金曜の夜は何でも胸に刺さる

金曜の夜中に目に映る全てのツイートはなんか特別で♡を押し続けてしまうし、Amazonなんて開いたら土日に大量の宅配便が届くことになる。時空が歪んで一生抜けられないループの中にハマったとしても金曜の夜ならまあいいかと諦められるかもしれないし、諦められないかもしれない。ところで『夜空はいつでも最高密度の青色だ』とか『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』とかってほとんどの人間が覚えられないようなタイトルみたいな表題だ今回は。

そこそこ楽しみにしていた『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を観に行った。楽しそうな予告編、かわいいミニマシュマロマン、キャストにはどんな役でも華がありすぎるポール・ラッド&萩尾望都の作画みたいな育ち方をしたストレンジャー・シングスのマイクとワクワク要素満載でありながらそこそこ止まりだったのはオリジナル版の続編ということで、2016年リブート版ゴーストバスターズの大ファンとしては複雑な気持ちがあるからだ。アメスパ然り、私の好きな映画はよく亡きものにされる。(アメスパは後に救われることになるのだがそれはまた別の話。)

鑑賞後としては結局複雑な気持ちの方が勝ってしまったなあという感じ、オリジナルのファンが見たいであろうものを見せてくれるので、そういう人にとっては安心である。フォースの覚醒のとき50代のスター・ウォーズファンのかたがこんなものは見たくなかったと言っていたが、人気シリーズの続編については思い入れやタイミングで好みが別れるわねと当たり前のことを思った。
しかし第1作目と第2作目の監督の息子であるジェイソン・ライトマンが監督しているという事実を重ねて観るとぐっとくるものは多少あったかもしれない。ジェイソン・ライトマンといえば私は「ジェイソンライトマン『ゴーストワールド』大好き説」をずっと唱えているが、何年経ってもそれらしいコメントなど見つけられず確証を得ていない。監督作については共通点探しをしながら観てしまうのが最早癖だが本作はバズコックスがかかるくらいだった。ところでゴーストワールドはいつの間にかみんな大好き映画みたいになってしまっててちょっと悲しい、『ヤング≒アダルト』はモロだけどめちゃくちゃ好き。

歯医者さんに行った帰りだらだら散歩していて、中くらいの大きさのブックファーストを見つけた。引っ越しと転職を経て生活圏内に良い本屋がなくなり、あまり出かけない月など日々ストレスを溜めているが今もそうで、中くらいの本屋であるにも関わらずテンションが上がりたくさん買い物してしまった。『教育』が好みだったので『改良』と『破局』も読んだが、生活の中で頭で無意識に考えていることを改めて文章で理路整然と見せられるとこんなにも馬鹿馬鹿しいのかと面白かった。チェルフィッチュの岡田利規さんが日常生活において行う要領を得ない話し方や不自然に体を揺らしたりする自然さを劇に取り入れていると言っていた(はず)が、その時と同じくらいなるほどなと思った。あとこれまでずっと「ディ」アゴスティーニだと思ってたけど「デ」アゴスティーニだったらしい、古畑買いました。

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