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エリア14のはなし

*ネタバレしかない*

申し訳ないんだけど、本当に申し訳ないのだけど、物足りなかった。
今後の先行きが不安なのも、このエリア14に満足できなかったことが大きいかもしれない。

確かに、素晴らしく盛り上がったとは思う。
特に最序盤のメアレスステージの盛り上がりは異常だった。
かゆいところに手が届くというか。うまく誘導してくれて、そしてその先でうまくぶっ刺してくれて。
すごく満足のいく内容だった。ステージ1は。

いや、2も3もその後も、とても素晴らしい。
だが、どれも結局のところ焼き直しなのだ。
違う世界線(層)と対峙するというテーマなので、仕方ないといえば仕方ない。
しかし事実として予測もできるし飽きも来る。
誰が助けに来るかはわからないが、誰かしらが来て熱い展開がくることはもうほぼ確実なのだ。
過去イベの焼き直しであり、ステージ1の繰り返しでもある。
二重に飽きが来やすい状況であると思う。

出てくる敵キャラも確かにこじらせてはいるが、こじらせの内容もほとんど既出なので新鮮味も驚きもない。
そして最後(対アナスタシア戦)までミスティックさんやタモンさんが出てきて感動も衝撃もなく、しつこさを感じてしまった。
人気や制作上(CVとか)等々。仕方ないのも理解するが、グランドフィナーレにそういう裏事情を感じたくなかったし、うまくごまかしてもらいたかったというのが本音だ。

さらに「クエス=アリアス」の話なのに、異界オールスターが活躍するというのも残念に思った。

クルイサで、カムシーナで、ルディニアで見たものは全てが新しくて、毎回追い付くのに必死だった。
難しい話も多く、頭を悩ませて、がんばって理解して、それでクリア後も謎を反芻したりして楽しめた。
わたしがメインストーリーに求めていたのは、つまりそれだったのだと思う。

そしてエリア14にはそれがなかった。ほとんど。
解決編だから当然と言えば当然かもしれない。
しかし、ルディニアやアーフェン周りの謎やクエスアリアスをはじめとした世界の話、エリエリやウィズの出自の話などは明確に答えをもらえず活躍も少なく、楽しみにしていたわたしからすればがっかりだった。
特にウィズとアーフェンの因縁や、ウィズがなぜ特別なのかなど、かなり気になる要素が多かったはずなのに、その辺に触れてもらえなかったからこそ無駄に丈を使った(主観)イベント側の存在を残念に思ってしまう。

最後の最後に畳みかけるように必要な部分は説明してもらえるが、今までのステージを進めるごとに深淵に至っていくゾクゾクとした感覚がないことも物足りない。
もう少し小出しにしてくれてもよかったんじゃあないかと思う。

特にわたしはアーフェンが好きで、もっと全面的に戦えるかと期待していたところが大きかったと思う。
確かにルディニアで結構やりあった。でもその後のアビコやなんやらを経て更にアーフェンの魅力が開示された今、さらに踏み込んだ問いかけと答えを期待していたのだ。

108の異界とそれをとりまくノクトニア。
わたしはあの世界のありようをもっと知りたかった。
あの世界に住む人を知りたかったから。異界に住む人はそれぞれで知っていたから。
クエス=アリアス人が困難に対峙したとき、クエス=アリアス人の答えを観たかった。

黒猫さんは、究極的に言えばどこにも所属していない人間だろう。一応出自はそうでも、現状を見ると「クエス=アリアスで生きる人」には感じられない。イベントでの活躍も見ているし、そっちの方が多いわけだから。
そんな彼の出した答えがクエス=アリアスを総括して良いとは思えなかったのだ。

アレヴァン4の話に重なってしまうが、また超越者が超越者と戦って、そこに住む土着の人々の意志が見えてこなかった。
いやそりゃ結局は抗うのだろうけど、それでももっと主体的に絡めていってほしいと思った。

(誰かの介入があるにせよ)滅びゆく異界を勝手に救うのはエゴじゃないか。
今までの黒猫さんは、一応その異界に住む人を援けるという立ち位置だった。あくまでもサブでフォロワーだったのだ。
その要素がなく、根無し草の黒猫さんと異邦人である異界の人たちが困難を打ち破ったとして、それが今まで同様ノクトニアの意志でなくてなんなんだ。

アーフェンの問いかけ、ノクトニアの真実。
それで最終的にはノクトニアに依らない世界の共存を答えとしたのに、方法としてはノクトニアと変わらない。
それはただ単にノクトニアが代替わりしただけで、世界の構造は変わらないということではないのか。
力のある(=神託を得ている)使者が世界を救うことは、ノクトニアがしていることと同じではないのか。

(一応、層は増えなくはなるが、ノクトニアとしても層を増やすこと自体は目的ではなかったと思う)

アーフェンやアナスタシアはがっかりするだろう。
特にアナスタシアの絶望は計り知れない。
つまらないことこの上ない世界で、また特別なウィズが世界を救って、つまらないことこの上ない世界が続いていくのだから。
身体の自由が戻ったとき、元気にウィズを殺しにきてくれるのだろうか。この際、殺されるためでもいいから。

絆されてヴェルタで「仕合わせに」くらすのだろうか。アナスタシアの人生はなんだったのだろうか。
嫉妬して、努力して、壊したかった理も壊せず、嫉妬の相手に打ち破られて。
何もなしえなかった。
彼女の人生は、意志は、生きた意味はなんだったのだろうか。気の毒でならない。

アーフェンを見つけて、ヴェルタを雪の街にして。
彼女の人間らしさ(この際破綻しているのだとしても)をもっとみたかったし、もっと憎しみを謳ってほしかった。
その怨嗟を刻まずして何が平和なんだろう。
彼女は問わなかった。だから答えもなかった。
それは問いかけ、答えるという世界の構造にそぐわないではないか。

終盤、唐突に黒猫さんの影が薄くなったように感じたのも残念だった。
ウィズと共闘していたようだったが、ヴェルタのシーンでは姉妹一騎打ちだったし。

黒猫さんこそ、アーフェンの後を継いで欲しかった。問いかけるものとして。
物語の構造上どうしても黒猫さんは答えを出す側になってしまう。
でもたぶん、ノクトニアのない世界を続かせるためにはそれではだめなんだと思う。
問いかけて、答えを出すのは世界でなければ。
新しいノクトニアとして、今度は問いかけ続けるものとして。

エンディング曲では黒猫さんとウィズが離れ離れになったかのような歌詞内容だったのも疑問が残る。

前述のとおり、黒猫さんが新しいノクトニアとして概念化(まどマギにおける神まど的な存在になるなど)して、クエス=アリアス人として生きるウィズと別離するなら辻褄があうんだけどなあ!!!!(※個人の嗜好です)

とにかく、まだまだあの世界には謎が残されているし、それはとてもとてもおいしいところなはずなので、今後の展開に期待、したいところですがこれからは黒猫さんとウィズはあんまりでなくなるっていうしなーーーやだーーー

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