地獄のどこが悪い in Shanghai①準備編
はじめに
これは一人のヲタクが坂道を転がるようにとあるアプリゲームにハマり、突如開催されたコラボカフェに赴くため、上海行きを決行したその珍道中の記録である。
ゲームをプレイされている同志たちに追体験してもらったり、
推しが突然上海に・・・!というヲタク同志の小さな助けになれたらと思い、書き残すことにした。
ゲームについて
まずはハマっているゲームについて紹介させてもらう。
Prettybusyという会社から2023年から配信中のアプリゲームで、正式名称は『WHAT IN "HELL" IS BAD? -地獄のどこが悪い?-』という。
リンクは貼ったがサイトは勇んで開かないでほしい。
突然どアップの尻が飛び出してくるからだ。
ちなみに彼の名前はレヴィアタン。
そう・・・お相手は悪魔なのだ。
内容はお察しの通りエッチなゲームなのだが、美形揃いの悪魔たちとの濃密な触れ合いはもちろん、プレイヤーは”神が消え、残された天使と悪魔による終わりのない戦いに終止符を打つため地獄に身を投じた人間、ソロモンの末裔”としてストーリーを進めていくことになり、これがなかなかどうして味わい深い。ちなみに天使とも触れ合えるので、天使派の人にも安心してほしい。
コラボカフェは突然に・・・
Prettybusyは韓国のゲーム会社だが、少数精鋭のためか、その名の通りいつもはちゃめちゃ忙しそうにしている。
そのため、告知などが後手後手に回っていて、今回のコラボカフェの発表がツイートされたのは、2024/5/14のことだった。
https://x.com/What_in_hell_P/status/1790194528093360139
日本のユーザーたちはアニメイトカフェの文字を読んで大いに喜んだ。
地獄のどこが悪い?は2023年10月にリリースされたゲームで、グッズは正式リリース記念の限定ボックスが発売されたのみ。
実質的にこれが初めてのグッズ販売となるのだから期待もひとしおだった。
そして、皆がはたと気がついた。
in Shanghaiの文字に───
突然の燃料投下に加え、まさかの海外開催だったため、ツイッターランドが騒然となったのは言うまでもない。
たった一枚の画像では、詳細は何もわからない。
水着が汗をかいている絵文字だけが添えられていた。ふざけてんのか!?
日本でやってよ!
なぜ運営元の韓国やヲタクの震源地・日本でやらないのか。
通販はあるのか、ないのか。
もう一度言うが何もわからない。
しかし、愚痴を言っていても始まらない。
ポジティブに考えると、アニメイトがある海外の国を調べてみるとアメリカなどもあり、それと比べたら上海はずっと近いのだ!
ここで、浮かれポンチヲタクだったときの私をご覧いただこう。
旅行が好きだし、上海にはまだ行ったことがなかったので、さっそく航空券を調べてみるなどウキウキしていた。
気になるのは旅費と日程だが、上海へはLCCを使えばかなり安い。
それに羽田から数時間と、国内旅行とほぼ変わらなかった。
コラボ期間中には三連休もあるし、そこに有給をあわせれば問題なさそうだ。いけるやん!
続いて、旅行代理店のツアー価格をチェックする。
上海行きツアーを催行しているのは二社しかヒットしなかったが、どちらも往復日本の航空会社利用で、リッツカールトンなどの五つ星ホテルに宿泊、食事は3食ついていて、土日含めて10万以下とかなり魅力的な価格だった。
もちろんこの値段設定の裏には、団体旅行特有の土産店立ち寄りという交換条件が設定されているのだが、真珠やシルク製品の売店など割とおもしろそうな内容であったし、そもそもヲタクは店員のターゲットにされにくいので休憩時間と考えればいい。
しかし、今回のお目当てはコラボカフェであるから、自由時間がなくては困る。
早速H社に来店し、フワッと書いてある旅程の詳細について尋ねることにした。
今は旅行代理店にも来店予約が必要でちょっと敷居が高い。
その予約もパンパンのようで、コロナで観光客が激減していたことを思うとなんだか感慨深いものがあった。
結局支店では分からず仕舞いだったが、本社に確認してもらったところ、観光予定はみっちり詰められていて、早くても夜の19時過ぎにホテルに帰ってくる日がほとんどだった。
アニメイトカフェは22時までやっているようだったが、滞在時間が少なすぎても困る。
仕方なく観光ツアーは諦めて、上海ディズニーランド目的のフリーツアーを見てみると、意外にもこれが魅力的だった。
土産店立ち寄りがない分、食事はなし、ホテルのグレードも下がるが、日本の三連休に行く2泊3日が10万程で、1万を超える上海ディズニーランドのチケットが付いている。市内のホテルに泊まり、中日がディズニーで遊ぶ日程なので、他はすべて自由時間となる。
これだ!行けるぞ、上海!!
空きは十分ありそうだったが、海外旅行なので申し込み締め切りがあっては困ると、念の為支店の担当者に確認すると、ツアーが埋まらなければいつでも申し込めるとのことだった。
足を考えたところで、次に同行者を募ることにした。
コラボカフェの同行者を募集するのはヲタクあるあるだが、今回は難易度が高すぎる。
かといってシングルライダーで大陸に飛び込むのも無理すぎた。
ここでさっきの旅行代理店でリサーチした経験が活きてくる。
「上海ディズニー行って、小籠包爆食いしたい人この指とーまれ☝️」
主目的はぼやしつつ家族に声をかけると、無類の旅行好きである母が食いついた。計画通り…!
