「外交は機能しているのか」との91年前の問い掛けが、今にも通じる情けなさ
長野県の地方紙「信濃毎日新聞」で戦前、主筆を担った石川県出身の桐生悠々(1873‐1941)が1933(昭和8)年8月8日の信濃毎日に書いた評論「強迫観念に脅かされつつある日本」を紹介します。
この評論は、意外にもあまり注目されておらず、3日後の8月11日に書いた「関東防空大演習を嗤う」がはるかに知られていて、この評論をきっかけに県内の在郷軍人でつくる「信州郷軍同志会」が陸軍の後ろ盾もあって信濃毎日新聞に不買運動を用意して圧力をかけ、結局桐生が退社することになってしまい