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性病検査④検査結果は公表する?しなくてもいい?

性病の検査結果は、
・kaikanやお店のサイトで公開
・ツイートで公表
・予約客とセラピストさん間で限定的に提示
されているように思います。
見聞きしたことをまとめつつ、自分の考えていることを「4.公開や公表すべきと言えない難しさ」「5.検査結果の公表についてわたしも考えた」に書きましたので、ぜひ読んでご意見ください。一緒に考えたいです。



1.定期性病検査の公表の義務はある?

・利用客:公表の義務はありません。性病検査割を使う、粘膜接触のある性感サービスを希望するなら、お店やセラピストさんへ事前に提示するという利用条件を設けている場合があります。

・セラピストさん:聞くところによると、検査結果の公表や公開の義務はないようです。
お店により定期的な(30~40日ごとの)性病検査を契約時に課しているようですが、実行したかを確認しているのかはわかりませんでした。性病検査は法令や業界自主基準のような強制力はなく、店とセラピスト間のペナルティもなさそうです。性病検査の実効性の確保と営業活動への反映については、お店やセラピストさんを取材でもしないと確認できません。
陰性結果は営業免許のようなものですから、関係者と共有されて適切な営業活動に反映されているといいなと思います。

2.陽性結果の公表はどうする?
・利用客:公表は見かけませんが、カンジダになったなど呟く方はいらっしゃいます。
利用前の検査結果であれば、治療して陰性になってから利用すればいいでしょうし、間に合わないときはキャンセルポリシーを守ってキャンセルやリスケを考えればいいと思います。
利用後の検査結果が陽性の場合、利用したお店またはセラピストさんに知らせる決まりはありません。とはいえ、病気を拡げないという検査の目的を考えるなら、大人として伝えるだろうなと思います。ただ、性病の種類やふたりの関係性により言いやすかったり言いにくかったするでしょうし、利用者は陽性結果を受けて検査したセラピストさんが陰性のとき、その後の関係に影響がありそうなので、伝え方や態度など高いコミュニケーションスキルが必要に思えます。

・セラピストさん:陽性の結果を公表する義務はないそうです。営業活動に影響があるのでお店には報告しているかもしれません。
感染を拡げない、ピンポン感染を防ぐために、前回の陰性結果以降の利用者と予約者に連絡しているようです。
わたしは世の中の不特定多数に公表する必要はないと思うのですが、『○○の項目が陽性でした』というツイートはたまに流れてきますので、もしかしたら連絡のとれない利用者がいて、気づくことを期待して公表したかもしれません。

3.性病検査結果を公表しない・伏せるケース
・利用客:利用前の陽性結果であればキャンセルやリスケのときに陽性結果を伝える必要はないと思います。
厳しいキャンセルペナルティー、人気セラピストさんのようやく取れた予約を諦めたくない、辞めるため振り替えがきかないなどから、陽性結果を伏せて非粘膜接触で利用することもありうると思います。
利用中止を言い出しやすいルール設定や関係性は大切だなと思います。
自覚症状のないカンジダの陽性結果については考え方が難しく、マイルールを設けてました。

・セラピストさん:検査結果をkaikanサイトやお店サイトへアップすること、ツイートすることを忘れたりすることもあるようです。忙しさに取り紛れてしまうのだと思います。予約していればセラピストさんに聞いても構わないと思います。
タイムラインで見かけたのですが、お店への性病検査結果報告はするがその公表や利用者への結果の提示はしないケースがあるようです。「陰性でした」という言葉を信じるしかありません。
残念なことに、売上やランキングなど自分の事情や欲を優先して、結果を伏せて営業するセラピストさんはいるようです。

4.公開や公表すべきと言えない難しさ

・公衆衛生のメリットより活動のデメリットが上回ってしまうことがある
一年以上前にあるセラピストさんが、陽性結果をツイートしたところ営業活動に大きなマイナス影響がでたことをツイートしていました。治療後の陰性結果は陽性結果よりリツイートされず広まらないそうですから、公表には慎重にならざるをえない状況はあります。(陽性結果と治療後の陰性結果を対にするのは見かけるようになりました)

