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「ASMRしてみたいけど何を買ったらいいかわからない!」そんな方のために。


サラーム!
バーチャル語り手、千夜イチヤです。

私は2020年4月にデビューしたVtuberです。
ストレス社会で生きているみなさんが、明日元気が出るような笑いと癒しをお届けする活動をしています。

その一環でYouTubeでも大人気の「ASMR」配信も不定期にしています。

ダミーヘッドマイクを自作したりだとか、マイク自体を自作したりだとか、素人ながら初めての体験にワクワクしつつ、そのワクワクと一緒に癒しをお届けしている次第です。


また、ASMRというジャンルは人気である一方人を選ぶところもあると思っております。
そのため、カジュアルに楽しめる入り口があればいいのにという思いもあり、「リスナーを挟んでゲストと両耳から囁いて添い寝する配信」も行ってきました。
まるで修学旅行の夜のような落ち着くようなちょっと笑ってしまうような、そんな気持ちで聞ける配信を目指しています。

こちらの配信は、ゲストと同じ場所にいなくてもオンラインで両耳から囁かれているように聞こえるよう配信をしております。
その方法については以前別のnoteでも記載いたしました。


こういった活動をしていることから「ASMR配信がしたいけど何を買ったらいいかわからない」という相談を受けることがちょこちょこありました。

確かに、調べてみても欲しい情報がまとまっていなかったり古かったり、「そもそもどう調べたらいいかもわからない」ということもあるのだろうと思い当たりました。
何故かというと、私も配信をする前までは「ASMR動画にはお世話になってるけど実際にやるんだったら何が必要なのか?」がわからず、マイクなど音響機材や配信環境の知識もないまま手探りでやり始めたからです。

この記事は、同じようにわからないけどチャレンジしてみたいと思う方の導入部分が少し楽になればいいなという気持ちで書き始めています。そのため、既に色々とご存じの方からしたら当たり前の説明が続きます。
私自身まだまだ道半ばの探求者のため、専門的なことになるとわからないことが多いです。その点はどうかご容赦いただけますと幸いです。

決して沼に誘おうとしているわけじゃありません。沼っていうのは気が付いたらハマっているものです。ようこそ。



間違われやすいことの整理


ASMR配信の準備をするにあたり、何となく覚えていること、ごっちゃになってしまっていることを少し整理します。
この整理がついていると、ご自身で色々調べるときに楽になるかと思います。

「ASMR」?「バイノーラル」?


なんとなく耳にしているこれらの単語ですが、ごっちゃになりがちなのでj軽く整理します。

「ASMR」とは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略です。
「人間が見たり聞いたりすることで受ける刺激によりゾワゾワと心地よく感じる反応」という意味です。
つまり「ASMR動画・配信」とは「動画や配信を見たり聞いたりすることで心地よくなれるコンテンツ」ということです。

対して「バイノーラル」とは「バイノーラル録音」という収録方法を指します。

モノラル、ステレオという単語にも耳馴染みがあるかと思います。
モノラル録音というのが「1つのマイクで収録された音」を指し、ステレオ録音は「複数のマイクで収録された立体的な音」になります。

バイノーラル録音は「ステレオ録音」の1つで、言葉自体に「両耳の」という意味があります。その言葉通り、これは人間の耳や頭部を模した模型に埋め込んだマイクなどを使用して、実際に耳で聞いたような音を立体的に再現して聞けるような録音方法のことを指します。

つまり、「ASMR」というコンテンツを作る際のイメージとして「よくあるダミーヘッドマイクや耳型のマイクでバイノーラル録音しなくてはいけない」というものがありますが、実際には「見て聞いて気持ちいいと思えるコンテンツが"ASMR"であり、それを作る方法の1つが"バイノーラル録音"である」ということです。
必ずしもASMRをやるのにダミーヘッドマイク、耳型のマイクを使わなくてはいけないということではないということと、言葉の違いがごっちゃになりがちだったため、整理いたしました。

以下の記事で更に深く、そして非常にわかりやすく説明されているので、興味がある方は是非読んでみてください。


実は色々ある「ASMR」の世界


「ASMRやってみたいなぁ」と思うきっかけになるのは先人たちのコンテンツを見たというものが多いと思われます。

先ほど言ったダミーヘッドマイクを使用した動画・配信もあれば、コンデンサーマイクを2本離して立てて空気感をとらえているもの、もしくはマイク1本だけで録音されているものもあります。

