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Vtuberの企画で考えてることをもうちょっと補足したかった。


初めに


サラーム!みなさまこんばんは。
バーチャル語り手、千夜イチヤと申します。しがないVtuberです。

本記事では先日配信した「Vtuberが企画を立てるまでの話」の内容で話しきれなかったことや補足などをしていければと思っています。


この記事から「千夜イチヤ」を知った、どんな人間かがわからないという方は、今までのnoteも是非参考にしてみてください。


①コストは自分の問題だけじゃない


配信の中でもコストという面には触れましたが、ここではもう少し掘り下げていければと思います。

準備面でかかるコストというと大きく言えば「時間」と「お金」ですね。
思い浮かぶのは以下のようなものがあると思います。

・配信や動画の素材づくり
・イラスト、動画の外部発注のやり取り
・景品、報酬などの予算

これらは配信内でも話しましたが、細かな手順を思い浮かべることである程度コストの重さが予想できるものです。
今までそういった経験があるなら、より細かく考えることができるでしょう。(もし初めてという方は失敗してでも経験して覚えていくと今後あらゆる場面でこの経験が生きていくと思います)


配信ではあまり深く話せなかったことで、かつ私が重視していることをお話すると、「ゲストや応募者のコスト」のバランスを考慮するようにしています。

どういうことかというと、「ゲストがやらなくてはならないコスト」「それをやることでのリターン」の釣り合いを考えるようにしています。


私の企画では、参加してくださるゲストの方々は基本的に公募しています。
企画の内容によって応募・参加時に必要なものはまちまちです。

凸待ちであれば「名前、YoutubeのURL、Twitter、立ち絵」など基礎的な情報を応募時に提示してもらいます。
そしてその後、企画ごとのコンセプトで各ゲストに事前準備が必要なものについてこちらから提示しています。

例えば、「凸待ちおじゅけん」では出題する問題の一覧をあらかじめ提示していましたが、当日になるまで誰がどれが当たるかはわからないようにしていました。

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そのため、ゲストのみなさんには「どれが当たるかはわからないけどある程度準備ができる」という状況でした。
これは「配信に準備して望まないと緊張してしまう、スベるのが怖い」という人向けの配慮になります。勿論、その回答の内容は私も事前には聞きません。

ですが、そういった準備が面倒、もしくはそんなのナシに本番に臨むという方もいらっしゃいます。そういう方々はその内容を見ないようにしておくことができるので、「当日本番の楽しみにしておく」という状況を選択できるようにしていました。

そしてここからは配信でもお話しましたが、臨んだ本番の自分の出演部分を切り抜いた動画を、配信終了後に各ゲストへお渡ししています。
それだけ準備をしっかりした面白いリアクションをしたことや残した爪痕を自分のTwitterやチャンネルで見てもらう機会にしてもらえれば、と思っているからです。

ちなみに、事前にこちらがお題を提示するものについては、1問だけ事前に提示していないシークレット要素を出すという凸待ちも多いです。
そのシークレットの相手は、やはり選びます。各ゲストの過去の配信を見させていただいて、そういった機転を回すのが得意そうな方を選びます。無茶ぶりですみません、いつもありがとうございます。


紹介系であれば、「V★1week」や「Vのど自慢」では凸待ちの時の基礎的な情報以外に提出いただいたのは活動や作品です。

「V★1week」はVtuber準備中でも参加は自由なTwitterとYouTubeを使ったお祭り企画でした。

しかし、参加のハードルは「特定のツイートに参加表明をする」というだけの簡単なものでしたが、配信で掲載されるための条件として大きなハードルがありました。

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それは「お題に合わせてVtuberが1週間毎日自分のことをツイートする」というものです。

「自分のコンテンツを1週間投稿し続ける」という行動は、Vtuberをしている方ならその大変さをご理解いただけるかと思います。
実際250名を超える応募者がいらっしゃいましたが、最後まで完走出来た方は150名ほどでした。


「Vのど自慢」では「ほぼ※音声加工していない歌の動画」を録画して送っていただくことで参加表明とさせていただいてました。
※条件はツイートに記載の通り

条件さえ満たしていれば既存の歌動画でも問題ないという条件でしたが、ほとんどの人が1から撮影、録音してくださったものばかりでした。

100名を超える方にご応募いただきましたが、その内配信内で紹介できたのは16名でした。


これらの紹介系の企画において、凸待ちよりも参加ハードルを高くしているのには勿論理由があります。

この2つの企画は景品(アマギフ、オリジナルソングetc)がかかっている大規模になることを想定した企画だったため、参加者全員を紹介するということはまず難しいと思っていました。

