笑)車椅子でカテーテル室へ出棟しました。

検査と治療

車椅子から細い台に移動して女性スタッフに取り囲まれる。
・点滴ルートにシリンジを繋いで何か投与する人
・浴衣を脱がせて背中に電極などのシールを貼りまくり、胸にも色々貼りまくる人(冷たかった!!)
・お尻の下にシートを敷く人
・血圧計巻く人
・両手拘束する人
・・・すごいです。チームワークすごい。みんな一致団結して私のアブレーションの準備をしてくれます。

この頃には目がぐらぐらして、ちょっとぼんやりした感じでした。「ああ、さっきのシリンジ、鎮静剤だったのか、、」とやっと理解しました。

他のスタッフさんが、肩をとんとんしてくれていました。(ありがとうございました・・・!)

主治医の先生ともう一人の先生が登場、鼠径の消毒したり準備を進めます。胸部に2つの大きな機械が胸に近づいて、いよいよかとドキドキ。

そして突然流れるサザン(確か)

鼠径に局所麻酔打つ時も痛いけど・・・まあ、なんとか、程度。

動脈の穿刺はよく言う押される感覚というか、痛いですけど喚くほどじゃないかな、くらいでした。ぐぐっと圧はきました。
局麻ってすごいですね。

もうこの辺りは眠気と覚醒のはざまというか、お布団の中で何もなければすぐ眠れそうな感じ・・?
あまり覚えていません。が、どこかなんとも言えない、体内を移動する感覚があって、もしかしたらあれがカテーテルだったのでしょうか・・・?
いつの間にか心臓に達していまして、検査されてました。

心筋焼く前に発作を誘発していくんですけど、これがまあしんどくて。時々起こる動悸で目が覚めて、ああ、早く打っているなあ、、と感じる。

「今検査しているので、胸がドキドキして辛いかもしれませんが、順調に検査進んでいますからね。」と先生。
眠くて「はあい」としか返事できませんでした。
「ケントか?」「飛ぶんだね」「ここ飛ぶね」「スローか、スローですね。」「スロースローか」(スロー云々は私の聞き間違えかもしれません)と先生たちの言葉もぼんやり聞いてました。

そして突然ふわっ、バクバクが始まって目が覚め「あ、これいつものだ」「やだなあ、早く止まらないかな」とぼんやりしていました。
発作が誘発できた時には先生たちは「乗った??」「あ、乗ったね!!」となんか喜んでたけどこっちは・・・笑

また記憶とんで、胸がぎゅっとする感じがあり目が覚め「これ、焼いてるのかな・・・」という感覚がいくつかありました。

その後またバクバクが始まりましたが、発作が起きた時とは違う感じで・・なんというか、普通にただ、頻脈なだけって感じ

「終わりましたよー!誘発しても発作が出ないことを確認しましたので、これで終了です!」
と聞こえ、機械が退いていきます。
「動脈のカテーテル抜くので、変な感じします」とニュルッとした後暖かな物が鼠径に感じました。痛いです。変な感じどころでは無いです。圧迫止血もされますので痛い。
先生が陰部の前貼りもベリッと剥がし、他のスタッフたちも胸の電極、拘束など色々留置物取り除いていきます。

そして背中の電極も取って、朦朧とする私に「○○病院だっけ?何科で働いてるの?」と鼠径を縫合しながら先生は尋ねますが・・痛いし眠いし力入らなくて声も出にくくてしんどかった・・笑
コミュニケーションのつもりでしょうが、、今か・・・
なんとか声を絞り出しました笑

とりあえず発作は誘発できて、不整脈というか発作を起こす原因の伝導路を発見。アブレーションできて完治が見込めるらしい。
でも近くに正常な伝導路があって、あまり焼きすぎると房室ブロックになってペースメーカー入れなきゃいけないことになるから、とも言われましたが、9年間お付き合いした発作性上室頻拍とはお別れです。

地獄なのはここからでした。
次回、カテーテル後の安静を書いてみます。


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