南山雅樹による『アヒム•カウフマンを聴こう！』vol.1 Grünen/disenjambment

9月に来日するピアニストのアヒム・カウフマン。ヨーロッパのジャズ、即興演奏の最重要人物である。瀬尾高志b、芳垣安洋dsとトリオを結成し、関西、中部、関東とツアーをやる。東京では広瀬淳二tsがゲスト参加、高岡大祐(tuba)中村としまる(No Input Mixing Board)、南山雅樹(pf)らとのライブも予定されている。

最終日に渋谷公園通りクラシックスで2台ピアノ共演をする札幌在住のピアニスト『南山雅樹が語るアヒム•カウフマン』企画第二弾。今回からは『アヒム•カウフマンを聴こう！』ということで、おすすめの音源についてのレビューを書いて貰いました。

****************************

南山雅樹による『アヒム•カウフマンを聴こう！』vol.1

Grünen/disenjambment

Achim Kaufmann (p)
Robert Landfermann (b)
Christian Lillinger (ds)

Achim Kaufmannの代表作を1枚紹介させていただく。今回のツアーはピアノ・トリオ編成のプログラムが中心ということなので、もう10年以上に渡って活動しているGrünenというトリオの2017年のアルバムを選んだ。このトリオの音楽を説明するのは実はなかなか難しい。できればYoutubeにライヴの動画がいくつか上がっているので、それらを参照していただけるとありがたい。以前来日した際に、楽譜を見せて欲しいとお願いしたことがあった。曲によっては、本当に最小限のことしか書かれていないものや、ある程度書かれているものなどいろいろなのだが、楽譜からは、どうこの曲が発展するのかは見えてこない。各奏者は、作曲した本人も含めて全ての音に集中し、美しい瞬間を信じてひたすら没頭する。同じ曲でもここまで毎回違うのか？というくらいこのトリオはライヴの度に様々な表情を見せてくれることだろう。私のしたような、どこまでが作曲でどこからが即興なのか？などという聴き方は全くどうでもよい。音楽、とりわけジャズを聴くならば、不意に現れる大切な一瞬を聞き逃してはならないということを改めて思い知らされる素晴らしいトリオである。もう一つ付け加えたいのは、Achimさんの作品のアートワークの素晴らしさだ。ほとんどのCDやLPのジャケット制作に関わっているGabriele Guentherさんのデザインがとても魅力的なので、できるだけ多くのリスナーには配信などを聴いて終わりにせずに、実物のCDやLPを手に取って欲しいと願うところである。

南山雅樹

---

Achim Kaufmann Japan Tour 2024

Achim Kaufmann/アヒム・カウフマン (piano)
瀬尾高志 (contrabass)
芳垣安洋 (drums)

9月6日(金) [神戸] 100BANホール
https://www.100ban.jp/posts/events/
神戸市中央区江戸町100番地　神戸旧居留地　高砂ビル
open19:00 start19:30
予約¥4000 当日¥4500 U23割(23歳以下)¥2000　高校生以下無料
問:078-331-1728 (100BANホール）
hall@100ban.jp

9月7日(土) [京都] UrBANGUILD
　　guest:イガキアキコ(violin)山本精一(guitar）
https://urbanguild.net/
京都府京都市中京区材木町１８１−２　ニュー京都ビル3F
open18:30 start19:00
予約¥3500 当日¥4000 U23(23歳以下)¥2000 高校生以下無料　(要1drink order)　幼児入場不可
問:075-212-1125
info@urbanguild.net

9月8日(日) [名古屋] Jazz Inn Lovely
https://www.jazzinnlovely.com/
名古屋市東区東桜 1-10-15
open18:00  start19:30 ￥4000
問:052-951-6085

9月9日(月) [豊橋] BUZZLE BUNCH
愛知県豊橋市広小路1-18 ユメックスビル B1F
open19:00 start19:30
予約¥3500 当日¥4000 U23割(23歳以下)¥2000 高校生以下無料 (別途order)
問:0532-39-9700