同行者も決まった。
しかし、この時私はまだ知らなかったのだ。
2024年夏時点で、上海へは渡航ビザを取得しなければならないと・・・!
中国ビザ
みなさんはビザを取ったことがあるだろうか。
私はない。
香港と北京には行ったことがあるが、その時はまだビザなんて必要なかった。
試しに中国ビザ、と検索してみると、取得する際のおどろおどろしい体験談ばかりが出てくる。泣いた。
更に調べを進めていくと、上海への入国は次のいずれかの方法を選ぶ必要があると分かった。
中国ビザセンターもしくは大使館に行き、観光ビザを取得
2カ国間をまたぐフライトスケジュールを組み、トランジットビザを利用
旅行代理店や代行業者を使って代理で観光ビザを取得してもらう
もう一度旅行会社のHPを確認すると、小さくビザが必要ですと書いてある。
もっとTOPにデカデカと載せんかい!
これ申し込んだ後にビザで大揉めになるケースとかあると思うんだけど、大丈夫なんだろうか。
旅行代理店のツアーに申し込んだところ、上海への航空券は渡航日ギリギリまで手元にこなかったので、航空券の控えを提出しなければならない①の手法が使えず、②もツアーなので無理で、結局③の高額な代行費を旅行代理店に払うしかなかったという体験談もあった。
うーん、闇を感じる。
逆に直前の告知で急遽上海行きを決めなければならないヲタクの場合、中国の代理店に特急仕上げで頼んで、金で解決してもらうという強硬手段も使えるみたいだ。
さて、中国ビザの取得が何が大変か。
まず、居住地によって対応が異なるが、都民の場合はお台場にあるビザセンターに赴かなければならない。
場所によっては県を跨いで提出しなければならないので、代行を頼むか、国内旅行をするか、かなりの労力が求められる。
おまけに、私の管轄のビザセンターは平日のみの18時とかまでしかやっていなかった。申請するのに1日、受領に1日必要なので、2日も中抜けするか休暇を取得しなければならない。これは社会人にとってかなりハードルが高い。
そして2つ目に、かなりの個人情報を明け渡さなければならない。勤務先の情報や家族構成など、二の足を踏んでしまうような内容の入力を求められるので、これも心理的ハードルが高い。
3つ目は、申請書類の作成が大変だということ。
特に添付する顔写真の規定が細かく、跳ねられまくるので高い金額を払い写真館で撮ってもらう人も多かった。
では、トランジットビザを利用してはどうかと、こちらも調べてみたが、要は中国側もビザの問題で観光客が激減していて、苦肉の策として「観光客だね。トランジットで入国したとみなすよ~アハハ」と2泊3日などのかなりの長期滞在でもトランジットとして認めてくれるらしい。
そのため日本⇔中国間の移動では適用されず、日本⇔韓国⇔中国などの経由地が必要になってくる。
これはLCC利用者にはかなりのメリットではないだろうか。
深夜便を利用してアジア内でホッピングすれば、航空券代をかなり安く抑えることが出来そうだ。
しかし、先に同行者に「JALで行く!夢の摩天楼ツアー!!」などと吹聴してしまっていた為、今更LCCの乗り継ぎに変更になったとは言い出せなかった。
中国ビザの詳細については改めて書こうと思うが、このビザ問題で渡航を迷っていたらツアーが埋まってしまった。
昨日まで空きが◎だったツアーがたった一日で満席になることなんてあるのか……?
しかもこの修業感すら漂うビザ取得を決心したやつがそんなにたくさん?
催行中止なのか確認の電話もしてみたが、あくまで満席になったとの回答だった。うーん。
不信感が残るが、結論から言えば、観光を含めると2泊3日では全然足りなかったので、ツアーを利用しなくてよかった。
どうする上海
旅行代理店経由を諦めたことで時間的に余裕が出来たので、もう一度本当に上海に行きたいか考えてみた。
アニメイトとのコラボなのだから、いつか日本でもやるかもしれない。
それを待てばいいじゃないか。
そんな考えが浮かんだ私を嘲笑うかのように、5月の終わりに公式ちゃんが燃料を投下してきた。
何ー!?
なんだこれは…!
私は一つのことにハマるとそれ以外見えなくなってしまうタイプのヲタクなので、よその界隈については詳しくないが、このゲーム、ゲーム内容のみならずグッズもちょっと斜め上のアイデアで攻めてくる。
「もう一つのビッグアクリルスタンドが水着姿だったので、パンツじゃちょっとかぶっちゃいますね?」
「だったらマグネットで服を着せられるようにすればいいんじゃない!?」
「えー、天才!」
こんな会話があったかどうかは分からないが、私はこのマグネットパンイチスタンドと真夏のラファエルがどうしても欲しくなった。
他の誰でもなく自分の手で掴みにいく・・・!
ここに運命が定まった。
もちろん他にも理由がある。
・23年末から激務続きであぶく残業代があった。
・コラボ期間中はちょうどサタンの誕生日&自分の誕生月
・幕末ヲタクなので高杉晋作が心震わせた上海を見てみたかった
・上海ディズニーランドのピンクの上海生まれの子が可愛い
・いつアプリがサービス終了になってもおかしくない
もうこうなってくると勢いだ。
ただ個人手配は不安も大きかったし、ただの観光旅行と信じ切っている母が同行者のため格安パッケージを組むことは断念し、安全安心のANA+ホテルオークラという日本コンビの旅行プランを練り直した。
一つ一つ自分で手配しなければならなかったし、同時並行でビザの取得もあったため、6月中はなかなかシンドかったがいい経験になった。
次回、いざ上海───
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