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現代自己変革論(1)---気づきの重要性

「気付き」---それは、私たちが成長し、進化するための第一歩となるものである。気付きは自己認識を深めるためのカギとなる。自分の行動や思考、感情に気づくことによって自分自身の本当の姿を理解することができる。自己認識が向上すると、自分の強みや弱みを正確に把握できるようになり、自己改善の道筋を見つけやすくなる。

自身だけでなく、他者への気づきもまた重要である。他人の感情や意図に敏感になれれば、コミュニケーションの質が向上し、人間関係が円滑になる。例えば、最近友人に元気がないことに気づけば、その理由を探り、サポートすることができ仲が深まるだろう。また、そっとしておいてほしい場合でも、それに気づければ無駄な行動をせずに済む。ほかにも気づきがあることで、対立や誤解を避けて、協力的な関係を築くことにつながる。

以上のことから、気づきは問題解決能力を向上させるといえる。問題の根本原因に気づくことで、効果的な解決策を見つけることができる。問題を正確に認識し、その解決に向けて具体的なアクションを起こすための第一歩を踏み出せるのが「気付き」である。

「気付き」の重要性は疑う余地がないだろう。しかしこの重要性はおそらく、2400年ほど前にはもう説かれているのである。仏教経典にはSatipaṭṭhāna Sutta(サティパッターナ・スッタ)、Ānāpānasati Sutta(アーナーパーナサティ・スッタ)、Kāyagatāsati Sutta(カーヤガターサティ・スッタ)などがある。これらの経典についての解説はここでは行わないが、共通する語はsati(サティ)である。パーリ語の「sati」は、「気づき」や「正念」を意味する。ブッダが生まれたのは一説によると、紀元前463年であり、ブッダの教えをまとめたものの一部が先ほど挙げた経典であるから、2400年ほど前に気付き(sati)の重要性が説かれていたことになる。しかし、このsatiという言葉を、イギリスのThomas William Rhys Davids(1843-1922)はnoticeやrealizeなどではなく、Mindfulness(マインドフルネス)と訳したのであった。なぜMindfulnessという訳が選ばれたのだろうか?Mindfulnessが流行った時期の背景には何があるのだろうか?そして、現代において「気付き」はどのように私たちをどのように変えていくのだろうか?


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