9月11日(水) [稲毛] CANDY　
千葉県千葉市稲毛区稲毛東3丁目10-12
open19:00 start19:30
予約￥4000 当日￥4500  U23割(23歳以下)¥2500  (1drink付)
問:jazz_candy-lj@infoseek.jp
9月12日(木) [東京　神保町] 試聴室 guest: 広瀬淳二(tenor sax)  
東京都千代田区西神田3-8-5　ビル西神田1階
open19:30 start20:00
予約￥3500 当日￥3800+1drink(￥500) U23割￥2000　高校生以下無料

ツアースピンオフ企画

9月13日(金)
アヒム・カウフマン(piano)  瀬尾高志(contrabass）高岡大祐(tuba) 中村としまる(No Input Mixing Board)
会場：[入谷]なってるハウス
東京都台東区松が谷4-1-8 1F　
https://knuttelhouse.com/
open19:00 start19:30
予約￥2800 当日￥3000 要1d order
問:03-3847-2113 (18時から23時ごろ)
knuttelhouse@gmail.com(お名前、人数、連絡先電話番号を添えてご連絡ください。)

9月14日(土) Achim Kaufmann Japan Tour FINAL! twin piano!
アヒム・カウフマン(piano) 南山雅樹(piano) 瀬尾高志(contrabass）
会場:公園通りクラシックス [渋谷]
東京都渋谷区宇田川町１９−５ 東京山手教会 B1F
open18:30 start19:00
予約¥3500 当日¥4000 U23割(23歳以下)¥2000 高校生以下無料 (別途order)
問: 03−6310-8871
＊札幌から素晴らしいピアニスト南山雅樹さんを招いて、アヒムと二台ピアノによる共演をいたします。2016年初来日時に、アヒム南山瀬尾で札幌PORTOで行った伝説的な公演を渋谷クラシックスで再び実現します！
************************************************
Achim Kaufmann(アヒム・カウフマン）piano,compose
アヒム・カウフマンは、1980年代初頭からピアニスト、作曲家として活躍している。
即興トリオ『Kaufmann/Gratkowski/de Joode』、アムステルダムを拠点に活動するリード奏者Michael Mooreとのデュオ、ピアノ・トリオ 『grünen(Christian Lillinger[ds] Robert Landfermann[b])』は、彼の最も長く続いているプロジェクトのひとつであり、最も永続的なプロジェクトのひとつである。
詩人でありヴィジュアル・アーティストでもあるガブリエレ・グエンター（Gabriele Guenther）とは、学際的なプロジェクト『Trokaan Project』を立ち上げた。即興室内楽、詩、テキストの断片を電子音響のテクスチャーと組み合わせたものである。
また、イグナーツ・シック、ヨルゴス・ディミトリアディス、カッレ・カリマとのデュオや、フランク・グラトコウスキーとのデュオや『SKEIN(フランク・グラトコウスキー、ウィルベルト・デ・ジュード、リズ・オールビー、リチャード・バレット、内橋和久、トニー・バック)』、『Sestetto Internazionale』と『M0VE』（ともにss奏者のHarri Sjöströmハッリ・シェストレムと活動）、そしてニック・ダンストン(b)とマリア・ポルトガル(ds,per)と新たに結成したトリオで活動している。
さらに、ハン・ベニンクds、ジョージ・ルイスcl、ジム・ブラックds、ポール・ローヴェンスds、トマーシュ・スタンコtpらとも共演している、
マーク・ドレッサーb、イングリッド・ラウブロックsax、トム・レイニーds、シェリー・ハーシュvo、オッキョン・リーcello、アクセル・ドゥナーtp、ゲリーヘミングウェイds、トーマス・レーンg、スティーブ・スワローb、アル・フォスターdsなど。
2001年にはSWRジャズ賞を、2015年には著名なアルバート・マンゲルスドルフ賞を受賞。
2018年からはワイマール音楽院でピアノとアンサンブルの教授職を務めている。
音楽家。
www.achimkaufmann.com
[アヒムからのメッセージ]
I am very excited to perform in Japan again in September and grateful to Takashi Seo-san for making all this possible.
Seo-san and I had a super fun tour in 2016 (mostly duo), and I am looking forward to new musical adventures together with him and Yasuhiro Yoshigaki-san on drums, along with other musical guests.