そのため、万が一紹介ができなかった場合でも、その方がご自身の活動のアピールの1つに今後使ってもらえる無駄にならないモノになるようにしています。(凸待ちの切り抜きと同じような感じです)

例えば「紹介しきれなかったゲスト全員を紹介する配信」を私は今後やることはそうないと思っています。

何故かというと、上記の配信を別途やると考えた場合でも、紹介にひとり1分しか使わないとしたって最低2,3時間はかかるだろう配信をリスナーが興味を持つ確率より、ハッシュタグを活用してくださった方のツイートを私や他主催の方々でRTするなど、Twitterを活用する方が多くの人に見てもらえると思っているからです。

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この辺でこだわっているところで具体的な例の一部としては、

・必ず立ち絵と名前を分かりやすくセットで表示す(企画全般)
・完走できた人のツイート一覧を左側で流して表示 ※SSを撮ってもらってTwitterに投稿することで自身のアピールにしてもらう(V★1week)
・参加、感想した人のアピール用の画像テンプレートを用意 ※お祭りに参加したと思ってもらえる思い出作りや、お祭りをやってることを周囲にアピールして多くの人に見てもらう(V★1week)
・配信で紹介されなかった動画をハッシュタグで投稿してもらうよう空間作り ※投稿してもらったものは全部RT・いいねさせてもらいました(Vのど自慢)
・配信終了後もアーカイブに訪れてもらうよう日替わりサムネを用意(Vのど自慢)

というような内容です。
勿論この内容はゲストに対するものだけでなく、自身のメリットにもつながるところのバランスも考慮しています。


このように、私は他人が関わる企画ではゲストのコスト&リターンのバランスを考えることを第一にしています。
勿論すべてが大成功!というわけではないのと、このバランスは自分自身の立場でも大きく変化してくるので、今後もこのバランス調整は地道にやっていかなくてはいけないと思っています。

配信内でも「企画に人が来ません…」というようなお話がありました。
私は「メリットがないと企画に参加してもらえない」と思うので、ここまでガッツリとメリットになりそうなものを提示するようにしていますが、ここまでやらなくてもVtuberさん参加してくださる方が多いです。(本当に有難いことに)

どちらかというと「ゲスト側が何をしなくちゃいけないか」「参加することで何があるのか」が想像つかないと参加してもらえないという印象があります。

「名前やチャンネル、立ち絵だけ提出すればいい」という企画は勿論参加しやすいと思います。人が来て欲しい時はこの手の企画から考えて、「参加することで何を提示できるか」を考えてみるといいのかなと思います。

これは決してアマギフなど即物的なものを出せというものではなく、人との繋がりなど形じゃないものもたくさんあると思います。
むしろ金銭面が絡むとより考えなくてはいけないものが多く出てくるので、あまり推奨できません。


こういった「ゲストの方たちの今後の活動で使えそうなもの」以外にも考慮しているのは、「ゲストの負担の軽減」です。

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これは配信内で「リスナーへの負担を軽減」というタイトルでお話しましたが、ゲストMC側の負担軽減にもなっています。
「企画成功のイメージの共有」は複数人で企画を実施する上で何より重要なことだと思っています。

あとは「拘束時間」なども考慮する必要があります。
凸待ちや企画でタイムテーブルを作成しているもう1つの理由は「企画全体の時間に対してゲストひとりの参加時間が10分強と短い」からです。
自分は10分しか出れないのに全部見てろなんてことはできません。そこまで責任を持ってもらうようなものをこちらからは提示できません。


ついつい企画をやる上で考えてしまうのは自分のコストになりがちですが、細かく確認することで他の方のことで考慮しなきゃならない点を忘れないようにしたいと常々思っています。


自分の体力を数値化する


とはいえ、自分のことも考えねばなりません。

ジャパニーズ・ことわざに「捕らぬ狸の皮算用」という言葉があります。
あとは「机上の空論」とかでしょうか。

実際企画って「やりたいな~」って思ってもそこで止まることが多いですよね。私もそうです。

そういうときの問題って「お金」であることって、意外と少ないと思っています。
お金が問題になりがちな企画ってそもそも夢物語みたいに想像することが多くて、「実施できなくて当たり前」ぐらいに思うからでしょうか。

