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決意
先週の話。
師事しているピアノの先生に『ご相談があります』と切り出した。
『コンクールに出ようと思っています』
とっさに先生から出た言葉は『○○ちゃん(←娘の名前)ですか?』
娘も先生のところで習っていて、いつかコンクールなんかもいいですね、と前に話していたからそっちのほうが自然な流れだったのだと思う。
『いえ、出るのは私です』
『ええーーー??』
先生には出ようと思ってるコンクールの名前を伝えて、『やるからには厳しいことも言うかもしれないけど、いいですか?』と念押しされて、承諾をもらった。
曲は6月から練習しているソナタ熱情第3楽章。以前先生に少しみてもらった悲愴第3楽章のほうがいいかもしれないとも提案されたものの、悲愴だとモチベーション維持が難しそうなので、熱情で押し切った。身の丈に合ってるのは悲愴なんだろうけども。
私はこれまで、一つの曲をとことん突き詰めた経験はないように思う。子どもの頃の発表会のときも、完成度は低く、とにかくミスタッチせず弾くだけで精一杯だったから。
コンクールの予選まであと約4ヶ月。現時点で譜読みは終わり、暗譜もだいたいできている状態で、残り時間でどんどん仕上げていく。きっとここからどれだけ頑張れるかで差がつくのだろう。
先生はこれまで、趣味で弾く程度であれば指摘する必要のないことは、言わずにスルーしてたように思う。コンクールに出るとなったら私が今とても気にしていること…弾くときの指の形、脱力、身体の使い方も色々直すと言っていた。
私は何のためにピアノを弾いているのか時々わからなくなるときがあって、コンクールに出るとなるとますます迷走するような気もしている。出るからには優勝を目指しているけど、優勝したら何なのか?
指導者になるつもりは毛頭ないし、演奏を職業にする予定もない。
きっと、人に聴かせてもいいよ、という許しが欲しいのかなと思う。
去年引っ越しを機に電子ピアノを買って、ここまで情熱的にピアノに取り組むことになるとは思ってもみなかった。音をポーンと鳴らすだけなら猫でもできる。でも、人の心を動かす演奏をするにはたくさんの努力とセンスが必要な楽器。ピアノって奥深い。
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