陽性の結果は感染リスクのある行為者同士にとって意味がある情報ですが、関係のない不特定多数に向けとなると性病検査しようという啓発や感染拡大の警告といった限定的な意味しかないように思います。関係のない多数が感染したことを責めたり、移した/移されたの犯人探しの拡大につながる恐れがあります。感染を拡大させない・早期発見と治療につなげるという検査の目的に適さないなら、公開/公表すべきと言えないと思います。
※お相手に陽性結果を隠して感染させるリスクの高い行為に及んではいけません。傷害罪に問われるケースもあります。

・法令遵守と公衆衛生のバランス・線引きが決めにくい
公開や公表を求めるときに悩ましいのが、検査結果は個人のセンシティブな情報であること。性病になったことや過去の感染履歴は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたります。ある時点で感染していないという陰性結果も情報のひとつだと思います。
詳しいことは法とその解説や実務者ハンドブックに照らす必要がありますが、情報を取り扱う際には不当な差別や偏見、その他の不利益が生じないように配慮が求められています。本人やお店が検査結果を公開/公表/提示する場合にも、利用者が見聞きしたり話す場合にも法が求めることに従うことが必要です。

個人情報保護法について考えるようになったきっかけが、過去の梅毒感染・治療がわかる検査結果に気づいたことでした。治療済みで現在は感染力はないことを証明する結果でしたが、レアな検査結果ですし、10年以上前の感染・治療歴が検査結果に現れるなんて考えたこともなかったので、ご本人に問い合わせて検査結果の読み方について教えてもらいました。その後、自分でも梅毒の検査の種類や判定の仕方について調べて納得しました。
このような経験から、公表するのであれば「感染能力はなく問題はありません」等書いてある総合判定や検査結果へのコメント欄も含めることで閲覧者の不安や懸念を払拭してほしいと思いました。検査結果の書式にそういった記載欄がなければ、不特定多数に向けて公開や公表せず、予約客に解説付きで限定開示するのがいいと思います。
センシティブな病歴である過去の治療済み感染歴まで自動的に公開/公表してしまうので、治療後も検査で検出されてしまうタイプの性病に感染することは大きなリスクだと考えるようになりました。
※本人が公表している個人情報も個人情報保護法の対象です。その対象範囲についての知識の不足、意識の低さに気づきました。これも調べてみようと思います。

質問箱で性病検査について回答の多いセラピストラさんの「公表すること」についての見解がありましたのでこちらに紹介します。Food for thought.


5.検査結果の公表についてわたしも考えた


定期的な性病検査の実施、陰性結果をサイトやツイートで公表する、陽性時は必要な範囲に速やかに連絡をしているセラピストさんや、そのように働きかけているお店は、職業倫理の意識が高いように思えます。
検査結果を聞くのも聞かれるのも連絡を待つのも、それなりに心理的な負担を感じるので、予め利用にあたっての不安を解消し安心安全に配慮してくれるのはありがたいなと思っています。

性病検査のお店ルールや検査結果の読み方について教えてくれたセラピストさんたちに感謝します


引き続き、医療機関や検査機関の検査結果表を正として扱うスタンスです。
抗体検査と抗原検査の違い、定性と定量の違い、偽陽性と偽陰性についても触れていません。


5/9追記あるお店のセラピストさんが自作の陽性検査結果表をツイートするという、悪質などっきりネタ事案がありました。これにより、公表されている検査結果が一部でも改変や偽造されているのではないかという疑念がうまれ、信じにくくなりました。前の記事は一定の記載事項を満たす検査結果表は正しいものとして疑わないというスタンスで書き、今回の検査結果の公表について考える記事も書いたので残念です。