それよりも「自分のやる気だったり時間だったりが調整できなくて実施できない」ということの方が圧倒的に多いです。私もそうです。(2回目)


モチベを保つ方法だったりメンタル保つ方法だったりはここでは触れません。
ここで触れるのは「千夜イチヤは自分の体力から実現可能な範囲をどう考えているか」という話をします。


私が用いてる手法は「プランニングポーカー」というものを自分なりにめちゃくちゃ大雑把にアレンジしたものです。ほぼほぼ自己流です。

プランニングポーカーというのがどんなものかを簡単に説明すると「タスクの重さに応じてフィボナッチ数列の数字を当てはめてタスクの規模を相対的に見積もる」というものです。

フィボナッチ数列とは「1,2,3,5,8,13…」とどの数字も前2つの数字を足した数字の羅列のことです。


まず、私は1年の各月の忙しさや自分の体調などから考慮してどれくらい「体力」があるかを先に目安をつけます。

決めるときは大体、一番の繁忙期を「5」としています。
語り手の繁忙・換算期はちょっと難しいんですが、大体年度末が一番忙しいので3月を「5」として、数が大きければ大きいほど閑散期ということで各月に数字を当てはめます。
※1にしない理由は後述します。

「1月…8、2月…8、3月…5、4月…5、5月…8」というような感じです。


次にその月に実施予定の細かなタスクを一覧化します。
これは勿論毎月内容が異なっています。数もまちまちです。

そしてそのタスクにフィボナッチ数列を当てはめていきます。
初めてやったときには一番重いと思われるタスクに「13」を振って、他のタスクにも数字を当てはめてました。
そしてそれを基準に毎月(他の月も同様に)タスクに数字を割り振るようにしています。

そして、月末に「できたタスクの数字のみ合算」します。この数値が自分の体力になります。

その体力の数値をもとに、月ごとのタスク消化率や、翌月の体力を予測してどれだけのタスクが詰めるかを見るようにしています。

例)4月の体力は35だったので5月の体力は49ぐらい。

体力から有り余るタスクが出てきたら更に翌月に回すとか、もう一度タスクの優先度を見直すなどしています。

※最初の月ごとの繁忙・閑散期に数字の「1」を使ってしまうと、単純に数字が倍々に増えてしまうので、あくまで割合として使えるあたりの数字から使ってます。


これはあくまでも目安を測るもので、私自身は毎月これらを予測した数字と実際こなした数字を見ながら微調整していっています。

なので、予測が当たる月もあれば、予想外のことがあってうまくいかないこともあります。
が、ある程度慣れてくると大体予測通りにできるようになって精度が上がって来るので個人的には非常に助かっています。


この方法以外にも、自分のタスクと体力を数値化する方法というのは色々ありますので、是非ご自身に合う形を探してみてください。
体力とは違いますが、「エンゼルバンク」という漫画で解説されていた転職するときの自分のスキルを数値化するという方法もとても参考になりました。


自分の体力はすぐに跳ね上がるということはないので、限られた中でどこまでできるかを見るにはわかりやすく数値化して見てみるというのも1つの方法かなと思っています。


②実行力と継続力を上げるために


どうしてこんな体力の話をしたのかというと、実は以下のアンケートで「おっと?」と思ったことがきっかけです。

私は「配信演出・準備」が1番にくると思っていたんですね。
ところが、結果を見ると「実行力」が1番でした。

ぶっちゃけ、この「実行力」はここまで語った「細かく手順を考えて実施する」とか「体力考える」で誰でもなんとかなるところだと思っているんです。

千夜イチヤらしさが出る「配信演出・準備」というところがスゴイ!と思ってもらえていたらいいな~なんて思っていたら、思わぬ結果になりましたので実はとてもびっくりしたのと、ちょっとだけしょげしょげしていました。


後は「企画を短いスパンで出し続けてる継続力」も言及されましたが、これについても「実行力」と似たようなもので、「テンプレート」を用意することでコストダウンを図ってます。
例えば企画書などはなるべくテンプレートにしたり、配信素材も毎回1から作るということがないようにしたり、次に使い回せるものを多く作っておくようにしています。

