一周年記念⑵ 由来
風仙華は花号から取った。
華道の世界には花号(雅号)が存在する。もちろん、花号を嫌う人々もいるが、基本的にはある。
花号は師匠から頂くもの。
上京し、はじめて市ヶ谷の龍生会館を訪れた際、仙葉と名乗ると小武山龍泉先生にこう言われた。「いい血統ですねえ」。
私の師匠は尾崎佳風先生といい、私と母の葉風は龍生派尾崎社中に入門していた。私が母のお腹にいる頃から、私を知っている師匠でもある。正式な入門以前から、ゆりかごの頃から毎週、上京するまでの十八年を育てて下さった先生だ。三人目の祖母のような感覚でいる。そして尾崎先生が引退され、尾崎社中を解散するにあたり、引き継ぐかたちで菊池社中が発足した。
話が逸れたが、尾崎佳風先生が「仙葉」の花号を付けて下さった。仙葉の〈仙〉は尾崎先生の師匠にあたる、私からすれば大師匠の、熊澤仙華先生の〈仙〉の字だ。尾崎社中の門弟は慣例で〈風〉の字を頂くことになっている。母の葉風しかり。ちなみに仙葉の葉は葉風の葉だ。
熊澤仙華先生は、一九五八年に、中川幸夫、半田唄子、早坂暁らと「集団オブジェ」を発足した人物で、先述の小武山龍泉先生や尾崎佳風先生の師匠にあたる。
小武山龍泉先生が「いい血統ですね」と言ったのは、こうした理由からだ。
風仙華の社名は、尾崎佳風先生と母の菊池葉風の「風」、熊澤仙華先生と菊池仙葉の「仙」、そして熊澤仙華先生の「華」と、四人の花号から名を取っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?