こちらの動画を飛ばし飛ばしで見てみると、本当に多くの収録方法があることがわかります。

先述した通り、「見て聞いて心地いい音」というのがASMRのため、必ずしもステレオでの収録やバイノーラルの収録でなくても良いのです。
なので、必要なことは「自分がどんなASMRがしたいのか」のイメージを持つことです。

  • 耳かきの音が出してみたい

  • 耳の模型を触った音を出してみたい

  • 咀嚼系ASMRがしてみたい

  • 色々な物音を高音質で収録してみたい

  • その場にいるような臨場感がある環境音を収録してみたい

などなど…。
それによって揃える機材が変わってきます。この人みたいな動画、配信がしたい!という人がイメージにあると必要な機材がわかりやすいかと思います。


ASMRに必要な機材


とはいえ、必要な機材の共通項はあります。

1.マイク
こちらはコンデンサーマイクであることがほぼ必須になります。
そのため、使用するには電源供給をしてくれる機材が必要のケースが多いです。
この後紹介するオーディオインタフェースやアンプで供給する場合や、USBマイクであれば単体でも問題ないこともあります。

2.オーディオインターフェース機能
選ぶマイクによってはオーディオインターフェースが必要になります。USBマイクでなければほぼ必須です。
ASMRではマイクを接続するチャンネルが2つ以上あることが必要になってくることが多く、マイクによって必要な入力条件を満たしているオーディオインターフェスを選択する必要があります。
オーディオインターフェース機能を持ったレコーダーやアナログミキサーを使用するという方法もあります。

「オーディオインターフェースってなんぞ?」という方は、以下の記事でわかりやすく解説されていますので是非読んでみてください。

めちゃくちゃ簡単に言うと「アナログの音をデジタルで読み取れるように音を大きくしてデジタルに変換する機械」のことです。
マイクの音をPCやスマホに入れるにはオーディオインターフェースが必須になります。USBマイクが直接PCに挿して使えるのはこの機能がUSBに備わっているからです。

これだけ書いていると何やら難しくなってしまいがちですが「このマイクを使うならこの機材を一緒に」とすぐに始められるセットでご紹介できればと思っています。
実際の音はどんなかはYouTubeで機材名で検索して聞いてみてください。

今回ここでは映像を収録するカメラについては触れません。私自身がほとんど使ったことがないためです、ご了承ください。
最後の参考情報に、映像に関する参考情報も記載しておきます。



【1】とりあえずやりたい人向け(1万~2万)


こまけぇことはいいからとりあえず安めにさっとできるようになれたらいい人向け。

USBマイクでお手軽ASMR


パソコンやスマホにUSBで接続するだけでお手軽にASMRができる製品です。

Blue Yeti (¥18,000程度)

このマイク以外何もいりません。PCにUSBで接続したこのマイクの「ステレオ・モード」を使用すれば音の左右がそのままに収録できます。

iPhoneやAndroidに音を入れたいという方の場合、USBを変換してマイク入力できる機材を別途挟む必要があります。※下の例はiPhoneの場合です。

▼Point

  • 左右に音が分かれていると感じることができる収録ができる

  • 耳かきなど耳の中で音を感じる要素には不向き

  • 左右からの囁きなど耳の外で鳴る音を録るのに向いている

  • 通常の動画収録、配信でも使用できる


レコーダーを使ったお手軽ASMR


マイクではなくレコーダーを使用する場合に必要な機材を紹介します。
配信にも勿論使用可能ですが、どちらかというと動画を作る方向けな機材だと思います。

①TASCAM DR-05X (¥12,000程度)

このレコーダー単体で収録は勿論ですが、オーディオインターフェース機能が備わっているためUSBでPCやスマホと接続することで配信にも使用することができます。

②TASCAM DR-07X (¥16,000程度)

①の上位機種になります。
大きな違いは「マイク部分が可動」という点です。左右に伸びているマイクを中央に折りたたむことができます。

DR-07X 折りたたまれた状態

▼Point

  • 左右に分かれた音が収録できる

  • DR-07Xであればマイクの位置を変えることで
    真ん中寄りの音が収録できる

  • 耳の模型や耳穴を模したアイテムなどをマイクに付けることで
    耳かきの音などを録ることも可能

  • 通常の配信にはあまり向いていないが持ち運びが楽


③Zoom H1n (¥11,000程度)

①とほぼ同じ機能を持っていますがマイクの位置が真ん中寄りの製品です。
疑似耳や疑似耳穴などのアイテムを取り付けたい人には不向きです。
一見ASMRに向いてないように思いますが、後述する「オーディオインターフェースとして使用する候補」として非常に優秀な機材です。

