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盲点に気付くという事
とあるバーのスタッフから
「お客さんを呼べなかった前半スタッフが日払いを持って帰って、お客さんを呼んだ後半スタッフが持って帰れなかった。この事にモヤッとするのは心が狭いんでしょうか?」
と言われた。
ある暇な日に、シフト前半の子がお客さんを呼べないまま早上がりして日払いを持って先に帰り、後半の子はお客さんを呼んだけどカード払いだったので最終的に現金がなくて持って帰れなかったらしい。
もちろん、日払いで持ち帰れなかった分は給料日になればまとめて受け取れるけど
「今日、日払いで持って帰るつもりだったしお客さんも呼んだのに持って帰れない」のは残念だ。
これは心の広さとかの問題ではない。
ただここで「心が狭い」とその人自身が考えているのは、モヤッとした原因を
「お客さんを呼べなかったスタッフが持って帰ったから」
だと勘違いしているためだ。
なぜなら、充分な現金売上があり全員が持って帰れていれば、モヤッとしていない可能性が高いからだ。
「お客さんが増える努力をするのは、スタッフの沢山ある仕事のうちの1つ」
これは前提としてあって。
そのうえで、一番の理想は
「3人の出勤者が1人ずつお客さんを呼んで、トータル3人のお客さんが来た!」
ではなくて、
「今日はAさんBさんはお客さん呼べなかったけど、Cさんが呼んだ1人も入れて何やかんやでトータル15人お客さんが来た!」
こういう感じだ。
1人5人呼ばなくても15人来る方が理想的ではないだろうか。
そのトータル15人のうちには、
前回の来店時にAさんと過ごした時間が楽しかったからまた来た!って人も居るかもしれないし、数日前のめちゃくちゃ暇な日にBさんが上げまくったSNSを見て来た人かもしれない。
なんなら今日出勤してないDさんに会いに来た人かもしれない。Cさんが呼んでくれた1人も もちろん含まれている。
このバーは指名制の店ではないし、お客さんも誰にドリンクを出そうが自由だから
自分が呼んだ以外のお客さんからドリンクを頂く事もある。
そういう、色んな「縁」で来てくれるお客さんをイメージしてみると
必ずしも
「今日確約を取れなかった人には持って帰る権利がない」
というわけではない事がわかる。
もし、スタッフ全員が日払いを持って帰れるだけの売上が上がっていて、それでもなお
「個人での確約が取れなかったスタッフに日払いを持ち帰る権利があるのがおかしい」
という理由でモヤッとするのであれば、その人は
「努力=稼ぎ」という考え方の人なので
お店のシステムが完全に歩合で、毎日お客さんを呼べないと給料ゼロの日もあるよ!っていう店や
時給は高いけど来店予定なければ出勤不可!今月の貴方の売上次第で来月の時給が変わります。っていうスタンスの店で働く事も出来る。
でもそうじゃないなら、取り巻く環境を変えなくても日払いで持ち帰りたい人全員が持って帰れるようにお店全体の売上が更に上がることをまず目指すのが手っ取り早い。
個人的には、シフト組んだ日はとりあえず出れて、出勤した時間分は最低でも給料日には貰えるっていう安心がある状態のメリットとして
ガッツいた接客になりにくいし、スタッフ同士での協力がしやすく
「お客さんの取り合い」みたいなメンタルが荒むトラブルは起きにくいと思う。
話が逸れたけど
仕事して稼ぐってなった時にみんな最初は
「自分が満足する稼ぎを自分の力・能力で得る」
というのが目的なので
そこが盲点となり
「全員が持って帰れてればそんな気持ちにならないよね」
という事には気付かなかったりする。
ステップが上がった(プロジェクトのリーダーを任されたり役職がついた)時に
「全員が満足する稼ぎを皆の力・それぞれの能力をうまいこと掛け合わせて得る」
という新しい目的を持てるようになれば、気付くようになるし
自分の力・能力だけでは得られなかった結果が掛け算でついてくる。足し算じゃなくて掛け算で。
そして、大事なのは「何をすればいいか・やり方」ではなく「どんな目的を持つか」だという事がわかるんだと思う。
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