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信州戦争資料センター 中の人の思うこと、やってきたこと

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信州戦争資料センターは戦時体制下にあった日本の姿を、所蔵資料で公開し、見ていただいた方に後はおまかせするのが基本ですが、世の中の動きに黙っていられないときもあります。そんな、通常… もっと読む
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#憲法

憲法記念日に、あらためて「大日本帝国憲法」を読んでみた

 大日本帝国憲法は、天皇が臣民に与えた形をとる「欽定憲法」です。ですから、最高権力者である天皇が、こんな風に国を運営せよと指示した文書ともいえるわけです。下写真は、金権腐敗が横行していた戦前の選挙について、正しく行うよう訴えた1935年発行の冊子の表紙で、1889(明治22)年の憲法発布式の様子です。  では、その憲法の中身を見てみます。こちらは秋田魁新報第二号付録で1889(明治22)年2月16日刊行の大日本帝国憲法です。発布が11日ですから、当時の印刷通信事情を考えると

この新聞を取っておく意味は、さまざまな社会現象への警告となると思ったからー憲法軽視とゆがむ人権

 2018年4月18日付信濃毎日新聞朝刊は、一面のトップで自衛官の国会議員暴言事件を取り上げていました。  現職の自衛官幹部が国民の代表である国会議員に対し「お前は国民の敵だ」と罵声を浴びせたという出来事。さすが「関東防空演習を嗤う」を掲載した信濃毎日新聞。文民統制を揺るがす事態を見抜き、一番重要な扱いとして紙面のトップに掲載しています。  この新聞は、これまでためてきた戦時資料の新聞とともに、信州戦争資料センターの所蔵品として保管しておいてあります。  この紙面が、セン