▼Point

  • 音は真ん中寄りだが左右に分かれた音が録れる

  • マイクの位置が動かせないかつ耳型アイテムが取り付けにくい

  • 綿棒などでマイクを直接擦ると耳の中の方で音が鳴る
    一番耳かきっぽい感じにはなる

  • とりあえずお手軽に手に入るオーディオインターフェースとして優秀

  • 持ち運びが楽


お手軽に耳型マイクを試してみたい


残念ながらこの価格帯の耳型マイクはないのですが、「耳型マイクっぽくできる方法」ならあるのでご紹介します。

①ROLAND CS-10EM (¥10,000程度)

見た目はまるでイヤフォンですが、こちらはそれぞれイヤホンのトップがマイクになっています。
これを自分の耳、または耳の模型につけてあげて収録することで先述した「バイノーラル録音」が可能になるという寸法です。
咀嚼系のASMRを撮影している方はこういったイヤホン型のマイクを耳にはめている方もいます。

この耳模型とても優秀なのですが、耳と耳の間にスペースがあるため実際の頭とは違った音の反射をしてしまい、思ったような音が録れないってことがあります。
布などをぐるぐる巻いたトイレットペーパーの芯などを間に挟んでおくと、ぽい音が録れる、気がします。(個人の感想)

ただし、このマイクは先述した「USBマイク」や「レコーダー」と違って、単体で使用することができません。
PCやスマホとの接続には「オーディオインターフェース」が必要になります。
必要なオーディオインターフェースについては後述の「※初めてオーディオインターフェースを買う方へ」をご確認ください。

▼Point

  • 自分の耳や耳型模型と組み合わせるとバイノーラル録音ができる
    耳型模型じゃなくてもティッシュの箱とかの両側に付ければそれっぽくなる

  • 自分の耳にはめると咀嚼系ASMRがやりやすい
    一方で囁きかけるといったシチュエーションができなくなるので注意

  • オーディオインターフェースが必須
    所持してない場合は計2万くらいはかかる


②Mu6 Lifelike2 (¥14,000程度)

「PCは持ってないのでスマホで収録、配信がしたい」という方にはこちらがおすすめです。先ほど紹介した耳型模型と組み合わせても使用できます。
PCに音を取り込むには別途機材が必要なのですが現在(2021.12.19)売り切れのようなので、スマホ専用と割り切って買ったほうが良いかと思います。
PCで同じようにしたい場合は①の方がおすすめです。

▼Point

  • スマホアプリで収録、配信したい方向け

  • iPhone、Android共に対応しているらしいが必ず対応機種や対応アプリを購入前に確認すること
    ※対応アプリについては会社へ問い合わせをする必要がある

対応機種(Amazon購入ページより引用)



※初めてオーディオインターフェースを買う方へ


「オーディオインターフェースなんて初めて買う」という方向けに、何を買えばいいのかをご紹介
します。
あくまで初めての方向けなので、別途オーディオインターフェースが必要になる「ROLAND CS-10EM」を使用する前提でご紹介します。

また、既に動画や配信を作る上でオーディオインターフェースを所持しているという方もいるかと思いますが、ASMRの用途で使うにはどんな機能を満たしていればいいのかも後半に記載していきます。


初めてのお手軽オーディオインターフェース


※「ROLAND CS-10EM」を使用する前提です
ASMR用に安くお手軽に手に入れる方法としては、先述した「Zoom H1n」を購入するのが安牌だと思ってます。

こちらはオーディオインターフェース機能をもったレコーダーになりますので、これをCS-10EMとPC・スマホの間に挟んで使用するとバイノーラル収録が可能になります。

使用方法については以下の動画が大変親切だと感じましたのでご紹介いたします。
上位機種であるH5やH6での解説ですが、H1nでも同じようにすれば問題なく使用可能です。

ただし、こちらは「ASMRをとりあえずやってみたい、それ以外やる予定がない」という方向けになります。


もし「雑談とかゲーム実況とか普通の配信もいつかやりたいんだよね」という場合には「Zoom H1n」よりもオススメのオーディオインターフェースはこちらです。

YAMAHA AG03 (¥15,000程度) ※mk2でも同様

配信機材としても定番オススメとしてよく出されるのでご存じの方も多いかと思います。
が、こちら単体では「ROLAND CS-10EM」とは接続できません。
以下機材を合わせて購入する必要があります。

audio technica AT-MA2 (¥6,000程度)