シリーズ物の企画にするときは「連続でやるからこその仕組み」を作るなども、続けるコツになるのかなと思います。


が、言及された「継続力」はどちらかというと「企画をやり続ける」というところの話かと思いますので、「千夜イチヤ」としての考えについて語っていきます。隙あらば自語り。


1回の成功をどう怖がるか


そもそも、よく私は「企画屋」として見られがちですが、実際企画(バラエティ番組?)だけが作りたくてやってるわけではなく。
みなさんと楽しめるものを探し求めていたら今の形になった、というのが正しいのです。そのためより楽しめるものができたらこういった企画をやらなくなることだって十分に考えられます。

それを踏まえた上で「前よりいいものを作らなきゃいけない」という意識をあまりしないようにしています。


もちろん、「より楽しいものを作ろう」という意識は絶対に捨てることはないです。でも手を抜くときはあってもいいと思ってるんですね。

人間、欲が出るものですから。一度評価されたものの続きをやると「前回より良くしよう、面白くしよう」と考えると思います。
大体2回目まではうまくいくと個人的にも思ってます。が、3回目以降の評価が前より良くなるかというと、意見が分かれるケースがとても多いなと思ってます。
それは作品のクオリティが落ちたとかとも違って、見ている人の飽きとか、自分じゃどうしようもない要素だって入って来るものだと思うので。


千夜イチヤの場合、良くも悪くも連綿とした波の中で変わっていく私という存在をみなさんには楽しんでいただいてると思ってます。
いつもいつも気合の入った配信をしてるわけじゃないですし、雑談したり歌も歌ったり、ギャーギャーいいながらゲームしてるときもあります。
そんなオフの私を見ているからこそ、より企画でステージに立っている私が映えるということもあると思ってます。

私は企画だけしていたいわけじゃなく、千夜イチヤの行動すべてに意味を持たせたいと思っています。「企画をしていない千夜イチヤに価値がない」ということになりたくないのです。


1回何かで注目されてしまうと、そこから身動きが出来なくなってしまう人も多いと思います。

でもその都度、私は思うのです。「一発のネタになることを怖がってはいけない、一発屋になることを怖がれ」と。

たまたまバズった内容だったり、うまくいった内容がそれきりになること、後続があまり評価されないことを恐れるのではなく。
それを恐れるがあまりに何も出せなくなることを怖がらなくてはならないと個人的には思っています。


確かに私は「企画屋」として見ていただけることの方が多いです。その部分が目立って印象付いているというのもあるのでしょう。
そして、配信でも話しましたが、今まで何回も企画をしてきたので「前の企画よりも反応が悪かった」なんてことは何度もあります。
でもそれはリスナーからの需要の差だったり、配信を実施する時間帯だったり、本当に色々な不確定要素があるので「何が悪いか」の断定が難しいのです。
「テレビの長寿番組が毎回面白いわけじゃないしな~」の精神でいます。


それよりも、忙しくて企画ができない、配信もできない。Twitterだって返事ができてないにもかかわらず、毎日ツイートして何かを発信しているのは、「企画が思ったより評価されない」ことよりも「千夜イチヤ」として何も出せなくなる日の方が私にとってはとても怖いことだからです。


だからコストダウンしてでも完全じゃなくても、自分が大事にしているところを見られていなかったとしても、何かしらのこだわりを出し続けるようにしてます。このnoteもその一環ですね。

noteも毎回スキ!の数は前よりいいとは限らないです。まばらです。1回ちょっと評価いっぱいもらったな~ぐらいの感覚です。
でも、それで「前より評価もらえてないしヤメよっかなー」とならないのは、今は「noteに自分の考えを書いていくこと」が「千夜イチヤであるために必要なこと」だと思ってるからです。


最後に


何かやれないisフラストレーション、という回遊魚のような人間なところもあるので、なかなか配信活動もできていない今、noteに活動をまとめていくというのは私にとっても本当にありがたい機会に恵まれています。

そしてこれを読んでスキ!してくれたりコメントしてくれたり、Twitterで感想書いてくださってるみなさん。いつも本当にありがとうございます!

本記事では以下のツイートのように基本自己完結しようとしている千夜イチヤが強めに出ていますが、それでもみなさまからの言葉は私にとってとてもとても励みになっています。

この記事は上手く交差点になっておりますでしょうか。
もし、あなたにとって楽しめるものになっておりましたら、私たちは交わってしまったも同然ですね。


2021.5.16


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