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「失敗を語ろう。」スマートキャンプ林編

Shion Hayashi

このnoteは、マネーフォワード代表辻の「失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと」の出版に合わせた、公式スピンオフ企画です。

こんにちは、スマートキャンプ代表取締役社長の林です。
今回マネーフォワードグループ代表の辻さんが書籍出版されるということで、私達も失敗を語っていこうとこの企画がスタートしました。

私も数え切れないほど失敗をしてきていますが、古橋がスマートキャンプの事業である『BOXIL』での失敗経験をお伝えしたので、私は前職での失敗をシェアしようと思います。

失敗① 輸入野菜が全く売れず、売れたものの訴訟一歩手前になり、返品の大量在庫を飲食店に売り歩いた話

私は2社目の会社で、その会社が新規事業としてやろうとしていた野菜の輸入事業を任せてもらう事になりました。

過去にその会社で働いていた中国の方が野菜の輸出事業をゆずりうけ、日本に販路を拡大したいというタイミングでそれを手伝う形の事業だったのですが、中国で野菜を仕入れられる価格と日本の店舗販売価格に圧倒的な差があったため、「これだけ安く仕入れられるなら、価格で競争優位性をもって戦えるのでは?」と考えていました。

営業先は野菜の卸業者でコンテナ単位で売買するビジネスだったのですが、実際営業してみると、予想に反して、うちが提示する価格よりも競合が提示している価格のほうが安い事が多いという事がわかりました。また利幅が小さく頑張って値下げしたとしてもさほど価格差をつくれなかったため、実績の無い会社に任せてくれる会社は殆どなく、商談をすれどもすれども全く受注はとれませんでした。

そんな中で、ようやく1社が試しに買ってくれる事になったのですが、その案件はその後が大変でした。納品後、納品したニンニクの一部が腐っていたとクレームを受けたのです。
この商品にお金は払えない、といわれ値引き交渉が始まったのですが、サンプリングチェックではニンニクの品質に問題はなかったためこちら側も色々と主張をしていった結果、先方より訴訟をするという通告がありました。結局、そこでやり合う労力がもったいないと考え先方の要望をのむ形で20フィートコンテナの半分のニンニク(恐ろしい量です)を買い戻す事になりました。

そんな流れで大量のニンニクが手元に残ったのですが、売り先のあてはないので本当に困りました。時間がたつと品質が落ちてしまうので急いで処分する必要もあり時間との戦いでもあったのですが、諸々考えた結果、ニンニクを多く使いそうな飲食店をまわって破格の値段で売り歩くという事をして、損失資金を回収していきました。結局、損失を回収するまでには至らず赤字で終わり、それを期に撤退を決めました。

この案件自体はとても大変でしたが、売り歩きをしている時に、「いい人いるから紹介するよ」と言われ飲食店に卸をしている方を紹介していただき大量に買ってもらえたり、「大変そうだから沢山買うよ!」といって、その店では必要ないだろう量を買ってくださる方がいたり、人の温かみを感じた案件でもありました。

学んだ事:

この件は、中国で野菜がかなり安く仕入れられる事を知り価格優位性が作れると考えたものの、実際にやってみると優位性を作れない事が分かった案件でした。

一見素人目線では価格優位性を作れそうにみえても、既存プレイヤーが長年取り組んでいる領域ではかなりのコストカットがされており、価格で優位性をつくるのは容易ではありませんでした。この件から、既に成り立っている商売への安易な参入は危険という事がよくわかりました。

またこの件では、トラブルがあったおかげで世の中の物流の全体像を知ることができましたし、野菜という商品を扱った事で、時間とともに価値が落ちる商品を扱う怖さ、保管にコストがかかる怖さ、腐るなど価値がマイナスになるリスクがある商品を扱う怖さを肌で感じる事ができました。

失敗② 通訳に不正をされ大切な顧客を失いそうだった話

野菜の事業の次は、日本酒を中国に輸出して販売する事業をはじめました。日本の酒蔵さん数社と契約して商品を確保し、上海に会社を作って上海で日本酒を売るという事業です。