「ROLAND CS-10EM」の端子は、よくイヤホンなどを挿すときに使う端子と同じものです。
こちらの端子は「ステレオミニピン端子」と呼ばれるもので、左右の音(ステレオ音声)を入出力できるものです。

先ほどの「H1n」や前述した「DR-05X」「DR-07X」にはこのステレオミニピン端子を挿す箇所があり、ステレオ音声でPCに音声を送ることができるのです。
しかし、AG03にはステレオミニピン端子を入力できる端子がありません。
そのため、左と右で音声を分けて(モノラル)それぞれ入力できるようにしてあげる必要があります。

そのために必要なのがこちらの「AT-MA2」なのです。
上記の記事は大変わかりやすく接続例を書いてくださっています。おすすめです。

「機材が2つも必要なんてとても面倒だ」と思う方もいるかもしれませんが、「普段配信をしていてAG03は既に持っている」とか「これから普通の配信もやりたいからオーディオインターフェースが必要だった」という方は、レコーダーを新たに買うよりはAG03の使用・購入をオススメします。

予算的にもっといいのが欲しい!という方は、後述するオーディオインターフェースもおすすめですが。

結局のところ
「目的や使用するマイクに合わせてオーディオインターフェースを買うか」「所持しているオーディオインターフェースに合わせてマイクを買うか」
のどちらかで考えていくといいかと思います。

例えば「外に持ち運んでASMR収録をしたい」という人はレコーダーを買った方がいいです。目的に応じて検討してください。


結局ASMRで必要なオーディオインターフェースは?


ここまでは【1】の内容でどれか購入を検討している方用にご紹介してきました。
ですが、既にオーディオインターフェースを所持していたり、【2】以降を購入するにあたって新調したい方もいるかと思います。

そこでここでは、どのようなオーディオインターフェースであればよいのか、というパターンを4つ(A~D)紹介します。
今後ご紹介するマイクに使えるオーディオインターフェースのタイプはこのA~Dで表記していきます。

【A】オーディオインターフェース機能つきレコーダー

前述した「DR-05X」「DR-07X」「H1n」のようなレコーダーです。
ステレオミニピン端子が入力できますが、上位版になるとそれに加えてXLR接続が使えるようになります。
ASMR以外の使用用途だとレコーダーなのでラジオとかの収録には向いてますが、通常のゲーム実況配信などには不向きです。(操作の利便性的に)

また、マイクの値段が上がっていくほどステレオミニピン端子ではなく、XLR端子で接続する必要が出てきます。【2】以降はそういうマイクばかりです。
そのため、今後マイクのアップデートを検討している人は後述する「DR-40X」「H6」や、Cのオーディオインターフェースを購入した方が良いと思います。

【B】AT-MA2 + ライン入力(ステレオ)があるオーディオインターフェース

モノラル標準(赤・白)

先ほど紹介したAG03の例では上記の端子を挿していました。この端子を挿せるところを「ライン入力」と呼びます。

ライン入力にもモノラルとステレオがあり、ステレオで入力できる機能を備えているオーディオインターフェースであれば、AT-MA2で分けた音声をステレオで入力することができます。

ただし、AG03・06シリーズは「コンデンサーマイクの2本挿し」ができません。
コンデンサーマイクと呼ばれるマイクを使用するにはファンタム電源と呼ばれる電力が必要
になるのですが、それを搭載している入力がAG03・06には1つしかないためです。
ASMRマイクで使用しているマイクは基本コンデンサーマイクで、左右で1つずつ使用しているため合計2つの入力が必要になるのです。
※ステレオミニピン端子を使用しているマイクのほとんどは「乾電池」で駆動します。その電池がファンタム電源の代わりになっています。

そのため、今後ASMR用にマイクをアップデートしXLR接続が必要なマイクを使うとなったときには、Cのオーディオインターフェースを検討したほうが良いと思います。

そんなに高いのは買えない!という人は以下のようなミキサーも使えます。
操作を覚えるのに最初ちょっとハードルがありますが、コンデンサーマイクが2本挿せて、かつライン入力もあるお手頃価格です。

これがありながらなんでAG03を推しているかというと、音量フェーダーの有無とエフェクト(リバーブ)をかけられるというところが大きいからです。
ゲーム実況や雑談、歌配信がしたいという方はAG03の方が良いと思います。配信界隈のレジェンド、便利すぎる。

