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「まだまだ、だね。」



「まだまだ、だね。」


駆け出しの私。
駆け出しで、初心者で、
ちょっとした一歩で喜んでしまう私に
言ってくれた、あの人のこの一言は、
なんでこう温かいんだろう。

真夏の涼しさのようでも、
冷水のようでもある。

どうしてこう、生きれる言葉なんだろう。



一方で、橋の向こう側で聞こえてくる
「まだまだ、だね。」は、
どうしてこうも見苦しいのだろう。

色も、形も、響きも、においも、
全然違う。

人の足を引っ張りたい
人のつまづくのが見たい
人の死に行くのが見たい

そういう人たちが口にするその言葉...



色も、形も、響きも、においも、
見えないからって舐めてはいけない。
お互いに。



橋のこちら側の人が教えてくれた。

「分からないからって、一緒にしてたら、
耳が腐っていくから十分に気をつけなさい。
耳も目も鼻も、全部腐ってくよ。」


あちら側に対しても、静かに言ってた。

「分からないだろうって、まだ思ってるのかな。
そりゃぁ分からないわけないよ、
こんなにも違ってちゃぁね。」

とにもかくにも、

『気をつけなさい』

こんな風に心配かけてるんだから、
確かに、"まだまだ" だよな。


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