主に上海の日本料理店に直販していたのですが、ご縁があってつながった広州の卸会社より定期的に大量に発注が入るようになり、そこが収入の柱の1つになっていました。

この会社さんとは良い付き合いをさせていただいていて、広州にいって試飲会をやるなどして親睦も深めていたのですが、ある時、送料を不正に上乗せして請求されていると先方からクレームが入りました。

調べてみると実際不正があり、通訳が送料を上乗せして請求し、差額をリベートとして着服していた事が発覚しました。

この件は上乗せ分を返金して事なきを得ましたが、私もグルでやっているのではないかと疑いをかけられており、収拾にはとても苦労しました。諸々説明しその後も取引を続けていただける事になったのですが、信頼と大切な取引先、安定した売上を失う可能性が高かった案件で、発覚から対応、収拾まで、生きた心地がしませんでした。

学んだ事:

通訳が提示してきた送料を高いと思ったものの、上海と広州の距離からするとこんなものか、と調べもせず見過ごしていた事が大きな間違いでした。手間でもきちんと確認するべきでした。

また通訳の不正を見抜けなかったために、組織として疑われてしまったという事も学びでした。当時の私としてはあまり気にとめていなかった小さな確認不足だったのですが、それがこんな形でかえってくるというのは驚きで、問題になりうる勘所を適切にもつ事の重要性を学びました。

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※広州で試飲会を開催した時の写真

失敗③ 中国仕様の日本酒パッケージを作ろうとしたけど全く上手く行かなかった話

中国での日本酒販売事業では、できればオリジナルブランドを作って自社がブランドを握るようにしたかったのですが、そこはまったくうまくできませんでした。

中国の方に受けそうなコンセプトを考えて色々と取引先に提案したものの、私が中国の文化や価値観などを理解しきれておらず、どの提案も全く刺さりませんでした。プロモーション施策もいくつか協力してもらってやりましたが全く効果がでなかったですし、酒蔵が中国用に独自で考えてくれた商品を見てもらっても反応が悪く、結局中国用にオリジナル商品を作っていく方向はあきらめ、既存商品を地道に販売していく方向にしました。

学んだ事:

文化や価値観が異なる海外で商売をすることは簡単ではない事を痛感しました。海外で事業を大きく成功させるためには、購入者理解の観点でネイティブから大きなビハインドをおう事を理解した上で、それでも勝てる強みか戦略が必要だと感じました。また成功まで時間がかかる事が想像されるので、進出するなら何度か失敗しても大丈夫なくらいの体力を作っておく必要があると感じました。

最後に

今回私にとっても失敗をふりかえる良い機会だったのですが、思い返すと失敗している当時は本当に辛い思いをしていたなと思います。ですがそれが今となっては笑い話ですし、今にすごくいきているなと改めて感じたので、やはり失敗は恐れずガンガンするべきだと思いました。

例えば野菜の失敗なんかはスマートキャンプへの入社の意思決定にもつながっていると思います。あの失敗があったため、商品の価値低減リスクが小さく、保管コストも少ない(と思っていた)ITに強い魅力を感じるようになりました。また新規参入するなら既存領域ではなく新しく伸びていく領域でしたいと思うようになったため、SaaSの領域で展開しようとしていたスマートキャンプに魅力を感じる事になります。結果スマートキャンプでは様々なエキサイティングな経験をさせていただいてきているので、当時の失敗があってよかったと、振り返っていて感じました。

私の失敗と学びのシェアはここまでです。興味を持っていただけた方は、是非本編も読んでいただけますと幸いです!

この本に関わる印税は、コロナ禍で苦しむ子供たちを支援されている認定NPO法人フローレンス、認定NPO法人カタリバをはじめとする団体に、全額寄付させていただきます。

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Shion Hayashi
スマートキャンプの代表をしています。