【C】ファンタム電源を搭載したマイク入力が2つ以上あるオーディオインターフェース

ファンタム電源を搭載したマイク入力が2つ以上あるオーディオインターフェースであれば、【2】以降で紹介するXLR接続が必要なタイプのマイクも使用することができます。

例えば、

  • 歌ってみたも録ってみたい

  • 普段の配信ももっと高音質にしたい

  • 実はDTMにも興味がある

という方はオーディオインターフェースを購入した方が絶対に良いです。

大体1~3万ぐらいの予算感でおすすめなのは、

5万くらいまでは出せるかな…という方は、

ここら辺が思い浮かびますが、これ以上はもう好みと沼になる上にもっと良い記事が出回っていると思うのでそちらを参考にしてください。


【D】マイクプリアンプとAD/DAコンバーター

これは沼向けの内容です。
最初にオーディオインターフェースについて「アナログの音をデジタルで読み取れるように音を大きくしてデジタルに変換する機械」と説明したかと思います。
オーディオインターフェースを用いずに、この「アナログの音をデジタルで読み取れるように音を大きくする」と「デジタルに変換する」という2つの機能をそれぞれ専門で行う機材を組み合わせて使うことで、餅は餅屋というより高音質が目指せます。富豪の遊びです。
【3】レベルの機材を使いたいと思う人がハマっていくところなので、説明を割愛します。好きなマイクプリにADI-2 Pro FSとかSymphony I/O MKIIとかAmariあたり組み合わせたら最強なんだろうなって思うことある。



【2】機材をそろえたい人向け(2万~10万)


YouTubeや配信アプリなどでしっかりとした環境で収録、配信したいという方向けです。
そこそこお値段がかかりますので慎重になるところだと思います。参考になりましたら幸いです。

何でもできる万能レコーダー


「レコーダーを使ったお手軽ASMR」でも取り扱ったレコーダーよりも更に高機能で高性能なレコーダーを紹介します。

①TASCAM DR-40X (¥23,000程度)

前述した「DR-05X」「DR-07X」の更に上位版になります。
これの良いところは、DR-07Xよりも値段が7000円程度しか変わらないのに「XLR/TRS接続」できる入力が2つあるというところです。

これ自体のマイクでもASMRが可能なだけでなく、後述する「耳型マイクを使いたい」や「コンデンサーマイク2本を使用した空間ASMR」をしたいと思ったときに、別途オーディオインターフェースを買わなくても収録、配信ができてしまうのです。

勿論「より音質を良くしたい」「通常の配信などでも使いたい」ということであれば別途オーディオインターフェースを購入した方が良いです!
が、ことASMRにおいてはこれさえ買っておけば割と何でもできてしまうな…という印象です。

▼Point

  • 前述したレコーダーの上位版

  • 「とりあえずASMRならこれを持っておけば安心」というアイテム

  • 他のマイクを使用することになってもオーディオインターフェースとして使用できる

  • 耳かきなどしたい場合は疑似耳や疑似耳穴をつけるカスタマイズも可能

②Zoom H6 (¥36,000程度)

①よりもさらに多機能になったレコーダーです。
これのすごいところは「マイク部分を交換できる」というところです。別売りのマイクと交換することで、収録したい内容に合わせることができます。
外での収録などにももってこいです。

▼Point

  • 正直ASMRのためだけならオーバースペック気味

  • マイクを切り替えることで環境音の収録や配信、ラジオ収録などにも使用できる万能レコーダー

  • 耳かきとか囁きとかそういう用途にも勿論使える

  • 勿論オーディオインターフェースにもできるしマイクも4本挿せる

  • ここまでスペックいらないという人はH5という製品をチェック


耳型マイクを使いたい


ASMRといえば耳を模したマイクを使った収録、配信を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そんな耳型マイクたちをご紹介します。

①3Dio Free Space (¥63,800)

ASMRに興味がある方なら必ずと言っていいほど見たことがあるマイクだと思います。
こちらの「Free Space」には上記のステレオミニピン端子と、以下のXLR接続するタイプがあり、それぞれ値段や接続する機材の違いがあるのでご注意ください。

3Dio Free Space XLR (¥96,800)

https://mimimic.com/microphones/fs-xlr

①の方は先述した【A】「H1n」や「DR-40X」などステレオミニピン端子が接続できるオーディオインターフェース機能搭載のレコーダーを使用するか、【B】AT-MA2とAG03(もしくはライン入力があるオーディオインターフェース)を併用する方法があります。
こちらは3Dio公式が出しているH1nとの接続方法です。(英語注意)

