応援捜査での記憶
前回、逮捕状却下として暴力団対策応援捜査の話をしましたが今回はその続き。
逮捕状については一応、計算しなおし再度請求。計算違いだけなので逮捕状は出ました。
逮捕状を得て、暴力団員と周辺者である大物金貸しとを捕まえに行きます。捕まえるのはそれほど抵抗もなくスムースに行ったようです。
暴力団員の方は逮捕されたのが初めてだったようで意外と素直にお縄につきました。周辺者の方が本部の暴力団担当で別の警察署に応援に行っている刑事の名前を出し、連絡を取ってくれと執拗に懇願していたとのこと。
その後、その刑事さんから電話が入り、「わしに黙って何で〇〇を捕まえたのか」とすごい剣幕で事件を指揮する暴力団担当補佐へ噛みついてきました。
実はその金貸し、刑事さん子飼いのS(情報提供者)だったんです。それも結構、警察(暴対)側には美味しい情報をもらしていたようで相当なお怒りでした。
同じ本部暴力団担当でも横の連絡は取らようで今回の事件も情報共有していたら飛ばれていたかも知れません。田舎の反社会集団担当の捜査員でもそういうネタ元を持っているんだと感心しました。
また、そんな周辺者と利害を共有する刑事を束ねる補佐クラスの警部さん、一筋縄ではいかん仕事だと感じました。本当に俳優並みの真に迫る演技が出来て、平気でうそをつける者でなければ出来ません。
さて、本丸である暴力団員の方は経済やくざの為、任侠映画に出てくるタイプではなく、どちらかと言えば詐欺師?のような感じがしていました。
取調べにも素直に応じ、早めに事件のかたはつきました。担当刑事から今回は懲役刑にはならず、罰金刑で済むと言われ、喜びは一塩だったようです。
それに恩を着せた刑事が留置場から出る時は土産を置いていけ(けん銃等の武器提出)と言われ、その組員、こう言ったそうです。
「バズーカ砲でも機関銃でもミサイル以外なら出しまっせ」
それくらい闇の世界では武器が自由に手に入るようなんですね。これには驚きました。そんな大型武器は不要、けん銃で良いということで話が尽いたようです。事程左様にその時代の刑事と反社はズブズブな関係で自分には向いていないのがよく分かったと言う話でした。
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