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信州戦争資料センター 中の人の思うこと、やってきたこと

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信州戦争資料センターは戦時体制下にあった日本の姿を、所蔵資料で公開し、見ていただいた方に後はおまかせするのが基本ですが、世の中の動きに黙っていられないときもあります。そんな、通常…
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#父親

信州戦争資料センターの原点は、2度の空襲にさらされた父の体験

 わたしの父親は1929(昭和4)年、昭和恐慌の年の生まれです。まさに戦争の時代の中で成長していったのですが、生前、戦争体験は断片的にしか聞いておらず、亡くなるしばらく前になって、やっと自分も興味を持って尋ね、その時代の話を聞くことができました。せっかくの記憶が消えるのは惜しいので、できる限り思い出して書きます。写真は三重県宇治山田市(現・伊勢市)の戦災地図(部分)です。のちに話が出てきますので、しばらくお付き合いを。            ◇  もともと大阪にいた父は、母親