②は①と同じやり方に加えて「XLR接続」が可能になるため、【A】「DR-40X」や「H6」のようなXLR接続ができるレコーダー、【C】ファンタム電源を搭載したマイク入力が2つあるオーディオインターフェースを使用することもできます。

XLR接続の方が使用できる機材(オーディオインターフェースなど)が拡張できるので、今後のアップデートも検討している場合は②を買っても良いと思いますが、この後紹介する③の方が低価格で購入できてコスパが良いと個人的には感じます。

▼Point

  • ASMRと言えばコレ!というくらいの定番マイク

  • マイクに布がかぶせてあるのでそのまま耳かきなどのASMRがやりやすい

  • マイクスタンド必須、別途購入しておく必要がある

  • ①と②で値段と使用できる機材が異なるので要注意

  • 上記正規店ではなくAmazonからも購入できますが、サポートがつかないため注意

③HEADREC BINAL2 (¥85,000程度)

②よりも低価格で購入できる耳型のマイクです。
②に使われているマイクよりも後発のマイクカプセルを使用しているので、個人的にはこちらの方が音が良いなと感じます。(個人差はあると思います)
以下が比較されてる方の動画です。参考までに。

ただしこちらはステレオミニピン端子ではないため、【A】XLR接続ができる「DR-40X」や「H6」、もしくは【C】ファンタム電源を搭載したマイク入力が2つあるオーディオインターフェースが必要になります。

▼Point

  • 3Dioより安い価格で手に入るXLR接続の高音質マイク

  • ステレオミニピン端子ではないためオーディオインターフェースが対応しているか注意

④DuoPop 2.0 (¥43,000程度)

①よりも更に低価格で買える耳型マイクです。
接続はステレオミニピンなので、【A】「H1n」や「DR-40X」などステレオミニピン端子が接続できるオーディオインターフェース機能搭載のレコーダーを使用するか、【B】AT-MA2とAG03(もしくはライン入力が2つあるオーディオインターフェース)を使用します。

①が欲しいけど、値段的にちょっとな…という人が購入を検討する値段帯かと思います。
また、マイクだけで言うと3Dioよりも進化したものを使っていると公式がうたっています。(が、音はカッチリ封がされている3Dioの方が良いなーと個人的には思います)
蓋が取れて中のマイクや耳のシリコンが取り外せるので、マイク自身様々な使い方ができる利点もあります。

▼Point

  • ①よりも低価格で買える耳型マイク

  • マイクの取り外しやシリコンの耳の取り外しが可能

  • マイクが金網のカバーで覆われているので耳かきがしにくい
    別途フェルトなどをマイクの上に置いてカリカリするなど対策が必要

  • 三脚を取り付けることができる(取り付けたほうがいい)

SR3D XLR pro (¥53,000程度)

XLR接続で③よりも安い耳型マイクです。【C】で接続する必要があります。
ステレオミニタイプであれば【A】【B】の方法で接続もできます。

が、こちらは海外から輸入する必要があり、上記値段に送料及び課税分の料金が追加されます。そう言ったことに抵抗がある人には難易度が高いです。

あるときからAmazonでの取り扱いがされるようになりました!しかも今まではマイクの上に鼓膜のようなフェルトがついてなかったのですが、こちらはそれがついておりそのままひっかくだけで耳かきのような音が出ます。
個人的には音質など考えると一番コスパの良い商品に思えます。

▼Point

  • ③よりも低価格で買えるXLR接続の耳型マイク

  • マイクが金網のカバーで覆われているので耳かきがしにくい
    別途フェルトなどをマイクの上に置いてカリカリするなど対策が必要

  • 三脚を取り付けることができる(取り付けたほうがいい)


ダミーヘッドマイクを使ってみたい


ダミーヘッドマイクと聞くと大抵の人が思い浮かべるのは「KU100」だと思います。

およそ一般人には手が出せない金額をされているので、ダミーヘッドマイクを持つことを諦めている人も多いかもしれませんが。
実はここの価格帯で購入できるものがあるので紹介します。

①B1-E Dummy Head (¥60,000程度)

②B1-E Dummy Head XLR (¥80,000程度)

①、②共に海外から輸入する必要のあるダミーヘッドマイクです。送料や別途課税が発生するので上記値段より少し上回ります。
違いとしては、①ステレオミニピン端子接続【A】【B】、②XLR接続【C】、というだけです。

