青い彼岸花の生存戦略(鬼滅の刃)
青い彼岸花とは?
鬼滅の刃のラスボス鬼舞辻無惨を鬼化させた薬の主要成分
平安時代、鬼舞辻無惨は酷く体が弱く、長く生きられないと言われていました。
しかし、とある名医が処方した薬により無惨は常人をはるかに超えた力をえるなど劇的な変化を見せます。
名医はあと少しで治療が終わるところでしたが、もともと癇癪持ちであった鬼舞辻無惨により殺されてしまい、治療が終了しないまま中途半端な状態でその後の人生を過ごすことになってしまいます。
無惨は治療の効果で四肢をもがれても一瞬で再生する能力、自身の細胞を他人に感染させて鬼を生み出す力、鬼殺隊の柱ですら圧倒する力、そして人間を食べて力に変える能力を得ました。
一方で太陽の光の下では生きていけないと言う致命的な弱点も抱えてしまうことになります。
平安時代の医師の処方
青い彼岸花の成分により人知を超える再生力を得た無惨ですが、本来の治療ではおそらく、鬼喰い不死川玄弥のように「一時的に鬼化する」ことで体の悪い部分を再生させ、その後「鬼を人間に戻す」薬をつかうことで健康な人間に戻すことが目的だったようです。
鬼舞辻無惨としては「日光を克服して完全な生命体になる」ことが目的ですので、鬼を人間に戻す薬ではなく、人間を鬼にする青い彼岸花の成分を調べて日光に弱くなる弱点を消そうとしていたのですね。
青い彼岸花の生存戦略
植物には様々な成分で昆虫や小動物などの捕食者から身を守るものがいます。
彼岸花もその一種で、神経系に作用するアルカロイド系の毒素を持ちます。
英語名はspider lily、学名はLycoris radiataで2022年に流行ったアニメ、リコリス・リコイルでは死を運ぶ少女のエージェント、リコリスのモチーフにもなっていますね。
現実には白い彼岸花、赤い彼岸花などが存在しますが、青い彼岸花は存在しません。
ここで、鬼の性質から逆算して、青い彼岸花がどのように捕食者から身を守っているのかを考察します。
捕食者に共食いを強制し、自身の咲く昼間に近寄れなくする
青い彼岸花のを食べる捕食者を想定しましょう。
ある小動物が青い彼岸花を食べると、鬼化して同族を食べるようになります。
この時点で青い彼岸花としては同じ小動物が例えば致死性の毒を持った植物を接種した時より大きな利益を得ることが出来ます。
致死性の毒であれば捕食者は1体しか倒せませんが、鬼化させて同族を襲うように仕向ければ鬼化した1匹だけでなく、その同族も道連れにすることが出来ます。
また、鬼化した一匹が再生力や強力な膂力を持つように仕向ければ青い彼岸花を食べる可能性がある動物はもっと数を減らすことになるでしょう。
一つ困るとすれば鬼化した個体がより強い力を求めて青い彼岸花をさらに食べようとする可能性があることです。
しかし、ここで鬼化した個体が青い彼岸花が咲く昼に活動すれば死んでしまうように仕組んでおけばこれも心配ありません。
青い彼岸花の策略にまんまと嵌ってしまった鬼舞辻無惨
青い彼岸花として唯一想定外の脅威が出現します。それが平安時代の医師です。彼は青い彼岸花の成分を接種した個体の再生能力に目を付け、一時的な鬼化により治療を行い、そして人間に戻す方法を編み出します。この治療法では理論上、どんなケガも病気も治せてしまいます。
この治療法が広まれば日本全国で青い彼岸花が取り尽くされてしまうかもしれません。
しかし、そうはなりませんでした。
鬼舞辻無惨が青い彼岸花の思惑通りに医師を殺してしまったからです。
鬼舞辻無惨はその後、潜在的に青い彼岸花の捕食者となりえる人間を次々に手をかけていきます。
無惨は自分の意思でそれらをやっていたつもりですが、ただ単に青い彼岸花の手のひらの上で踊らされていたにすぎません。
本当は弱い青い彼岸花
これほど強力な効果を持つ毒素を作り出す青い彼岸花ですが、その最後はあっけないものでした。
嘴平伊之助の孫、嘴平青葉の不手際によりその残った個体が全て枯れてしまいます。
自然界では得てして強力な毒素を作るがゆえに、自分もその毒素にやられてしまい、成長を阻害される草花(アレロパシーで他の植物の成長を阻害するが、自身も影響を受けて枯れてしまうセイタカアワダチソウ)なども存在します。
青い彼岸花も同様に強力すぎる毒を持つがゆえに枯れやすい存在であったと予想されます。
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