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記憶がなくなったハナシ

まるでドラマのようだった。

どうやって寝たのか、どうやって家まで辿り着いたのか記憶がない。
目が覚めたら(自分のベッドの中で)全裸だった。

こんなにハッチャケたのは多分人生で初めてのことである。
ビール、シャンパン、白ワイン、モヒート、シャンパン、日本酒の順番で飲んだことは記憶にあるけど、それ以上何かを飲んでいるかもしれない。

若かりし頃も、酔ってトイレの便座に顔を突っ込む友達の髪を束ねて片手で持ち、空いた片手で背中をさすったりする役目だったし、

酔っ払って歩けなくなった同僚を、迎えにきてもらった彼女の彼氏のポルシェに押し込み、ついでに自分を含むあと2人くらい乗り込み(どうやって911にあんだけ乗れたのかはいまだに不明。)その同僚の彼氏のキングサイズベッドに女3人で川の字で寝て、あわれな彼氏はリビングのソファに長身を折り畳んで寝る、みたいなことは一度や二度じゃない。

でもいつも「あゆがいれば安心。」と思われるいわゆる「ストッパー」だった。
帰巣本能が半端なく強く、いつも酩酊状態の友人たちを引き連れ、(品川かお台場あたりの)ちゃんとしたホテルだったり、誰かの彼氏の家だったりに連れて帰った。

そんなワタシがこの歳になって、記憶が綺麗さっぱり完全に抜け落ちているという事件が起きた。

ちなみに目が覚めた時の頭の中のパニック状態ったら半端ない。

人生で初めてのことが起きた時に、対処する能力をなんというんだろう?
ちなみにその能力は、多分そんなに低くないはずなんだけど、今回はまじでテンパった。

身体を動かさず、目の玉だけがくるくる動く、そんな自分を感じるし、それ以上に頭の中が忙しい。

後日記憶のない間にどんなことをしでかしてしまったのかは、やっぱり全部は聞けなかった。多分聞いたら今まで積み上げてきた「何か」が崩れてしまうような気がしたんだと思う。

「お酒」「記憶」「取り戻す」などでググってみたりもしたが、大した記事を見つけることはできなかった。

静かな音楽をかけて、あぐらを組み、膝の上に手のひらを上向きにのせて深呼吸し、思い出してみようと精神統一してみたりもしたけど、やっぱり空白は埋まることはなかった。

記憶をよくなくす皆様は、こんな経験をしょっちゅうなさっているのだとしたら、今回のワタシが感じた「パニック」に対する耐性は相当高いんだろうと思う。

相変わらず、耐性は低いままだが、

「なるようになる」
「死ぬこと以外はかすり傷」
「生きてるだけで丸儲け」
みたいな言葉が頭に浮かんでくるし、

そんな脳内自己啓発セミナー自動再生状態になるなんて、なんかすごい。

多分、ワタシ、いくつか(1つじゃない)のくだらないこだわりとか、執着みたいなものを手放したんだと思う。
ま、起きた時全裸だったので、生まれ変わったのかな、と思うことにした。

とはいえ、やばいーっ!最悪だーっ!と数日騒いでいた。

タイミングよく、BostonのしゅんしゅんからFacetimeがかかってきたりもして、しゅんしゅんに「2日前、ママ飲みすぎて記憶が全くないのよ・・・。」と言ったら、しゅんしゅんは「ん?2日前?僕も!!なんだか僕たち何やってんだろね〜!」と笑い飛ばしてくれて、「でもママの毎日なんだか楽しそうだね。」って言ってくれてちょっと浮上。

今となっては「いい経験♪」と少しずつ、ホントに少しずつではあるが、思うことが出来始めている気がする。

そして記憶のない間になかなかいい写真を撮っている自分も笑える。
桜と東京タワーの写真は毎年必ず撮っているけど、今年のはいつ撮ったのか覚えていない割にはなかなか綺麗に撮れているんじゃないかと思っている。

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