他にも「マイクがついていないダミーヘッドだけ」という商品もあり、前述した「ROLAND CS-10EM」など他のマイクをはめ込むことでお手軽ダミーヘッドマイクになります。

余談ですが、私はこちらを購入した際に運びが雑だったのかキズがついてやってきました。
返品とか交換とか面倒なので取り換えはせず、ウチでは大事に扱ってあげてます。耳のシリコンはちょっと硬め。

スジモンみたいになっているダミーヘッドマイク

▼Point

  • 100諭吉出さなくても比較的安価にダミーヘッドマイクが買える

  • マイク抜きでも買うことができるカスタマイズ性の高さ

  • 黒より白の方が高い
    頭のちょんまげは外すことができる(穴をシールなどで塞ごう)

  • ただし海外輸入というハードルあり


コンデンサーマイク2本を使用した空間ASMR

収録方法の違いによる音の特徴

マイクを2本使用すると、マイクを挟んだ空間の音が収録できます。
耳を模したマイクを使用した場合と違い、外に広がる音を録るのには適していませんが、音の出るものをマイクの間に置いて空気感を収録するのに適しています。
カメラを真ん中に置いて音が出るものを撮影しながら収録したい方はこの方法の方が良いと思います。

勿論コンデンサーマイクを使用するため、【C】ファンタム電源が使えるマイク入力が2つ搭載されているものを使用しましょう。

▼Point

  • 咀嚼系やスライムを練る、マッサージをしている様子など、
    音が出る様子を撮影するときにぴったり

  • 耳の外から聞こえるような左右の音を拾うのは苦手
    耳かきとかには向いていないが空間の中で左右に動く音や空気感は良く拾う

  • ファンタム電源がついたマイク入力を2つ搭載しているオーディオインターフェースが必要

  • 基本的に同じマイクを使う方が良い

オススメマイク

①RODE M5 (¥25,000程度)

こちらは2本でこの値段です。性能良しコスパ良し。
マイク2本で収録となるとRODEのマイクをアップデートしていく方が多い印象。スタンドは別売ですが専用のを買っておくと便利。

②audio technica AT2020/AT2035 (¥10,000~¥16,000程度 / 1本)

通常の動画や配信でも良く使用されるマイクですが、こちらも2本そろえて上記のように収録することが可能です。

③Lewitt LCT440 PURE (¥22,000程度)

海外の方がよくASMRで使っているのを聞きますが、めちゃくちゃ低ノイズで良い音です。歌録音にも使えるというスグレモノ。

Lewitt LCT640 (¥100,000程度) ※例外として紹介

こちらも同じメーカーから出ているマイクですが、なんとこれ1本でステレオ録音が可能なだけじゃなく、様々な指向性(録音の特徴)を切り替えることができるというメチャクチャすごいやつ。

最初に紹介した「Blue Yeti」のかなり上位版だと思います。マイク2本で収録という今回のコンセプトとは違うのですが、歌を収録したいという人にも向いていると思う1本なのでこっそり紹介させていただきました。

RODE NT5 (¥50,000程度)

①の上位版です。同じく2本でこの値段。
ステレオマイクとして定番のようで、こちらもよくYouTubeで使っている人を見かけます。
これより上になるとTF5とかになります。諭吉が20人飛ぶ高級品です。


360度の音を収録できるスグレモノ


今まで紹介した耳型のマイクやダミーヘッドマイク、コンデンサーマイクによるステレオ録音はそれぞれに特徴がありました。
が、「左右に強い」「中央の空気感を収録できる」という特徴とは異なり「自分を中心にして360度の音が収録できる」という機材もあります。

Zoom H3-VR (¥23,000程度)

こちらは広い会議室の中で会議などを行う際に、テーブル中央に置いておくと全方位の声を拾って録音できるというスグレモノです。
その特性を生かしてVR映像の音などを収録することもできます。

サイズとしては両手に持てるサイズ感なので、カメラと繋げて外に持ち出して環境音を収録するということも勿論可能です。
前述しているレコーダーたちと同じく、レコーダーとしても使用できる上にオーディオインターフェースの機能もあります。

▼Point

  • 360度の音が収録できる、環境音の収録の臨場感がすごい

  • PCとつないで収録、配信もできる

  • 耳かきなどはやりにくい



【3】沼にはまりたい人向け


ようこそ沼へ。
ここまでくるといきなり購入しようとする人もいないと思うので、前述してきた内容などは「説明不要ッ!」が多くなると思います。


更に上位の耳型マイク

3Dio Free Space Pro Ⅱ (¥300,000程度)

https://mimimic.com/microphones/fs-pro2

通称黒耳とか黒3Dioとか。言わずと知れた高級マイク。
耳に使用されているマイクが白とは異なる。
そのマイク自体も単品で売っており購入が可能なので、2本自分で買って好きな耳の模型に埋め込むこともできます。

この価格帯の耳型マイクって黒3Dioしかないか?と思われがちなのですが、実は気になる品があり…。

サザン音響 SAMREC 1700Pro (???)

