【序1-1/3前半】　陽香漂う倭國

陽香ロマン漂ただよう倭國わこく

民族の大移動

1　國長の悔恨 (前半)
2　北方民族  匈奴の分裂
3　奴國と好古都國
1　國長の悔恨(後半)

國長祖父と父の悔恨　(前半)

この物語は、侵略をうけ滅ぼされた國クニが、その後どのように復興してゆくのか
二千年前の日本では逞たくましくその迫害を乗り越えて再興する國クニが多くあった。

その一つに焦点を当てると國クニを成す人の、感情の揺れに、強く作用される。
人は感情で動く。　今も昔も。
その感情は何を見て何を心に大きく刻もうとしているのか。

侵略を受け、己の非力なるが故、護るものも護れなかった。
己を責める怒りの激情は、悲しみの現実を受け入れ先を見つめる。
やがて訪れる鎮まる感情。

陽は登りやがて沈む
月が登り天空に星々が輝く
漆黒の闇を開く兆しはいずれ東天より迎え来たる

清涼せいりょうな気を浴びた行方さきは
何処に行き何を育むのか。
何処で産まれ誰が産み落としたか生まれ故郷への愛着、郷土愛はもっと大きくその愛を広げる事は出来るだろうか。

何処に行き何を育むのか未来への成長を描く足元
それが故郷ふるさと、郷土愛。

しかし、誰が産み落としたか？
生みの親の故郷ふるさとは突き詰めれば、この大地そのもの。
この世界、この空の下もとに広がる大地でしかない。

激情が鎮まりを迎える時
郷土の復興を誰しも想い描く。
憎しみに駆られたちっぽけな狭量きょうりょうとした志向が改められ、月の輝く夜空と星々の運行を見つめ、四季の訪れを改めて顧かえりみる時
偏狭な領土に固執すること自体が愚かだと気づく。

そんな悟りに似た感情を抱き
祖父と父は國長クニおさの使命から侵略を真っ向から受け、奴隷の身となり大陸に売られて行く事になる。
～後半へ続く。