公式HPだと近日発売になっているんですが、購入されている方もいらっしゃったので気になるところです。ダミーヘッドマイクと3Dioの間みたいな形状をしています。

基本的に企業向けの商品ではあるので購入のハードルは高いですが、他の製品で受注生産できる入り口もあるので後述します。


本格仕様ダミーヘッドマイク


①NEUMANN KU100 (¥1,200,000程度)

これを買う時にはこの性能が生かしきれる機材や環境に恵まれていないと、という強迫観念に駆られそうになる。が、憧れの1台みたいなところがある。

②サザン音響 SAMREC 2700Pro (¥580,000程度)

前述したサザン音響のダミーヘッドマイクですが、受注生産品として販売されています。
KU100が手が出ないという人で、前述した「B1-E Dummy Head」よりも良いものが欲しい!という方が検討するところかと思います。

他にも2500シリーズがあり、こちらの価格帯は耳の特色に応じて「250,000~400,000円」とお値段が変わるので、そこも含めて検討してみるといいのかなと思います。



参考情報


冒頭でもお話ししましたが、ASMRをいざ収録、配信してみよう!と思うと全然情報が出回っていないということが多くありました。

しかも沼に入り始めるとやれ防音室だイコライザだコンプレッサーだあーだこーだとかなり煩雑になって来るのですが、それでも最初のとっかかりがわかりやすく楽しめたらという気持ちでいます。沼に入るのはそれからでいい。

この記事内で私が参考にした記事や動画などは紹介させていただきましたが、まだまだ他にも参考情報がありますので最後に紹介させていただきます。

3Dio ユーザーガイド

3Dioの使い方などの説明を記載してくれています。使う前に必ず読んでおくとよい内容です。
特に10~14は参考になりました。動画で例を出してくれてますが、配信においてもかなり参考になる内容だと思います。

バイノーラル収音と最新収音機材について

https://www.jas-audio.or.jp/journal-pdf/2020/01/202001_011-018.pdf

「バイノーラル収録」について過去にセミナーで用いられた資料のようです。
ダミーヘッドマイクでの収録でマイクの設置方法や耳殻の計上でどのように音が変化するかなど技術的な内容もあるのですが、最後のまとめの部分がわかりやすく大変参考になりました。

ビデオSALON 2021年12月号

これは雑誌のバックナンバーなんですが、「ASMR」で活動しているYouTuberたちへのインタビューが掲載されています。
動画へのこだわりだけでなく使用機材などもしっかり書かれているので、どういう風に撮影しているのかとか、どんなことを考えて動画を作っているのかなどがわかって大変面白かったです。

他の号にも映像に関する情報やカメラなどの製品情報がたくさん掲載されているので、見ていてとても楽しいです。
AmazonのKindle Unlimitedを契約しているとほぼすべてのバックナンバーを見ることができます。オススメです。

千夜イチヤのnote

他にもVtuber活動に必要な情報だったり機材レビューだったり、エッセイに近いものだったり、色々と記事を書いてます。
ちょっと時間があって暇なんだよな、っていうときにさっと読めるものばかりですので良ければ他の記事もどうぞ。



最後に


長くなりましたが「ASMRやってみたい」と思った方の助けになりましたら幸いです。
また、元々興味はなかったけどこの記事を読んで「ちょっと気になってきた…」という方がおりましたら嬉しい限りです。一緒に沼ろうな。

また、知ってる人にとっては「こんなもん知ってるよ」という情報ばかりで大変恐縮ですが、全く知らない人が入りやすい導入資料にしつつ読んでて面白いと思える記事を目指しました。
よければスキ!やコメントいただけると大変嬉しく思います。

千夜イチヤのASMRは「眠れない方へ癒しと笑いを届ける」をコンセプトにしているため、ASMRが苦手な人がカジュアルに楽しめるものから、ぐっすり眠れる用のASMRまで幅広く用意しております。
勿論ASMR以外の活動もたくさんございます。是非、チャンネル登録をして遊びに来ていただければ嬉しいです。

2021.12.19

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